150人との触れ合い~ダンバー数と健康経営~

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150人との触れ合い~ダンバー数と健康経営~


150人との触れ合い~ダンバー数と健康経営~

筆者:株式会社ゼロイン 取締役副社長 兼 COO 並河 研(なみかわ けん)
1984年リクルート入社。広報室でインナーコミュニケーション施策や教育映像を手がけ、40年超の歴史を持つ社内報『かもめ』2代目編集長を務める。2009年ゼロインの取締役就任。以降、多数の企業で組織活性化をプロデュース。並行してアメフット社会人チーム『オービックシーガルズ』運営会社、OFC代表取締役としてチームをマネジメント。

“仲間”として認識できるのは150人まで?

突然ですが、みなさまの会社の従業員数は何人くらいでしょうか。日本国内企業の従業員トップ3は、トヨタ自動車73,875人、パナソニック57,484人、JR東日本旅客鉄道48,212人のようです。(2017年3月31日時点)

このような規模において、すべての従業員がお互いを認識している状態は通常考えられません。私が新卒で入社したリクルートの当時社長だった江副浩正氏は、「従業員が2,000人を超えたころから、顔と名前が一致しなくなった」と話されていました(2,000人というのは相当だと思いますが…)。

では、みなさまが一緒に仕事をしたりお酒を飲みに行ったりして、“職場の仲間”と認識できている人数は実際何人くらいなのでしょうか。

以前にもこのメルマガで紹介した『ダンバー数』では、“仲間”として認識できる最大人数は150人であると定義されています。文化人類学者のロビン・ダンバー博士が古今東西の集落や遺跡を調べた結果、家族を越えてコミュニティを形成している集団の人数が、概ね100~150人だったそうです。部族と呼ばれているようなコミュニティでしょうか。

※「なぜ150人なのか」という部分に関しては『友達の数は何人?』(著:ロビン・ダンバー / 訳:藤井留美 / 発行:インターシフト)をご一読ください。「ヒトの繋がりは3の倍数で形成されていく」や「集団で笑うのはヒトだけ、その理由は」といった、興味深い切り口で解説されています。

ゼロインでも、従業員数が100~150人を超えるお客様には「情報格差をなくし、一体感を醸成するために社内報(部内報、部門報)を作成してはいかがですか?」と提案させていただくことが多いです。

体の触れ合いが、コミュニケーションの質を上げる

さて、150人のコミュニティで健康的かつ質の高いコミュニケーションを取るためには、どのような方法があるでしょうか。大忘年会、BBQ、花見などであれば、150人でもリーズナブルに開催できるかもしれません。趣向を変えて船上パーティーの開催もありでしょう。

最近、弊社によくご相談いただくのはファミリーデーや運動会です。家族も対象にすることで家族同士が知り合いになり、「うちの子がインフルエンザになっちゃって…」「この間飛び跳ねていた浩太くんね。早く帰ってあげて」といった会話がスムーズに行われるようになります。

結果、パパ・ママ社員の働きやすさが増し、ワークシェアやダイバーシティの促進につながっていきます。当人も、仕事や会社に対する理解を家族から得ることができ、「社員と家族」や「会社と家族」といった“つながり”が強固になります。

ところで、運動会と聞くと体を動かしたくない従業員が多いのでは、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし意外や意外、技術者派遣の企業様で実施したドッジボール大会は大いに盛り上がりました。5人6脚のような自然と肩を組まざるを得ない競技など、体が触れ合う競技は、オフィスにはない新しいコミュニケーションが生まれ、一体感を醸成します。

実は、この一体感を醸成する心理的な変化は科学的に解明されています。ヒトは、ストレスを感じるとオキシトシンというホルモンが分泌され、「人と触れ合いたい」という信号を身体におくります。

オキシトシンは、人と直に触れ合うことで分泌が活性化され、ストレスで傷ついた心血管系細胞を回復させます。その結果、身体が健康状態を取り戻し、より良質なコミュニケーションを取ることができるそうです。

一見、敬遠されがちな綱引き、騎馬戦といった接触を伴う激しい競技も、見方を変えるとコミュニケーション課題の特効薬となり得るわけです。全社のコミュニケーション・プランニングや一体感の醸成といった大きな施策に取り組む一方で、身近な仲間と触れ合えるちょっとした企画を仕掛けてみても良いかもしれません。

寒い冬が明けると、花見の季節です。

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