Road to the Best Communication feat. AbbVie 第2回: “好き”を語る時間が、エンゲージメントを育む | CAPPY

Road to the Best Communication feat. AbbVie 第2回: “好き”を語る時間が、エンゲージメントを育む

CAPPY - 全ての働く人に、HAPPYを。

Road to the Best Communication feat. AbbVie 第2回: “好き”を語る時間が、エンゲージメントを育む


Road to the Best Communication  feat. AbbVie 第2回: “好き”を語る時間が、エンゲージメントを育む

2013年に 設立されたグローバルなバイオ医薬品企業AbbVie Inc.の日本法人アッヴィ合同会社(以下アッヴィ)。日本版「働きがいのある会社」ランキングに、これまで中規模部門で2回、大規模部門で4回と合わせて6回ベストカンパニーに選出されるなど、従業員エンゲージメントを高めながら、着実に事業成長を続けています。 同社は2016年に策定した5カ年計画を2020年に達成、2021年からは「ベストカンパニー」を目指す新5カ年計画「Road to the Best」がスタートしました。同社にとって5カ年計画は単なる経営指標ではなく、社内外コミュニケーションの軸として日常的にも参照・実践されるもので、組織の継続的な進化の鍵となっています。

そんな同社のコミュニケーションのあり方や多彩な取り組み、またそれを支える企業文化などにシリーズで迫ります。(第1回はこちら

第2回は、従業員エンゲージメントの向上を目指し「アッヴィの魅力」の言語化に取り組んだ人事本部長の一柳達也さん、「アッヴィの魅力」を活用した広報を担当した児玉典子さんにお話を伺いました。

自分で考えて行動できる人財組織をつくる

編集部(以下、編):2016年策定の5カ年計画「5-Year Focus」では、二本柱のうちの一つが「従業員エンゲージメント」でした。なぜ、経営戦略として重視していたのですか。

一柳:今は、変化が当たり前の時代です。世の中の価値観は変わりますし、突然の災害や感染拡大も起こります。そうした社会においてもミッションを果たし続けるには、変化に対して柔軟で、新しい最良の方法を実行できる人財と組織になっている必要があります。言い換えると、その瞬間瞬間で、自分で考え、行動できる人財がいて、それを実行しやすい組織と環境があるということです。

では、そういう人財と組織は、どうやって作るのでしょうか?その答えは、社員が当社での働きがいを高めて、ミッションを果たすためにもう一歩努力しよう、チャレンジしようと思える環境を育てることです。それが、「従業員エンゲージメント」であり、経営戦略の大きな柱の一つとして、社員全員と共有しました。

編:エンゲージメントを高めるために、どのような取り組みをされたのですか。

一柳:社員一人ひとりの「したい」「やりたい」がたくさん出てくるような取り組みをすることです。自分の「したい」が会社の「したい」と一緒だと分かると、働きがいが高まります。言われたことではなく、自分がしたいことなのですから、もっとやりたいと思うわけです。もう一歩チャレンジして、したいことが達成できれば、自らの成長が実感できるので、さらに働きがいが高まっていく。こういう好循環をつくっていくことだと思っています。

年に2回、2月と7月に全社員を集めたミーティングを開催していて、ここで行うワークショップが鍵になっています。例えば、2017年7月のワークショップ・テーマは「私が思うアッヴィの魅力」でした。当時の参加者約1,000人が小グループをつくって、「私はアッヴィのここが好き」というのをお互いに共有し合いました。多くの会社は、「課題」について話すことは多いと思いますが、「好きなところ」について話すことって意外と少ないのではないでしょうか。ワークショップの中で、「こういう仕事が好き」、「上司や仲間が好き」という話を声に出して他者と共有することで、改めて自分はアッヴィが好きだ、ということを再認識するわけです。好きだから、もっとこうしたい、あれもやってみたい、が出てくるのだと思います。ポジティブな雰囲気があるから、それを声に出して言えるのだと思います。

編:やってみて反応はどうでした?

