2014/08/25

フリーセル流表彰に注目!「会社は舞台、スタッフ1人1人は主役」が当たり前!

中小・ベンチャー企業に特化した、Webコンサルティング分野でTOPをひた走るフリーセル社。設立してから14期連続増収を実現し、今後の事業展開も好調だ。その成長の秘訣は、人財育成への注力だという。

自ら理念経営の方針を掲げ、「ベストベンチャー100」、「人材力100」や「働きがいのある成長企業 就職アワード」など数々の受賞歴を残している。そんなフリーセル社では、年間で様々な社内イベントが行われている。中でも、表彰式は頻繁に実施され、年次、月次レベルで20項目近くの賞が設けられ、受賞者延べ人数は月間約20人、年間約300人にものぼるという。

本日は、フリーセル社がなぜそこまで表彰式に拘るのか。インナーブランディング施策の秘訣は何なのか。同社代表取締役社長の木村裕紀氏にお話を伺った。

編:まずは御社の表彰制度について簡単にご紹介していただけますか。

木村:弊社では、毎月の表彰年2回の社員総会表彰を行っています。月次では、営業、管理、セールスマーケティング、CS部門ごとに、またマネージャーや新人など階層別に優秀賞や社長賞などを設けています。半期ごとに行われる社員総会では、MVPや部門賞、行動指針賞などの項目で受賞者を選出しています。また、そのほかにも、スタッフみんなで投票する「今月の花」がありますね。

編:各表彰の選出基準はどういったものでしょうか?

木村:さまざまな方法を取っています。営業部門はやはり数字が一番の基準ですが、非営業部門では、定量的、定性的に評価しています。例えば行動指針賞では、弊社の7つの行動指針に即して行動したスタッフを評価しています。

編:年間で膨大な人数になりそうですね。費用はどのぐらいかけていますか?

木村:毎月15~20人ぐらい表彰されるので、社員総会の表彰を加えて、年間延べ人数でいうと300人になりますね。そこでかけた費用はまちまちですが、月次の表彰報奨金だけで、年間500万円ぐらいかかっています。

編:このような表彰制度をやり始めた背景は何ですか?

木村:弊社は7期から「中小企業に特化したWEB コンサルティング企業NO.1を目指す!!」というビジョンを掲げ始めたからですね。こういうビジョンを掲げたからには、社内外に浸透させていくことが必要になってくる。やはり数字だけではなく、人の心を大事にする、もっと面白いことを仕掛けていくようになってきましたね。また、当時、会社は急成長して売上は倍々で伸びてきたんですが、組織としては未熟で、スタッフからみれば、どんどん仕事が増えてきてすごい大変な時期でもありました。そこで物心両面というか、もっとスタッフが喜べて戦えるような環境があったほうがいいなと思って、表彰制度を導入するようになりました。

freesale2株式会社フリーセル代表取締役社長 木村裕紀

編:理念浸透のためのひとつの施策ということですね。それにしても、なぜこんなにたくさんの表彰制度があるのでしょうか?

木村:ひとつの考え方としては、会社というのは舞台みたいなものだと私自身は思っています。社長はリーダーで、監督したりプロデュースしたりする。舞台(会社)がうまくいくように、リーダーが裏方にいて、スタッフ一人ひとりがステージに上がり、輝く場ができるかぎり多いほうがいい。彼らにスポットライトを当てて、皆で賞賛してあげることで自信が持てるようになります。弊社のようなベンチャー企業にとっては、やはり20代のスタッフが自分を信じる心を養えるかどうかは大切なポイントだと思っています。

編:競争させるための表彰よりは、自信を育てるための表彰ですね。なぜ自信を育てることが大事だと思いますか?

木村:自信を持つ事で自らやりたい理由を見つけ、追求する事で自由になれる。自分のやりたいことを自信もってやっていく、自分だったらできると思える、そういうような人間に20代でなれると、ビジネスマンとしても会社としてもかなり伸びると思います。そのための場作りが大事なので、できる限り数多くの人がそういう機会を得られるようにしたいと思っています。

編:このような施策を通して、スタッフに一番伝えたいことは何ですか?

木村:「仕事を楽しもう」というか、「サラリーマンっぽくならない」というところですかね。言われたことをやるのではなくて、主体性を持って仕事を楽しくやっていってほしいですね。

編:表彰を行うことで、「経営理念が浸透できた」、「効果があった」と感じるのは、どんな瞬間ですか?

木村:ひとつの象徴としては、これだけ表彰や社員総会をやることがいい意味で当たり前になってきた。この状況を当たり前だと感じているということは、そのまま社風として浸透している証明だと思います。

freesale32014年度全社社員総会の風景

編:このような施策を作ろうとしてもなかなか上手くいかない企業も多いと思います。御社の成功ポイントや、気をつけているところはどんな点でしょうか

木村:“ちゃんとやる”と本気で思っているかどうか、“会社を成長させたい”と常に思っているかどうかだと思いますね。社内イベントをコストと思うか投資と思うかで違います。私は断然投資だと考えています。

編:なぜそう思うようになったのでしょうか?

木村:時代が変わると早い段階で認識したからですかね。20世紀の「稼ぎたい」、「上にいきたい」、「会社をでっかくしたい」という風潮から、いまの時代になって、「社会貢献したい」、「もっと人の役に立ちたい」というのが大事になってきました。物質的なものでなく、精神的なものが求められるような時代がやってきました。精神的報酬というか、「働き甲斐」や「一緒に働いて気持ちいい人が多い」、そういうところが今後ポイントになっていくのではないかと思いますね。

編:これからの職場環境づくり、またインナーブランディング施策においては、何か新しい計画を考えていますか?

木村:これからは、圧倒的なスターが出てくるような職場にしたいなと思います。若手が主体的にどんどん好き勝手にやっていくような環境を作りたいです。ただそういう人財を作るには発掘、育成、環境が今以上に必要です。「発掘」に関しては、基盤環境はすでにできたので、あとは風土づくりですね。圧倒的な20代のスターを作れると、こういう会社に入りたいなと思われて、次のスター候補生がやってくるという好循環ができます。また、2018年までに「中堅・中小・ベンチャー企業の想いに応える日本一のマーケティングソリューションカンパニーとなる」という目標に向けても、これから子会社やグループ会社を含めて、20代のスターをどんどん抜擢していきます。

編:経営理念に即した人財育成、そして人材育成のための職場環境づくり、実は全部繋がっているということですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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筆者

中島浩太

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