2016/10/28

出産・育児を応援!サイバーエージェントの復帰したくなる人事制度『macalon』

渋谷のとあるレストランに集まる女性たち。一見ただの女子会に見えるこの集まりですが、よくよく会話を聞いてみると「港区の産後の補助ってどうなっています?」「近所で遊びに行くところは?」…と育児の話、しかも港区限定の話題ばかりされています。

実はこの集まり、同じ区に住む株式会社サイバーエージェントのママ社員が集まって情報交換をする『おちか区ランチ」です!『おちか区ランチ』とは、「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」という想いが込められた、2014年に導入された人事制度『macalon(マカロン)パッケージ』のひとつです。

今回CAPPY編集部では、今年から新たに『macalonパッケージ』に追加された『おちか区ランチ』『認可外保育園補助』『ママ報』についてお話をうかがってきました。

インタビューにお答えいただいたのは、『macalonパッケージ』の立ち上げメンバーである人事本部の田村有樹子さん。子育てをしながら活躍するママ社員です。

編集部(以下、編):まずは『macalonパッケージ』の全体像について教えてください。

田村さん:『macalonパッケージ』は、2014年5月に5つの人事制度をパッケージで導入することから始まりました。そして今年6月には、『認可外保育園補助』『おちか区ランチ』『ママ報』、3つの制度が新たに加わり、全部で8つの制度がパッケージとなりました。

2014年導入当初の5つの制度

エフ休

女性特有の体調不良の際に、月1回取得できる特別休暇。今後、通常の有給休暇も含め、女性社員が取得する休暇の呼び方を「エフ休」とすることで、利用用途がわからないようにし、取得理由の言いづらさ、取得しづらさを排除。(エフ=FemaleのFを指す)

妊活休暇

不妊治療中の女性社員が、治療のための通院等を目的に、月1回まで取得可能な特別休暇。急な通院や体調等に考慮し、当日取得が可。本休暇取得の際には「エフ休」という言葉を使用することで、周囲に知られず取得が可能。

妊活コンシェル

妊活に興味がある社員や、将来の妊娠に不安がある社員が、専門家に月1回30分の個別カウンセリングで相談できる制度。このほかにも、専門医による社内セミナーの開催およびクリニックの紹介を実施。

キッズ在宅

子どもの急な発病や登園禁止期間など、子どもの看護時に在宅勤務できる制度。契約した労働時間を上限に利用が可能。

キッズデイ休暇

子どもの入園・入学式や親子遠足、参観日といった学校行事や記念日に取得できる特別休暇。年に半日休暇2回の取得が可能。

2016年に追加された3つの制度

おちか区ランチ

居住する市区町村によって異なる保活情報や育児にまつわる情報について、ママ社員同士で情報交換・相談できるよう、同じ市区町村に住むママ社員(妊娠中のプレママ社員・産休育休中のママ社員も含む)が集まるランチ代を会社が補助する制度。同じ市区町村に住むママ社員が4名以上集まれば実施が可能で、4ヶ月に1回、一人当たり3,000円のランチ代を会社が負担。

認可外保育園補助

認可保育園・認証保育園に入れないために仕事復帰ができない女性社員を対象に、高額な認可外保育園料の一部を会社が負担することで女性社員の仕事復帰を促進する制度で、認可保育園と認可外保育園の保育料差額を支給する。

ママ報

ママ社員向けの社内報。育児と仕事を両立するママ社員の経験談や、会社の最新情報を掲載し、ママ社員同士はもちろん、産休・育休中の社員にも自宅へ郵送することで、産休・育休中の社員と会社とをつなぐことを目指す。

編:もともとの5つの制度だけで、かなり手厚い印象を受けます。また、女性活躍の制度はどうしても“今まさに子育てをしている”社員向けのものが多くなりがちな中で、『妊活休暇』や『妊活コンシェル』など、これから出産を考えている社員に向けた制度も含まれているところが思い切っていると感じました。今回、3つの制度を追加されたのは、なぜなのでしょうか?

田村さん:きっかけは育児休暇中のママ社員から悩みを聞いたことです。復帰しようと考えているママにとって、一番不安なことが「保活」(子どもを保育所に入れるために保護者が行う活動)です。待機児童の問題が声高に叫ばれ、「よく分からないけど、すごく大変らしい」という漠然とした不安の声があがっていました。

このような情報は、やはり身近な人や同じ境遇の人の言葉が一番参考になりますよね。ですので、サイバーエージェントのママ社員同士をつなげることが不安の解消になるのではと思いつき、保活が終わったママ社員と、今まさに不安なママたちをつなげようという構想がわきました。

さらに、もう一歩ママ社員の目線に踏み込んで考えてみると、待機児童の状況は市区町村で全く状況が違うし、保活で気にしなければいけないポイントも違うことがリアルな悩み。そこでサイバーエージェントの社員を単純につなげるだけではなく、同じ市区町村に限定してつなげてみよう、ということで『おちか区ランチ』が生まれました。

