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「朝起きられない」から生まれたエヌリンクスの13時出勤制度


「朝起きられない」から生まれたエヌリンクスの13時出勤制度

2010年の設立からわずか6年で従業員数550名へと成長した株式会社エヌリンクス。双子の兄弟が社長、副社長を務める珍しい企業です。

エヌリンクスは自社メディア運営事業と営業アウトソーシング事業、ふたつの事業を展開していますが、特に営業アウトソーシング事業において奇抜な制度が運用されています。

どうやらその制度、従業員の声から生まれたようですが、「朝起きられないから…」「今日は気分が乗らないから…」、そんな理由で出勤時間や出勤日を自由気ままに調整できるようです。果たしてこれも時代の流れ、“働き方の多様性”とポジティブに考えてよいのでしょうか。

その意図を確認したいCAPPY編集部が、専務取締役の花井大地さん、管理本部の小熊彩佳さんにお聞きしました。

 

編集部(以下、編):『13時出勤制度』、朝起きられない従業員が「ゆっくり出勤したい」という声から生まれたそうですが、この制度について詳しく教えていただけますか。
もともと弊社は定時が9時半出勤でした。ところが従業員が「朝起きられない」と言うので、少し遅らせて10時になり、11時になり、それでも出勤できない従業員がいたので午後にしてしまおう、ということで13時になってしまった制度です。

しかも13時に出勤したかと思えば、14時からお昼ご飯を食べに行ったりしています。この時間に出勤するのであれば、お昼は先に食べてこいよと思うんですけどね(笑)。業務効率が良いのかと問われれば、別にそんなことはないと個人的には感じていました。

ただ、現場にはとても受け入れられているんですよね。朝早くから夜遅くまで働くような仕事から転職してきた方々からは、「朝が遅くなるだけでストレスが圧倒的に減る」という声があがっています。

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専務取締役の花井大地さん

 

編:『お休みスライド制度』という制度もあるそうですが、そちらはどのような制度なのでしょうか。
主要事業のひとつである営業アウトソーシング事業は、社員でもシフト制の勤務体系となっています。月内のスケジュールを所定の勤務日数にもとづいて設定できるのですが、この制度がとんでもないのは自分で決めたシフトをさらに自由に変えてしまえることです。

どういうことかと言うと、出勤は13時なので帰る時間は21時や22時と当然遅くなります。次の日も午後出勤ですので、その時間からみんな飲み始めて、人によっては朝まで飲むわけです。そうして朝まで飲んだ人が「今日は仕事辛いな」と思ったら電話で「ちょっと今日は休みにしてください」と、休みをスライドするやり取りが簡単に成り立ってしまうんです。

ご想像の通り、メンバーをマネジメントしている管理職は相当大変です。自由に勤務するメンバーの要望を取り入れながらも、達成しなくてはならない目標数値が当然あるわけで、進捗を追い続ける必要がありますからね。もう制度化してしまい後戻りはできないので、今後も運用せざるを得ない制度です(笑)。

 

編:言葉を選ばずに言うと、とんでもない制度ですよね。従業員から要望があがってきてから制度化されるまでに、どのようなステップを踏んでいったのでしょうか。
社内で制度化されるに際して、厳密な規定はありません。随時、従業員から意見があがってきますので、理に適っていると思ったものを積極的に明文化・制度化しています。

基本的に情報は私のところに集まってくるようになっています。たとえば、家賃補助制度を他社でやっていて、うちでやらない理由は何ですか?と聞かれたときは、「お金に余裕があれば何でもやるけど…。じゃあ、やるか」と導入する。そんな感じです。

弊社の強みは従業員と役員の距離で、非常に意見をあげやすい環境です。多くの会社さんも“距離の近さ”をアピールされますが、距離の近さでは絶対に負けないと自負しています。たとえば小熊は3月に入社してまだ半年ですが、社内で一番話しやすいのは誰かと聞いたところ社長と答えていました(笑)。

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管理本部の小熊彩佳さん

 

編:その距離感は驚きですね。そうしたスピード感で制度を策定されていると、新たに制度化して「ちょっと違ったな」と思われるものもあったのではないですか。
13時出勤制度は違うのではと、ずっと思っていますよ(笑)。でもそれは私の個人的な価値観でしかないんですよね。

会社の制度が合っているか、合っていないかの判断は、結局のところ会社が成長しているかどうか。つまり成長し続けている限りは、全部合っていると考えていいと思っています。

