企業文化づくりが仕事!イノベーションの“文化専任担当”とは?

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企業文化づくりが仕事!イノベーションの“文化専任担当”とは?


企業文化づくりが仕事!イノベーションの“文化専任担当”とは?

企業文化は、企業内で共有されている理念や価値観、行動指針によって醸成されています。この企業文化ですが、政府が主導する働き方改革を実現するためには、多くの企業でこれまでに培ってきた文化や風土を変えることが必要です。

なぜなら、「生産性の向上」や「柔軟な働き方」、「多様な働き方」には、新たな価値観や行動指針を策定し、文化や風土も同時に変化させる必要があるからです。

さて、この文化醸成を意図して社内コミュニケーション施策に取り組む企業は、どれほどあるでしょうか。法人営業の新しいスタイルを創造する事業を展開する株式会社イノベーションでは、社内文化づくり(と風土の継承)の専任担当を企画管理本部内に配置し、イノベーションらしい文化づくりに注力しています。

初代専任担当で現在は広報を担当する企画管理本部の齋藤 礼華さんと、新卒2年目で二代目専任担当を任された企画管理本部の鴨志田 愛さんに、設立の背景から担当者としての志について、お聞きしました。

編集部(以下、編):社内文化の担当が専任でいらっしゃるというのは珍しいと思いますが、社内文化の専任担当はどのような経緯で誕生したのでしょうか。

齋藤さん(以下、齋):2014年の1月に私が初代として任命されました。それ以前に専属の担当はおらず、“レク委員”として新卒1年目が社内イベントの企画運営を担当する流れでした。どちらかというと新入社員のミッションとして、先輩社員とのコミュニケーションを学んだり、イベント運営を通じて仕事の進め方を疑似体験したり、研修要素が強い役割です。

ところが企業の成長と共に、徐々に社内イベントの規模も大きくなり、管理部門がきちんとコントロールしようという方針になりました。そこで専任をつけて文化づくり含めて注力していこうという話になり、私が任命されたんです。

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初代文化担当の齋藤礼華さん

 

編:専任というと、主にはどういった業務を担当されるのでしょうか。

齋:周年パーティーや表彰式を始めとする社内イベントの企画運営や、社内にあふれている制度の管理・運営まで多岐にわたります。これも文化担当なの?と思われるものもありますよ。例えば、受付スペースの花を季節によって変えたり、社内に緑を飾ったり。

編:齋藤さんは初代ですが、前例のない中で自分の役割をどのように位置づけていったのでしょうか。

齋:正直な話、最初は何をどこから始めればよいか分かりませんでしたが、実際に社員を巻き込みながら取り組むうちに、「イノベーションの文化っていったい何だろう?」と改めて考えるようになりました。

そこで、「そもそも企業の文化とは何か?」にまで立ち戻り、社内の会話や交流の様子をじっと観察してみたり、社外の方から言われる「元気」「若い」「勢い」などのイノベーションを表す言葉を拾ったりして、文化・風土を再確認していきました。

そうして感じた情報から、文化担当としての自分の役割を固め、“イノベーションらしさ”を醸成し続けられるようなイベントや制度、雰囲気づくりに取り組んでいきました。

編:そのとき齋藤さんが定めた役割とは、何だったのでしょうか。

齋:イベントや制度を通して、会社に対する「いいな」がたくさん生まれるようにすることです。会社の文化・風土は、社員一人ひとりの行動から形成されていきます。その行動を促すためには、社員の気持ちに働きかけないといけません。「何だかんだあるけど、会社っていいな」と思ってもらえるような仕掛けを、さりげなく仕込んでいく。それが文化担当の役割だと据えて、仕事をしました。

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受付電話の横には、その日の来訪者全員にウェルカムカードを準備するそう

編:鴨志田さんは今年の4月に二代目に任命されたそうですが、お話がきたときはどのような気持ちでしたか。

鴨志田さん(以下、鴨):イベントは昨年からやりたいと言っていて、実際に齋藤と一緒に活動をしていました。ただ、私はまだ新卒入社2年目なので、本当に社内の文化を担っていいのかというのが正直な気持ちでした。

経営からは、「まだイノベーションに染まっていない中で、いいところは引き継いで、改善できるところは指摘できる。そうした観点を活かしてほしい」という話をされています。上から具体的に「これをやりなさい」と指示されるわけではないので、いろいろな人に話を聞いて、仮説を持ち込んでは採用されたり突き返されたりということを繰り返しています。

二代目文化担当の鴨志田愛さん

 

編:現時点で鴨志田さんが考える、「イノベーションらしさ」は何ですか。

鴨:「がんばることを楽しむ」ことです。「がんばっていることがダサい」みたいな雰囲気がとても嫌いで、イノベーションのがんばって努力して、それを良しとしている環境がとても魅力的だと感じています。

編:これまで文化づくりを続けてきて、社内に変化はありましたか。

齋:かつて新入社員がイベントをつくっていた頃は、“つくる側”と“参加する側”に分かれてしまうことがありました。そうすると、つくる側だけが盛りあがって、参加する側は冷めてしまいがちです。