すでに4地区で開催したのですが、育休中のママ社員からは「リアルな声が聞けるので安心できた」と非常に好評です。

始めての「おちか区ランチ」は2016年5月の休日にピクニック形式で実施

編:確かに私の周りでも「区によって状況が全く違うから、友人の話が参考にならない」と悩んでいる声を聞きます。同じ会社の社員で、しかも同じ区の人から話が聞けたらとても安心ですよね。

田村さん:私も保活を体験しているので、その不安はとてもよく分かりますし、情報があるだけでも無駄な心配が減り、復帰に前向きになれると感じています。

編:では、『認可外保育園補助』はどのような背景から生まれたのでしょうか。

田村さん:今年の春に社会現象を巻き起こした匿名ブログ「保育園落ちた」には大きな衝撃を受けました。弊社でも今年4月に社員が2名、保育園が決まらないまま育休が満了になり、退職せざるを得ない事態が初めて起こりました。

やる気のある社員の方に活躍してもらえないのは本当に残念なことですし、復帰したいという社員をサポートできる体制を会社として整えなければと焦りを強く感じました。

これまでにも事業所内保育園などを検討しては、通勤ラッシュ時に子供連れで出社するのは現実的ではないと見送ってきました。お金を支給するサポートには慎重だったのですが、このような背景を受けて『認可外保育園補助』を取り入れることになりました。

編:『認可外保育園補助』の導入によって、どのような変化がありましたか。

田村さん:復帰時期に大きな変化が生まれました。これまでは、保育園に入れる4月のタイミングでの復帰がほとんどで、それ以外は臨時の空きが出やすい10月に1人、2人復帰するときもある、という状況でした。ところが、この制度ができた後は年途中の復帰が増え、今年は6月1人、8月2人、10月に4人が一気に復帰し、今までとの違いを感じています。

編:受け入れる側の上司やメンバーはその変化をどう捉えているのでしょうか。

田村さん:とてもウェルカムな雰囲気ですね。それはこれまで時短勤務で復帰したママ社員たちが、非常に生産性高く働いているからです。高い成果をあげる一方で労働時間も長くなっていたメンバーが、そうしたママ社員を見て自分の働き方を見直すなど、部署全体に良い影響を与えています。「○○さん、そろそろお子さんが1歳になるし復帰しないかなぁ?」という相談が、部署の方から人事にくるほどです。

編:現場から期待されているということが、ママ社員の活躍をさらに促進しそうですね。

では、実際に『おちか区ランチ』に参加したママ社員はどのように感じているのでしょうか?港区のママ社員3人にうかがいました。(お子さんの発熱により急遽1名欠席のため、3名での開催です)

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左から、1歳の娘さんを育てる法務室の宮下晴代さん、2歳の息子さんを育てるAmeba統括本部 経営企画室の金成珍さん、2歳の娘さんを育てる全社広報室の上村嗣美さん。

「古くからのお友達ですか!?」と思うほど赤裸々にお話をされていましたが、金さんは他の2人とは初対面だそう。やはり共通点が多いほど盛り上がるようです。話題は「ママ社員ならではの仕事の悩み」「保育園あるある」「旦那さんとの家事分担あるある」など多岐に渡ります。

1人が「これどうしている?」と投げかけると「私はこうしたよ」「あの部署の●●さんはこうしていたよ」と、まさに情報交換の場になっていました。

編:3人とも『macalonパッケージ』が始まったタイミングで産休・育休だったそうですが、『macalonパッケージ』ができてよかったことは何ですか?

金さん:私は育児をしながらのワークスタイルがイメージできておらず、同時に当時は相談できるママ社員が近くにいなかったこともあり、不安に感じていました。ですので、『おちか区ランチ』のように、社員同士で相談できる場を会社が用意してくれているのはとてもありがたいです。

宮下さん:私は『妊活コンシェルジュ』がありがたかったです。仕事と体調、両方の面からアドバイスをもらい、上司に働き方を相談しようという勇気をもらいました。

金さん:『認可外保育園補助』によって、選択肢が増えたこともとても大きいですね。認可保育園にしか入れないとなると、入れなかった場合引っ越しをするしかない。でも、会社からの補助があると認可外保育園も選ぶことができます。会社がこうして選択肢を増やしてくれるのは、本当にラッキーなことだと思います。

編:『macalonパッケージ』ができて、社内の反響を感じるタイミングはありますか?

上村さん:『妊活コンシェル』や『キッズデイ休暇』、『キッズ在宅勤務』など、男性社員も使えるようにしたことは大きかったですね。男性が参加することで、“働くママの支援”を会社全体で考えられるようになったと思います。

また、制度を社外に発信したことで、サイバーエージェントで働きたいという女子学生の目線も変わりました。弊社は若手がバリバリ働くイメージが強いようで「子育てをしながら活躍できますか?」と新卒採用の説明会などでよく質問されていたのですが、こうして制度化して明示したところ、今では皆無になりました。

編:なるほど。当事者のママ社員だけではなく、男性社員や子育てを考えている社員をどのように巻き込んでいけるかもひとつポイントになりそうですね。

後編では、ママのリアルな声を届ける社内報『ママ報』をご紹介します!

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筆者

ミーヌ

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