一柳:もうすごい反響でした。テーマがポジティブだから、盛り上がるんですよね。終わった後、多くの社員がきてくれて、「自分は仕事が好きなんだ、と思えました」って言ってくれました。

このようなワークショップから出てきた全社員の「私はアッヴィのここが好き」を集めて、「アッヴィの魅力」としてまとめました。つまり、これは社員が実感しているリアルなアッヴィの魅力ということです。

ワークショップを通して言語化された「アッヴィの魅力」

一柳: 魅力は大きく三つ、成長、自分たちが会社創りに関われること、革新的な製品とパイプライン*です。実はこれらは、5-Year Focusで掲げていたテーマに沿っているんです。5-Year Focusをしっかりやってきたことの結果が、魅力としてここに出てきたのかなと。これを18年2月の会で発表し、さらにワークショップではそれを使って、アッヴィの魅力を他の人に伝えてみる練習をしました。「自分の好き」がちゃんとアッヴィの魅力に反映されていることを再確認するプロセスですね。

*パイプライン…製薬業界では医療用医薬品候補化合物(新薬候補)のこと。豊富なパイプラインを持っていることは、企業の発展・存続の重要な要素となる。

児玉:私は転職してきてすぐの頃で、違う職種の人たちと話せて楽しかったのをよく覚えています。部署横断で集まって同じ体験をできたのがとても印象的でした。このとき「アッヴィの魅力」とあわせて発表されたペンギンのビジュアルも、すごく評判が良かったですよね。

社内外に展開された「アッヴィの魅力」のキービジュアル

一柳:当初いくつかのビジュアル案があって、これは社員に選んでもらった方がいいのではという話になって。社員に投げかけたら、ほとんどの人がペンギンを選んだんですね。「ペンギンなんて製薬会社っぽくない」というのが一般的な声だと思いましたが、当社の社員が選んだからこそ、アッヴィらしさが表現されていると感じています。

児玉:将来も考えて、比較的若い社員の意見を尊重したと聞いています。先日、社員インタビューをしていた際に、ペンギンの画像について私にも意見を聞いてくれて嬉しかった、チャンスがある会社だって言っていました。 フライングペンギンのビジュアルは、主に採用シーンで展開しました。例えば、採用案内冊子など採用関連の資材に用い、採用担当者はそれらを用いてアッヴィの3つの魅力を説明しました。

一柳: 2018年に実施した社員の意識調査では、アッヴィの魅力について〈知っている〉と答えた人が96.1%、〈実感している〉が82.2%と、非常に高い結果が出ました。ほとんどの社員が自分の会社はここがいいって言えるって、とても重要なことですよね。

エンゲージメントを高めるのは、会社ではなく社員

編:すごいですね。他社でやるとしたら、うまくいくためのアドバイスはありますか?

一柳:社員はその会社を選んで働いているわけで、何かしらの魅力を感じているはずだから。あとはもう問いかけるだけです。なんで好きなの?どこが好きなの?と。社員がそこに気づけば、エンゲージメントは高まります。

社員エンゲージメントは、社員の働きがいですから、会社が勝手に上げられないんですよ。上げるのは社員自身なので。会社は環境を整えるだけ。このスタンスで進めることで、社員が自分ゴトにしていきます。

マネジメントでも社員間でも、お互いに「こういうことがしたい」を認め合うカルチャーは大事にしています。自分でやりたいと言ったからには頑張るし、結果も出やすい。自分で決めて、自分で実現した、と実感できます。新たな制度を作る時にも、ルールを決めるのではなく、本人がしたいことを実現できるような柔軟なものにしています。 アッヴィでは「my journey, my choice 私の人生は、私が決める」というスローガンを掲げて、人事施策を考えるときのコンセプトとしています。社員が自分自身で選択できる、その選択肢を提供するための様々な制度設計や職場環境の改善に取り組んでいます。


