#6 インターナルブランディングって結局何するの? −インターナルコミュニケーションとの違いは?−

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#6 インターナルブランディングって結局何するの? −インターナルコミュニケーションとの違いは?−


#6 インターナルブランディングって結局何するの? −インターナルコミュニケーションとの違いは?−

筆者:株式会社ゼロイン コミュニケーションデザイン総研 責任者 三宅 欣広(みやけ よしひろ)
1997年からリクルートグループで、主に人材領域で企業の採用広報やブランディング、地域活性コンテンツの企画・編集・制作、メディアの立ち上げなどに携わる。2010年、ゼロインに入社。インターナルコミュニケーションのコンサルティングや企業ブランドの構築・浸透などに従事。現在はコミュニケーションデザイン総研責任者としてノウハウの体系化などを行っている。

 

「インターナルブランディングを推進してほしい」と経営からミッションがおりてきて、さて何をしたらよいものか、困ってしまったことはありませんか。インターナルコミュニケーションの施策とは何が違うのでしょうか。今回はここを少し整理したいと思います。

ブランド資産を従業員と一緒に最大化する

そもそもブランディングは一般的に社外に向けて行うものというイメージが強いと思います。近年になって社内へのブランディングの重要性が増したことで、区別してインターナルブランディングという言葉が使われるようになってきましたが、本質的にはブランディング活動の一部と言えます。

世界最大のブランディング専門会社のインターブランド社は、「ブランド」を「常に変化するビジネスの資産」と定義しています。そして「ブランディング」を「あらゆるビジネス活動をマネジメントすることで、ブランド価値を最大化することを目的とする活動」としています。つまりブランディングは、単なる広告・宣伝などのマーケティング活動の一部ではなく、すべてのビジネス活動において意思決定のベースとなるものと言えます。そして社会変化の中で、ブランディングは「アイデンティティの時代」から「価値の時代」、「体験の時代」を経て、「共創の時代」へと進化しています。

これらを踏まえると、インターナルブランディングは、経営陣や従業員をはじめ、パートナー企業など バリューチェーンのステークホルダーと、ブランドについて理解し体現することで、価値や体験を提供し、ブランド資産を共に最大化していく活動となります。

ブランドとは企業とステークホルダーがかわす約束です。 この約束を従業員が行動として体現し、商品やサービス、接点となるチャネルやコミュニケーション活動の中で果たしていくことで、ブランドに好感をもち応援してくれるファンや、積極的に拡散しブランドの認知を促してくれるエバンジェリストが増え、ブランドの評価や資産は高まっていくのです。

北極星となるブランドと、地上で道を照らす灯台となる広報

この社外でのブランド体験の起点となるのは、従業員です。だからまず従業員がブランドを正しく認識し、体現していくことが重要になります(もっと言えば、第一には経営陣がそうであることが何より必要です)。

理念体系の言葉自体は実態がなく、天空で常に光り続ける北極星のようなものです。方角はわかるけれど、実際に複雑に入り組んだ地上を進んでいくとなると、もっとわかりやすいナビが必要です。この際に、地上で行くべき道を照らす灯台のような役割が、社内広報などインターナルブランディング推進者なのです。

灯台として主に照らしだすのは、次の4つ。まず北極星の位置や姿を正しく認識し共感してもらうこと。この際に、ブランドとしての目指す姿や段階的な浸透の状態目標を描いておくことが大事です。浸透初期の段階ではまず認識してもらうための発信活動が中心となります。

2つ目が社内にあるブランド体現の兆しや事例に光をあて共有すること。先行する体現事例を通じて、こういうことかと学び、やってみたいと実践することで、新たな事例が生まれていく。一方でブランドとしてやってはいけない行動をきちんとマネジメントすることも重要です。多様な体現事例が生まれるほどにブランドのもつ可能性や魅力は広がっていきます。そんな正のスパイラルをつくっていくことが大事です。

3つ目は、この社内のブランド資産を社外・社会とつなぐこと。社内で活躍する人や社会的な成果のあるプロジェクト、あるいは先進的な働き方は、採用シーンをはじめ、社会の中でのブランドの資産価値を高めます。また社内の事例が、社外にポジティブに表出することで社内での注目度が高まり、より意識化されるようになります。

4つ目は、社内のブランド浸透の状態を従業員エンゲージメントなどの指標を活用して定期的に測り、現状を見える化することです。最初に設定したブランドの浸透フェーズの中で、いまどのあたりにあるのか。どんなところに課題があるのかを見極め、次の打ち手へとつないでいきます。そしてインターナルコニュニケーション施策を改善したり、新たに企画し実施したりします。

戦略的なインターナルコミュニケーションで施策をつなぐ

ここでポイントとなるのは、ブランド浸透のための打ち手は、社内広報施策だけではない、ということです。育成や評価といった人事施策もあれば、各事業や部署単位の施策、各マネジメントの関わり方など、様々な要素が関わってきます。社内を見渡すと様々な施策が行われているのに、従業員にはまったく届いていない。それどころか、かえってモチベーションを下げてしまっている、といった話を私たちもよく耳にします。せっかくの施策を効果的にしていくためにも、戦略定にインターナルコミュニケーションを行いたいものです。

戦略的なインターナルコミュニケーションとは、これら組織と人のあり方のゴールや段階的な状態目標を決め、そこに向かうための社内コミュニケーションの全体像とストーリーを描き、各基幹部署と情報共有や連携をしながら、施策を計画・実行していくことです。このとき、同じ施策でも、企業文化や風土によって、伝わり方や効果は異なります。企業文化を踏まえて、どんなコミュニケーションを行うのか、具体設計していくとよいでしょう。

ブランディングが、体験の時代、共創の時代へと進化したように、インターナルコミュニケーションもいかに従業員の体験を設計し、巻き込んで共につくっていくかが大事な時代です。まずは進める皆さんが実現したい世界を仲間とともに描き、自らの役割にワクワクしていただけると嬉しく思います。

 

筆者:三宅 欣広

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