そうすると会社の雰囲気は、どこか冷たい感じになってしまうんですよね。それは私が目指したい文化ではありませんでした。そこで、人をもっと巻き込んでいくためにイベント運営メンバーを募集型に変えました。「やりたい人、やりましょう!」と。

すると「実は興味があったけど、新入社員が担当だから言えなかった」という人や、「実は以前、イベント運営をやっていました」という人が出てきたんです。そうして新たなコミュニケーションが生まれることで、意外な一面が周囲の社員に伝わり、社内が少しずつ活性化していった手ごたえがありました。

あとは、今年の4月に実施した年間表彰式が印象的でした。その表彰式が文化担当として最後の仕事だったのですが、新人賞を受賞した子から次の日にメールが届きまして。表彰の準備に対するお礼のあとに、「ここにきて初めて、本当の意味でのイノベーション文化の大切さ、偉大さに気づかされました」と書かれていました。

文化醸成は中長期的な施策になるので、なかなか成果が見えません。自分がしていることが正しいかどうかわからない。そうした中で文化担当を3年間やり続けてきて、最後の仕事で1人でもこう感じてくれた社員がいたことは本当に嬉しかったですね。

会社への「いいな」が確かに生まれたと実感できた瞬間でした。

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感謝のメッセージを贈りあうボードも

 

編:エントランスに壁新聞が貼られていましたが、そちらも担当でしょうか。

鴨:『いの新聞』というのですが、私を含めた編集部5人で作成しています。月初に1時間くらい編集会議を行い、企画出しと担当決めをした後、編集部員がそれぞれ自分が担当する記事作成に取り掛かります。最終的にはA3サイズを4ページ張り合わせた新聞に仕上げます。

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A1サイズという圧倒的な取材量を、社員の情報が埋め尽くします

新聞では、人にフォーカスしています。社内コミュニケーションが生まれるきっかけづくりを目指していて、仕事に取り組む気持ちや得意なこと、入社の決め手や中途入社であれば前職など(入社経緯やプライベートほか)、さまざまな切り口から社員を知りにいきます。

ほかにも、社内で勉強会が人知れず開催されていることがあるので、編集部員として怪しい集まりを見かけたら、とりあえずカメラを持って覗きにいきます。編集部員が取材している姿を目にした社員から、企画が持ち込まれることもあるんですよ。

編集部員一人ひとりが企画、インタビュー、ライティングまで一貫して担当しているのですが、記事の分量の3倍から5倍くらいの情報を収集しているので、どの情報を記事にするか、いつも悩んでいます(笑)。

ちなみに、通常の社内報は経営陣からのメッセージや予算など、数字情報が多いと思いますが、この『いの新聞』は基本的に経営陣は関与していません。エントランスやトイレの個室に貼りだしたり、産休の社員に郵送したり、外にも出しているものなので最低限のチェックは入りますが、基本は自由にやらせてもらっています。

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編:おふたりが文化担当として意識していることや、苦労したことはありますか。

齋:“自分自身から文化をつくる”ことを意識していました。イベントを行うときも、参加する本人や周囲の社員を楽しませることはもちろんですが、運営側の人たちも楽しくないと意味がないと思っています。ですので、運営メンバーのモチベーションや楽しさも意識して、積極的にコミュニケーションをしていました。

鴨:企画に携わった昨年10月の内定式で、運営メンバーだけで盛りあがって社内を巻き込み切れず、非常に悔しい思いをしました。

そこで今年4月の入社式では、全社員に向けて「新入社員に抱いてほしい感情」「なぜこのコンテンツをやるのか」を、1ヶ月かけて継続的に発信したり、社員の「入社式に望む気持ち」を高める工夫をしたりしました。メールだと読まれないことがあるので、毎朝フロアで行っている朝会の場を借りて、自分の声で想いを伝えました。

目的を整理して伝えること、自分たちの熱意を伝えることができれば、振り向いてくれるのだと実感しています。

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編:鴨志田さんは二代目の文化担当として、イノベーションの文化を今後どのようにしていきたいですか。

鴨:今後は、今まで受け継がれてきたものを、さらに磨きあげながら受け継いでいくことがひとつ。一方で足りない部分もあるので、私自身が好奇心を持って情報を積極的に取りに行き、新しいことに挑戦していきたいです。理想とする“イノベーション像”を実現するために、どのようなイベント・施策が必要なのか、経営とビジョンをすり合わせながら考え続けています。

イベントに対して否定的な話が出ることはあります。確かに、イベントをやることは業績に直結しないかもしれませんが、イベントを通じたコミュニケーションや雰囲気は、社内の温度を作り、会社の魅力を生み出していくと思います。

こうした考えを、「伝えて」「共感してもらい」「自ら楽しんで参加してもらう」場づくりまでが文化担当の仕事です。いろいろな声があるので落ち込むこともありますが、みんなが楽しいと感じる総量をあげていくことで、文化をつくっていきたいです。

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エントランスのフォトフレームには、社内イベントの風景が流れます

筆者:中島浩太

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