アッヴィでの働き方コンセプト「my journey, my choice」のロゴ

編:社員にやらされ感が出ないよう、どのような工夫をされているのですか。

一柳:社員が自分で考え、声に出す場をたくさん作っています。18年7月の全社ミーティングでは育成をテーマにして、社員一人ひとりが自分の「キャリアジャーニー」を作ってみるというワークをしました。さらに19年2月はカルチャーをテーマにして、「理想のチームになるために私ができること」を声に出し、19年7月は「my journey, my choice」をテーマに働き方改革の話、20年の2月は5-Year Focusの仕上げに向けて何をやるのか、20年7月は次の5カ年でベストカンパニーを目指すという発信とともに「あなたが思うベストカンパニーってどんな会社?」というテーマで、それぞれワークショップを実施しました。会社の成長段階に合わせて社員一人ひとりが自分の想いや考えを声に出す機会を増やし、会社創りに組み込むことで、自分が会社創りに貢献している、したいことが実現できていることを社員が再認識していると思います。

編:継続的にそういう機会をつくってきたことで、何か変化はありましたか?

一柳:発想がポジティブになってきたのと、もっと良くしようという雰囲気がどんどん出てきているな、という実感はあります。 ポジティブなことを言うのって意外に勇気がいると思うんですね。会議でも「できないよね」って言っている方が楽で。でも私たちは意識的に「自分が実現したいこと」を話してきていて、会議でもポジティブなことを言う方が当たり前になっています。大きな変化だと思います。

児玉:しかも語って終わりじゃない。みんな単なるお題目とは思ってないですよね。

一柳:そう。ちゃんと形にします。例えばアッヴィの魅力を語ったら、その後に社員紹介カードを作って、知り合いの方に話してもらう。それで応募してくれたら、私たちは優秀な人財が採用できるわけで、これはビジネスに直接貢献ができる成果です。「自由と責任」という言い方もしています。当社はかなりフレキシブルな働き方ができますが、自分で選択をするわけだから、その選択に対してちゃんと自分が説明できる責任を果たしていく。そういう認識を社員は持っていると思います。

児玉:「アッヴィでは柔軟な働き方ができてすごく働きやすいけど、だからこそ自分がしっかりする必要がありますね」と言う声も聞きました。

一柳:何より社員を信じる事が大切ですよね。子どもって、あれをやれとかこれは駄目とか言うほど、言うことを聞かないじゃないですか。でも時間だけ決めて、その間にあなたがやらなきゃいけない宿題はこれで、終わらせたら好きにしていいよって言うと、やるんですよね。やっぱり人間って自由をもらったら責任を果たそうとするし、自由がもらえないと自由が欲しくて反発する。私はもうどんどんフレキシブルにした方がいいと思っていますよ。

児玉:もう一つ、ビジョンや方向性、ゴールが明確で、ちゃんと共有されているからできるのだと思います。すごく浸透しているし、実感もしています。

編:5-Year Focusを達成し、新5カ年ビジョンとして「Road to the Best」がスタートしました。今後の取り組みを教えてください。

一柳:これまでは、自分たちがやっていることを自分ゴトにしてきたわけですが、これから重要なのは、それをさらに超えていくことです。今回「Road to the Best」で新たに加わった一つの柱は、ビジネスを超えて社会に貢献していくこと。例えばダイバーシティ&インクルージョンの取り組みでも、自分たちのものにしたら、次は社会に還元していく。こうしたことを実践することで、私たちの生きがいや働きがいがもっと高まって、ベストカンパニーになるというイメージを持っています。

児玉:多様性がとても大事だと思っています。いろんな人がいることで助け合えますし、違った見方もできます。広報としては、一部の社員だけを紹介するのではなく、いろんな社員に出てもらいたいですし、違う部や社外の人と対話できる機会をもっとつくりたい。それを通じてより良いコミュニケーションに繋がっていけばといいな思っています。

今回お話を伺った(左)一柳さん、児玉さん

CAPPY'S EYE

アッヴィについて

世界70カ国以上の国に約48,000人もの従業員が働く、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業。

日本においては、1,300人を超える社員が医療用医薬品の開発、輸入、製造販売に従事。自己免疫疾患、肝疾患、神経疾患、がんの各領域を中心に、患者さんの人生を豊かにしたいと願い、日々の業務に取り組んでいる。

筆者:須永栞莉

SEARCH