「働き方改革」とは?内容をまとめてみた

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「働き方改革」とは?内容をまとめてみた


「働き方改革」とは?内容をまとめてみた

2017年に入って以降、ほぼ毎日のように各所で議論や報道が繰り返され、見聞きする機会が非常に多い話題といえば働き方改革が挙げられます。注目度はこの1年の間に急激に高まっており、2016年4月と2017年4月で「働き方改革」が検索された回数を比較をすると、1年で20倍を超える検索回数へと上昇しています。

これほど注目度が高い中で、企業が働き方改革を実現するために取り組むべきテーマとは果たして何なのでしょうか。経営者から管理部門、あるいは現場の管理職の方を含めて、多くの方が頭を悩ませていると思います。

働き方改革は、2016年8月3日に発足した第3次安倍晋三第2次改造内閣で働き方改革担当大臣が設置されたことによって急激に認知が高まりました。その後、10月に大手広告代理店における長時間労働と過労死が報道されると、大きな批判と議論を巻き起こしました。

2017年3月28日には働き方改革実行計画として、基本的な考え方と共に具体的なテーマや方向性、施策が発表され、本格的な動きだしが始まっています。

そこでCAPPYでは、政府が公に発表している資料をもとに働き方改革の全体像をあらためて整理するとともに、社内コミュニケーションの視点で考える、今後取り組みたいコミュニケーション施策について複数回にわたってまとめます。

なぜ「働き方改革」が求められているのか

働き方改革の土台になっているのは、政府が掲げる一億総活躍社会です。

一億総活躍社会とは“女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる、いわば全員参加型の社会”を指しています。

そのうえで方針として、“希望を生み出す強い経済”、“夢をつむぐ子育て支援”、“安心につながる社会保障”の「新・三本の矢」が掲げられ、数値目標として「GDP600兆円」「出生率1.8」「介護離職ゼロ」が設定されています。

つまり、介護や育児、障害や病気などさまざまな背景を持った人たちが不安なく、かつ生産性高く働ける制度や環境をつくることで、生産年齢人口が減少する中でも経済成長を実現していこうという取り組みです。

こうした社会や目標を実現するために、社会の発想や制度を大きく転換する最大のチャレンジが、昨今話題となっている「働き方改革」なのです。

 

実現に向けた3つの枠組み

働き方改革が報道される場合、労働者の立場に近い「同一労働同一賃金」や「残業規制」、「テレワーク」といったキーワードが話題の中心になりがちです。しかしこれらは、複数あるテーマのうちの一部に過ぎません。

働き方改革の審議を主導する働き方改革実現会議では、実現に向けた大きな枠組みとして3つの観点で議論をしており、それぞれの観点ごとに課題設定とテーマ、対応策を定めています。

観点1:処遇の改善(賃金など)

課題:仕事ぶりや能力の評価に納得できず、意欲を持って働けない

特に正規雇用、非正規雇用と呼ばれる雇用形態の違いによる処遇の格差が、多くの非正規雇用労働者に「正当な処遇をされていない」と感じさせ、労働意欲の低下を生みだしていると考えているようです。働き方改革実行計画の文面には、“世の中から「非正規」という言葉を一掃していく”という強い決意が記載されています。

観点2:制約の克服(時間・場所など)

課題:ワークライフバランスが確保できず、健康面に影響が及んでいる
課題:病気治療、子育て・介護などと仕事の両立が難しい

かつての栄養ドリンクのコピーに代表されるような、ある種“長時間労働を自慢するかのような風潮”を変えていくことが掲げられています。労働制約の克服は、単に健康面だけを意識したものではなく、仕事と家庭の両立、男性の家庭参加、女性のキャリア形成までも対象となり、その根底には女性や高齢者の労働参加率向上があります。

観点3:キャリアの構築

課題:ライフスタイルやライフステージの変化に合わせた仕事の選択がしづらい
課題:家庭の経済事業によって、希望する教育を受けられない場合がある

終身雇用の崩壊と言われて久しいですが、まだまだひとつの企業に勤め続けるキャリアの方が多いのも事実。そうした“単線型の日本のキャリアパス”を、転職が不利にならない柔軟な労働市場や企業慣行の確立によって変えていこうとしています。また、人材の流動化を生みだすことで付加価値の高い産業に関わる人を増やし、国全体の生産性そのものを高めていこうとしています。

 

こうした3つの観点の中で、取り組むべき9つの検討テーマと具体的な対応策は次の通りです。

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9つの検討テーマと19の対応策

1.非正規雇用の処遇改善(処遇の改善)

□同一労働同一賃金の実効性を確保する法制度とガイドラインの整備
□非正規雇用労働者の正社員化などキャリアアップの推進

2.賃金引上げと労働生産性向上(処遇の改善)

□企業への賃上げの働きかけや取引条件改善・生産性向上支援など賃上げしやすい環境の整備

3.長時間労働の是正(制約の克服)

□法改正による時間外労働の上限規制の導入
□勤務間インターバル制度導入に向けた環境整備
□健康で働きやすい職場環境の整備

4.柔軟な働き方がしやすい環境整備(制約の克服)

□雇用型テレワークのガイドライン刷新と導入支援
□非雇用型テレワークのガイドライン刷新と働き手への支援
□副業・兼業の推進に向けたガイドライン策定やモデル就業規則改定などの環境整備

5.病気の治療、子育て・介護等と仕事の両立、障害者就労の推進(制約の克服)

□治療と仕事の両立に向けたトライアングル型支援などの推進
□子育て・介護と仕事の両立支援策の充実・活用促進
□障害者等の希望や能力を活かした就労支援の推進

6.外国人材の受入れ(制約の克服)

□外国人材受入れの環境整備

7.女性・若者が活躍しやすい環境整備(制約の克服・キャリアの構築)

□女性のリカレント教育など個人の学び直しへの支援や職業訓練などの充実
□パートタイム女性が就業調整を意識しない環境整備や正社員女性の復職など多様な女性活躍の推進
□就職氷河期世代や若者の活躍に向けた支援・環境整備の推進

8.雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の充実(キャリアの構築)

□女性のリカレント教育など個人の学び直しへの支援や職業訓練などの充実 ※7と重複
□転職・再就職者の採用機会拡大に向けた指針策定・受入れ企業支援と職業能力・職場情報の見える化
□給付型奨学金の創設など誰にでもチャンスのある教育環境の整備

9.高齢者の就業促進(キャリアの構築)

□継続雇用延長・定年延長の支援と高齢者のマッチング支援

 

これら9つの検討テーマと19の対応策それぞれにおいて、今後の対応の方向性と具体的な施策、ロードマップが定められ、“長期的かつ継続的取組”として公表されています。

そのとき、社内コミュニケーションには何ができる?

一見、労働制度の改革や法整備が中心のようにも見えますが、働き方改革実現会議では基本的な考え方の中で「企業文化や風土も含めて変えようとするもの」と明記しています。つまり企業文化や風土を創っている、働く一人ひとりへの浸透と意識変革も含めた活動が必要になるのです。

そこで次回は、働き方改革を推進するために社内コミュニケーション観点で考えられる取り組みをまとめます。

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筆者:じません

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