2014/08/26
“人を軸にした事業開発会社”VOYAGE GROUPはネット領域で順調に業績をあげ、2014年7月には東証マザーズ上場を果たした。
また、360°スゴイというSOUL(企業理念)を掲げ、事業も・オフィスも・そこで働く人も、どこから切り取ってもスゴイ会社を文字通り体現し続けてきている。
そんなVOYAGEが設立した話題の社内ライブラリー“OASIS”に関して、コーポレートカルチャー室の宮野 衆(しゅう)さんにお話を伺った。
編:まずはじめにOASIS設立の背景を教えていただけますでしょうか?
宮:発端は、自社の1階に空きスペースができたということです。ただ、単に使用するのではなく、社員同士のコミュニケーションがより活性化する何かで使いたかった。例えば、喫煙者にとっての喫煙所。そういう場って普段仕事で関わらない人と、話が盛り上がるじゃないですか。タバコによってつながるタバココミュニティー。そんな場が作れればと思いました。
編:そこからライブラリーに至るきっかけは何かあったのですか?
宮:そうは言ってもタバコでは喫煙者に限られてしまう。じゃあみんなが好きで、うちらしい場をつくれるものって何だろう?と考えたとき、代表(宇佐美CEO) を始め、多くのクルー(社員)がマンガ好きだということにたどり着いたんですよ。
本で繋がれば、共通の話題ができる。例えばワンピースのあのシーンがいいよね。 みたいな。
また、社内にエンジニアが多くなっていく中で、技術書を読んで勉強したいというニーズの高まりがありました。ただ、技術書の中には一冊何万円もするものもあり、簡単には買えないんです。 だったら社内で持っている人が献本して、シェアしあえばいいのではとなったんですね。
このように社長の想いと、社内の現状がうまくマッチし、社内ライブラリー構想が現実化していきました。
編:実際、OASIS設立後コミュニケーションはどのように変化していきましたか?
宮:マンガ読んだ?みたいな本に関する会話は間違いなく増えていますね。 特に日報では、“あのマンガにでてくるようなチームをつくりたい”と組織論まで発展する熱いやりとりを目にしています。 OASISにある本が共通体験となり、別の時間でコミュニケーションが生まれる。まさに設立当初の狙いが反応として返ってきていると思います。
編:社員の方々はどのようにOASISを利用しているのでしょうか?
宮:図書館という機能とあわせて集中スペースも設けています。電話線も引いていないので、集中してがーっとコードを書きたい、アイデアを出したい社員には、OASISが最適な場所となっています。 また、机とイスを並びかえれば、20人くらい入れるスペースにもなるので、セミナーや会議・新規事業プレゼンなどの会場としても使用しています。
編:今何冊ほどの本がここにあるのでしょうか?
宮:5000冊以上はあり、ビジネス・テクノロジー(技術書系)・アイデア・マンガという4ジャンルに分類できます。マンガだけじゃないんですよ(笑)
編:運営はどのようにされているのですか?
宮:ここにあるほとんどの本は社員が持ち寄って献本したものです。 また本を借りていきたい場合は、何を借りるか手書きでシートに記入するだけと、原始的なやり方をしています(笑)。厳しくルールを敷いて管理するというより、いい意味でゆるく、自由な空間として社員に開放できればと。
編:OASISプロジェクト以外にも社内コミュニケーション活性化のための様々な仕掛けをしていると思うのですが、プロジェクトを実現させる秘訣はあるのですか?
宮:社員のためになるならば、とことんやりきる!という気持ちを持ちながら、その企画は本当に “スゴイ?” “イケてるの?”と、自らに問いかけていますね。
ただ一番大きいのはこのような取り組みに対しての寛容な風土です。
「同じ部署や同期とは別の「ナナメの関係」を活性化させることは、やってやりすぎではない!」と、どんどん経営陣が背中を押してくれます。
編:ここまでお話ししていると、本当にSOULというものが核としてあってその延長線上に、事業も制度もオフィスも成り立っているということがわかります。それを語る宮野さんが会社のことを語る際にとてもイキイキされてますよね?
宮:「キレイなオフィス」「食堂が無料」などはあると思うんですが、オフィスや制度自体に経営理念や、自分たちの大切にしているものが表現されているって中々ないと思っています。
また、こうやってお客さんに対して、自分の会社について誇れるものを自分の言葉で語ることが、会社への高いエンゲージメントに繋がっているのかもしれませんね。
編:本日は貴重なお時間ありがとうございました。
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CAPPY'S EYE
今年上場を果たし、社員数も300名を超え、もう一段上のフェーズへと歩みを進めるVOYAGE GROUP。 7月下旬から、360°スゴイというSOULを改めて考える「SOUL NIGHT」という催しを社内バー「AJITO」を利用して行っているそうだ。VOYAGEに所属するメンバー全員が雇用関係や部署の壁を突破らい、自分たちにとってのスゴイってどういうことなのか?という1つのテーマを語り合っているとのこと。 宇佐美CEOが先導してきたスゴイ会社から、メンバーひとりひとが考えるスゴイ会社へ!VOYAGEの進化はとどまることを知らなさそうだ。
筆者
CAPPY編集部