『Commu Tech』が実現するインナーコミュニケーションの未来

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『Commu Tech』が実現するインナーコミュニケーションの未来


『Commu Tech』が実現するインナーコミュニケーションの未来

筆者:株式会社ゼロイン 取締役副社長 兼 COO 並河 研(なみかわ けん)
1984年リクルート入社。広報室でインナーコミュニケーション施策や教育映像を手がけ、40年超の歴史を持つ社内報『かもめ』2代目編集長を務める。2009年ゼロインの取締役就任。以降、多数の企業で組織活性化をプロデュース。並行してアメフット社会人チーム『オービックシーガルズ』運営会社、OFC代表取締役としてチームをマネジメント。

新たなつながりが生まれ、新たに見えるものがある

昨今、Fin Tech(金融×技術)を代表にHR Tech(人事×技術)、ED Tech(教育×技術)など、AIやインターネット、センサー、データマイニングの技術を用いてこれまで解決できなかった課題に取り組もうと、世界中で盛んに議論が行われています。

そこで今回は、私たちゼロインが向き合う『インナーコミュニケーション』の現場においてテクノロジーを活用できるのはどんなシーンか?という『Commu tech』の視点で書いてみたいと思います。

まずは、センサー技術について考えてみます。あるメーカーは、名刺大のウエアラブルセンサーから個人の行動データを取得して、組織の活性度や従業員の幸福感を計測する技術を開発・実用化しています。弊社でも、ウエアラブルセンサーを活用し、会議室の利用状況を可視化できる『びゅーこん』というサービスを開発し、オフィス最適化の提案に活用しています。

こうしたセンサー技術を駆使して、経営トップのスピーチや表彰式に参加している社員の心拍数や注目度数の変化を計測することができたらどうでしょうか。ほかにも千人を超える懇親会で社員に最も取り囲まれた役員は誰なのか、部署を越えた交流がどの程度発生したのか、などを可視化できるようになれば、社員を動かすためにより有効なコンテンツ・プログラム設計に活用できるでしょう。

次に、データマイニングはどうでしょうか。ビジョンや経営方針をメッセージした後、社員の日常会話を分析することや、部署・役職ごとのアンケートを集めることができれば、セグメントごとにビジョンや方針の理解度・共感度を読み解くことができます。こうしたデータがあれば、次回のスピーチ内容や全社的なコミュニケーションプランの設計に役立てることができるでしょう。

現状、社員総会で取得するアンケートは「理解できた」「どちらでもない」「理解できなかった」といった選択式の簡易アンケートにとどまることが多いようです。フリーコメント覧を設けても、社風によっては忌憚のないコメント(本音)を集めるのが難しいこともあるでしょう。こうしたアンケート結果が事務局の評価に直結する企業もあり、アンケートのイノベーションはなかなか進まない感覚があります。

三番目は、社内SNSなど新たなコミュニケーションチャネルです。弊社でもメールソフトにはチャット機能がついていますし、マネジャーだけのチャットツールも試験導入しています。10年前には存在しなかった数多のチャネルによって、社内における発言のハードルは低くなり、活発に交流できるようになりました。

ここで気を付けるべきポイントは、役職者であればあるほど自身の発言の威力を自覚することかも知れません。コミュニケーションハードルが低いほど私的な空間に感じられてしまいますが、社内SNSや社内チャットはあくまでも公的なものです。そこを勘違いしてしまうと、諸刃の剣になる危険性を孕んでいます。

働き方改革が進みテレワークの社員が増えると、通信技術を活用して遠隔地をつないだ同時中継型の社員総会や、VR技術を駆使した映像で疑似体験をするといった取り組みもどんどん可能になります。先日あるクライアントでも、東京・仙台・九州を同時中継でつないだ社員総会を実施させていただきました。ある高校ではVRで行う入学式が毎年話題になっています。

テクノロジーが進化する中で、「誰」と「誰」をつないでいくのか?「誰」の「どんなインサイト」を可視化したいのか?あらためて問われる時代が来ているように感じます。

テクノロジーに囚われ過ぎていないか

ところでニューヨーク大学のアダム・オルター教授によると、私たちは新しいメールが届くと、到着後平均6秒で開封しているそうです。そして、このとき集中して何かを執筆していたり創造していたりした場合、元の集中力に戻すには25分も要するというのです。

テクノロジーの進化は、“働く”ことにおいて必ずしも有益とは限りません。インナーコミュニケーション領域においても、テクノロジーの活用を考え始める前に私たち自身がどのようなコミュニケーションや職場環境を創りたいのか、まずはそこから真剣に考える必要があるように思います。

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