アタリマエを解き明かす “凄み”が伝わる表彰式

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アタリマエを解き明かす “凄み”が伝わる表彰式


アタリマエを解き明かす “凄み”が伝わる表彰式

筆者:株式会社ゼロイン 取締役副社長 兼 COO 並河 研(なみかわ けん)
1984年リクルート入社。広報室でインナーコミュニケーション施策や教育映像を手がけ、40年超の歴史を持つ社内報『かもめ』2代目編集長を務める。2009年ゼロインの取締役就任。以降、多数の企業で組織活性化をプロデュース。並行してアメフット社会人チーム『オービックシーガルズ』運営会社、OFC代表取締役としてチームをマネジメント。

「見事MVPに輝いたのは、売上3.5億円、通期達成率150%、営業1部営業1課の●●●●さんです。おめでとうございます!」紹介に合わせて栄誉感溢れる音楽が鳴り、受賞者は拍手の中ステージに上がり表彰状を受けとる。

よくある営業部の表彰シーン。「売上3.5億円」「達成率150%」といかにも“凄そう”な成果が紹介されています。しかし、これで受賞者の本当の“凄み”は伝わっているのでしょうか。

全員が同じ顧客、同じ商品、同じ担当地域、同じスキルで業績を競っているわけではありません。さらに全社での表彰となると、他の部門や職種では、追いかける目標やミッションが違うため、結果的にその人の“凄さ”や“優秀さ”が何なのか、十分に伝わらない可能性が大きくなります。

今回は、インターナルブランディングの視点から、より受賞者の“凄み”が伝わる表彰式のポイントをまとめました。

アタリマエを解き明かす

伝わる表彰の第一歩は、数字や成果ではなく、プロセスをほめることです。どうやってその成果に至ったのか、具体的な行動や場面がイメージできると、その凄さも伝わりやすくなりますし、マネすることも可能になります。

ただ、成績優秀者の方々に達成のポイントやそのプロセスについて伺うと、出てくるのは「いやぁアタリマエのことをやっただけです」という回答です。弊社でもこれまでたくさんの表彰式をお手伝いしてきましたが、ほぼ皆さんこうおっしゃいます。実はこの彼・彼女がいうところの“アタリマエ”の中にこそ最も重要な『ナレッジ』が詰まっているのです。

このアタリマエを紐解くために、受賞者の方に「例えば?」や「具体的には?」、「どのくらい?」などを繰り返し質問していきます。

仮に「お客様が求めることに応えているだけ、アタリマエのことをしているだけです。」と言われたら、「求めていることを掴むために、具体的に何をしていますか?」ときいてみる。さらに「例えば普段どんな情報を収集しているのか」「どのくらいの頻度で収集するのか」「どのように情報を整理しているのか」「例えば何かフレームを使っているのか」と具体的な行動とその質や量が見えるまで、アタリマエの中身を分解していきます。

こうした取材により、“尋常ではないアタリマエ”=“凄み”となり得る事実が溢れでてきます。その事実を一つひとつ時系列で並べ、ストーリーにして、表彰式の場やナレッジ共有のメディアなどで伝えます。アタリマエの中身を知ることで、「自分もやっているけど、このスピード感でやっているのはすごい。」というふうに、共通項と差がわかり、凄みが伝わります。そしてこのレベルを目指したいとなってくると、会社全体の“アタリマエ”レベルが向上していくのです。

きっかけにフォーカスする

ただし、「ここまでできるのは、この人だから。自分にはできない」と感じさせてしまっては、せっかくの紐解きが逆効果になります。そこでもう一つ受賞者を紐解いておきたいのが、これをやり始めた“きっかけ”やいまも続けている行動の源泉は何なのかです。

今度は「なぜ」を使った質問を繰り返して解き明かしていきます。

「目標達成したかったから」という理由も、「なぜ?」でもう少し掘り下げると、個人的な目標や想いが見えてくるかもしれません。「過去の失敗を2度と繰り返さないために」「真剣に開発や準備をしてくれた仲間の頑張りを無駄にしたくなかったから」「目の前のお客様の笑顔が嬉しい」。そんなきっかけや想いは誰にでもあるもの。どこか遠い人だった受賞者が、ぐっと近い存在になります。

また、「お客さまの事業は世の中の役にたつ、だから絶対に成功させたかった」「この仕事は、誰もが働きやすい社会づくりにつながると思っている」。そんなビジョナリーな言葉、それも受賞者のエモーショナルなスピーチは、表彰式に参加している人たちに本気の想いとして伝わります。「自分たちの事業・仲間って素晴らしいな」「自分も同じ気持ちだ」という共感が、「自分もちょっとやってみよう」という行動を喚起するのです。

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