2015/05/01
株式会社gloopsが新卒・キャリア採用情報の配信をWebマガジン形式ではじめたとのこと。何故“Webマガジン”という情報発信の手法を選択したのでしょうか?というか、“Webマガジン”ってつまりどういうこと?
そこで新卒・キャリア採用マガジン『good loops』(グッドループス)を担当する株式会社gloops広報部長の濵剛志さんに詳しいお話をうかがいました。
編集部(以下、編):good loopsについて教えてください。
good loopsは新卒・キャリア採用を目的とした採用情報Webマガジンです。現状の主なコンテンツとしては、弊社代表の池田とスペシャルゲストとの対談企画や、自社が開発するゲームのプロジェクトストーリー。スタッフインタビュー(社員紹介)、ワークプレイス(オフィス紹介)を掲載していますが、もっとコンテンツの種類は増やしていきたいと考えています。
制作と運用は、gloops広報部と、外部の制作チームでおこなっていて、月に1度の更新を目指しています。
編:good loopsを立ち上げた背景を教えてください。
このgood loopsを立ち上げるまで、弊社に単独の採用サイトは無かったんですよ。コーポレートサイトの採用ページに社員インタビューを掲載するくらいで、それ以外は大手ナビサイトを中心とした採用活動でした。
ただ2014年の後半あたりから、今まで以上に採用に注力していこう、という気運が高まりまして。しっかりとした情報発信をする為に単独の採用サイトを立ち上げる事になったんです。
ではどういったものを作ろうか、と世の中を見渡してみたとき、インパクトを重視した採用サイトが多かったんです。同業他社はエンターテインメント系の会社が多いので、例えば今流行の映像を活用した訴求や、サイト自体がゲームになっていてゲーム結果をSNSでシェアできる、みたいな。我々も似た手法を検討しましたが、同じことをしても面白くないって思っていました。
人事ではなく、広報が採用ブランディングの観点で制作する事で他社との差別化を齎したいと考えていたので、制作チーム内でアイデアを出し合い、ディスカッションを重ねた末に、採用サイトのカタチを根っこの部分から変えてみようという話になりました。
編:そこで何故“Webマガジン”という形式を選択されたのですか?
その採用サイトで何を伝えたいかを考えたときに、gloopsの“今”をしっかり伝えられるようにしたかったんです。gloopsがパブリックに持たれているイメージと、実情にはギャップがあることを、採用希望者へのアンケートなどで感じていました。企業は常に変化していくものですので、“今”を発信したいと思ったときに、継続性と更新性が高いWebマガジン形式がベストと判断しました。
また、「マガジンっぽい雰囲気の普通の採用サイト」ではなく、「gloopsの情報メディア」としてしっかり価値を持たせたいので、今後もコンテンツの質は注力していかなくてはならないですね。
編:ちなみに、どのようなギャップがあると思われているのですか?
特にワークスタイルに対するイメージですかね。gloopsは2011年~2012年あたりで大きく成長しました。その頃は力技でバリバリ働くまさにベンチャーで(笑)。社内にも「とにかく成功したい」という野心家のような人が多かった。その当時のイメージが今も残っているのかなと思います。
逆に、今はしっかりとモノづくりができることを大事にしています。よりクリエイティブ寄りになったということですかね。だから採用したい対象も、「面白いゲームを作りたい」という強い想いを持った方が中心になっています。
編:Webマガジンでは、どのようなことを伝えようとしているのですか?
いろいろな職種の人に、いろいろな角度からモノづくりを語ってもらいます。普通、採用サイトでは社員が出るといっても多くて20人程度じゃないですか?good loopsは1年以上の長期運用を考えています。おそらく50人規模での登場になると思います。
それだけの社員数になると、個々が持つモノづくりに対する捉え方は多様性に満ちると考えています。その多様性を通じて”今”を感じてもらえたら嬉しく思います。社員紹介も人数が限定されていると、個人の意思というよりは会社の意思が大きく、どこか芝居じみてしまうのではないのかなと。それって本当にそう思ってる?みたいな(笑)。
編:社員に取材する場合も本音を言ってもらうのですか?
世の中に出せない情報はもちろんカットしますが(笑)、可能な限り本人の言葉を採用しています。また、社員紹介はインタビュー形式ですが、本音が言いやすいようにインタビューを広報ではなく現場社員同士で行っています。
ちなみに、社員インタビューは「遊びでつなぐ」リレー形式にしています。どういうことかというと、取材の前に二人で遊んでもらうんです。これまでにキャッチボールやボーリング、人生ゲームなど色々やっています。
何故そんなことをしているかというと、gloopsがゲームデベロッパーだからというのは勿論ありますが、普段交流のない社員同士を引き合わせているからです。まず遊びを通じて仲良くなってもらい、お互い素の部分が出てきてから取材をすることで、柔らかな表情が撮影できたり、ざっくばらんなコメントが聞けたりするんですよ。狙いとしては、「遊ぶ事の魅力」、「ゲームなど遊び道具や文化の魅力」、「遊ぶモノを作っている人の魅力」などを感じ取ってもらいたいと考えています。
編:「遊び」を仕事にするgloopsらしい接点作りですね。ボーリングは随分オシャレな記事ですね。
振り切らないと面白くないですからね。フォトディレクションをデザイナーと行い、ロケーションの良いボーリング場を都内で探して撮影を行いました。オフィス内だけだと、どうしても絵が似てくるんですよね。50人載せようと思ったら、代わり映えしないと新鮮味がなくなってきますし。
また、登場している社員の趣味とかは、あまり考慮せず遊びを決めています。絵的な理由もありますが、自身では普段やらない遊びを楽しめる機会が提供できればと考えています。
編:もともと「社外のみならず社内も巻き込む」ことを目的にされていたとか?
good loopsは当社名のgloopsに掛けていますが、同時に、コミュニケーションの良い循環(good loop)を起こす想いが込められています。
基本的には採用メディアですが、副次的に社内に“きっかけ”が生まれていくのは良いですよね。普段すれ違っていた人が、挨拶するようになる。プロジェクトで一緒になったときに仕事がしやすくなる。その結果、プロダクトの質が上がり会社としての価値も上がる。そうすると採用希望者がもっと増える。
社内コミュニケーションの根底は、“きっかけ”作りが大切だと考えています。最近は社内を巻き込んだコミュニケーション施策がちょっと少なかったと思うので、いいきっかけだなと。
編:どのように巻き込んでいくのですか?
みなさん前向きに協力してくれますが、私が直接行って頼むことが多いです(笑)。上司から伝えてもらうこともしますが、メールを含めて間接的なコミュニケーションだと温度感が伝わらないので、直接話すことを大事にしています。その方が、当然仲良くなれますしね。
編:今後の展望を教えてください。
社員のみんなを早くこっち側(good loops)にしてしまうことが大事だと思っています。
インタビューに出演してくれた人がインフルエンサーとして、周囲の人を巻き込んで活動してくれるのが理想的。50人くらいが仲間になってくれると、良い循環が生まれてくるのではと見立てています。そうなったときの変化が楽しみですね!
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CAPPY'S EYE
「採用は採用担当の仕事」となりがちです。しかし入社者が一緒に働くことになるのは、現場社員のみなさん。現場社員が語る言葉にこそリアリティがあり、そこに人は惹かれるはずです。このgood loopsに50人、100人、200人と登場社員が増えていくことで、企業の色がどれだけ鮮やかに見えるのか。とても楽しみですね!
筆者
中島浩太