今のところ5期連続で業績は向上していて、成長し続けています。私が個人の価値観で違和感を抱いていても結果が出ているので、妥協して認めるしかないですよね。

 

編:確かに、何が正しいか?は一人の価値観やこれまでの当たり前では判断できませんよね。そのほか、従業員の働き方をより良くするために取り組んでいる施策はありますか。
全国に18支店あるのですが、独自で制度を運用している支店があります。たとえば名古屋支店で運用している『新人過保護制度』という制度では、入社したての従業員は1日2時間しか営業してはいけないと決められています。

営業できる時間は2時間、それ以外の時間は上司含めた社内のコミュニケーションに費やしてもらっています。当初の目的は密なコミュニケーションによって離職率をどのように下げるかで、生産性は度外視だと思っていました。ところが、驚くことに生産性は結果的に上がっています。

新人と接する時間が増えることで、先輩は格好いい姿を見せたくなりますし、新人は逆に先輩がこれだけ頑張っているのだから自分も早く成果を出さないと、と主体的に自走を始めるようです。

 

編:どこかの支店で始まった施策が全国に展開されていくこともあるのですか。
新人過保護制度は中部エリアで広がっています。ただ、「ほかエリアで上手くいっていても、自分は絶対に受け入れられない」という支店長もいます。その場合、本社から押しつけることはしません。各支店の主体性に任せていく感じです。

そのように運用していておもしろいのが、関東と関西では制度や運用の仕方が異なることです。関西は人間味のある運用が多いですね。新人過保護制度も関西発祥ですし、悩みや困りごとは飲みに行って解決することが多い。関東は単純に営業成績で結果が出たら歩合を上げようとか、合理的な意見が出ています。

 

編:効果があった施策でも、必ずしも全社で取り組むわけではないんですね。
支店ごとにやり方を変えて部分最適化をすることが、全体最適化につながると考えているので、部分最適化を徹底的に優先しています。実はお休みスライド制度も、一支店だけ運用していない支店があります。

 

編:ちなみに他社さんから同じような制度を導入したいと相談された場合、どのようなアドバイスをされますか。
やめた方がいいですよ、と率直に言うと思います(笑)。弊社は本当に運が良くて上手く運用でき、売上も順調に伸びていますが、やはり普通に考えたら非合理でしかないんですよ。

 

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13時出勤制度もお休みスライド制度も、シフト管理しにくくなるじゃないですか。手間暇、マネジメントコストを考えると、我ながら非合理なことをやっていると思いますが、なぜか現在の弊社では合理につながっているんですよね。

 

編:なぜか合理になっているということですが、花井さんがほかの企業で働かれた経験と照らし合わせて、“働き方”にどのような違いを感じていますか。
私が新卒で入社したのはバリバリの営業会社で、誰よりも朝早く出勤して、誰よりも残って仕事をするような働き方でした。さまざまなことがルール化されてガチガチに決まっていましたが、そうした働き方をすることが売上を伸ばす最善の方法だと当時は思っていました。

しかしながら先ほど申し上げたように、弊社のような制度であっても創業以来右肩上がりで成長を続けているので、会社によって最適な制度は違うのだと肚落ちしています。

 

編:そうすると今後求められる“働き方”や“制度”の正解がわからなくなってきますね。
正解はわからないですね。今は上手くいっているので、身を任せていく感じです。ただ目指す経営ビジョンの実現に向けて、スタンスは明確になっています。

エヌリンクスは100支店計画を経営ビジョンに掲げていて、19拠点ある視点をまずは5倍にしていこうと意気込んでいます。事業内容や企業風土についてはまだこれから、やりながら創っていく予定です。

その土台となる、私たちが価値観として大事にしているスタンスが「楽しみを創りだす」ことです。楽(らく)して楽しむのではなくて、艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えたときに感じる一瞬の楽しさが、役員が共通で認識している“楽しみ”です。大きく成長していくフェーズは滅茶苦茶辛いと思いますが、その先に想像できないくらい気持ちいい達成感を楽しみにしています。

ただ一方で、社長の栗林は「もうバリバリやる時代じゃない。若い世代の方が賢いから若い世代が一番楽な働き方にしていく方が、生産性が高まると思う」と5年程前からよく言っていました。

私はそこでいくと古い世代です(笑)。本心では時間が質に変わるとまだ信じているのですが、何かの考え方を否定するのではなく、いろいろやり方はあるんだなという感じで受け止めて取り組んでいきたいですね。

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エヌリンクス役員のみなさん

筆者:じません

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