2015/02/16

世界を繋ぎ、新しい世の中を創り出すFacebook Japanの実像に迫る(後篇)

日本のFacebook利用者は2,300万人(2014年9月末時点)、全世界では13億9,000万人(2014年12月末時点)と言われています。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下SNS)において、Facebookが愛される理由は何なのでしょうか?その理由を聞きにFacebook Japanのオフィスを訪問、インタビューを行いました。後篇です。

インタビュー前篇はこちら

個々人の成長を支える 社内制度や風土

編集部(以下、編):Facebookは個人の成長を支える研修制度なども、オリジナルなものを取り入れていると聞きますが、どのようなものなのでしょうか?

日高:営業チームのスキルアップのためのセールストレーニングや、コミュニケーションを通して相互理解を深めるワークショップなどがあります。オリジナルプログラムを含め、幅広く取り入れており、自分自身が自主的に選択して受けられる研修メニューも揃っています。

弊社では、会社の成長もさることながら、個人の成長を第一に考えています。社員ありきの会社なので、弊社のサービスが人を中心にして開発されているのと同じように、組織としても人(=社員)を中心に考えています。

あとは個々の強みを見出し、それを伸ばすことを大事にしています。人間、弱みを克服しても、そこから強みに持っていくことは難しいですよね。それよりも、もともとの強みを活かし、事業ニーズと結びつけることでより強い組織を創る、という発想です。

 

編:そのような風土の中で、小黒さんは成長をどのように感じていますか?

小黒:2年間で、新規広告主開拓や、エージェンシーパートナーとして広告代理店の営業や支援、プロダクトマーケティングなど、自分自身の経験・強みを活かしながら、多くのことに挑戦できました。新たな挑戦をする際には、そのすべてに責任を持つ必要があります。その中で、これまで経験できなかった仕事を通し、成長しながら、少しずつ自分のやりたい事、好きな仕事に近づいているように思います。

Regional Product Marketing Managerの小黒弘之さん Regional Product Marketing Managerの小黒弘之さん

 

編:会社として個人のやりたいこと、資質や能力などは、どのようにキャッチアップされているのですか?

日高:上司と部下は、現状の仕事や今後の進路やゴールについて、週1回は面談をしています。その面談の中で、「将来どうなりたいのか?」、「そのために、上司として今、何が手伝えるのか?」など、密なコミュニケーションを取り、個人がなりたい姿に近づけるよう最大限サポートしていきます。

「このプロジェクトに参加したい」と自ら手を上げることもできます。その場合、当然のことながら、現状・過去の実績と、今後のポテンシャルの見立てが必要となってきますね。

 

国を超えた「ビジョン」が創り出す世界感とは?

編:これまでの話を通じてFacebookは、「会社」というより”共通のビジョンを持つ個人”の集合体であると感じました。その中であえて「会社」を意識する瞬間はあるのでしょうか?

小黒:入社に際して「ハンドブック」を手渡されました。そこには会社概要や沿革は無く、「我々は会社になるべくして創られたのではない。あるソーシャルミッションのもとに創られた。それは世界をよりオープンで繋がったものにすることだ。」と書かれていました。Facebookという企業名すら書いていないんですよね(笑)。その時、ここは会社ではなくビジョンを実現する場だ、と思ったことを強く覚えています。

日高:プロフェッショナルな人がビジョンのもとに集まっている。その集団がFacebookだと思います。Facebook Japanで抱える課題について、米国本社や海外支部に情報発信をすることも多いのですが、それに対するレスポンスを見ていても同じビジョンを持って仕事をしていることを感じます。

Head of Communications, Japan & Koreaの日高久美子さん Head of Communications, Japan & Koreaの日高久美子さん

 

編:全世界にあるFacebook各拠点が、ビジョンで繋がっているイメージですね。他に世界の支部とつながる機会はあるのですか?

日高:創設者のマーク・ザッカーバーグがアメリカ時間で毎週金曜日の午後(日本では土曜日の午前中)、「Q&A」の場を開催しています。ここにはFacebookのスタッフであれば誰でも参加ができます。「今週あったこと」や「現状の課題」の共有から始まり、残りの大半の時間はザッカーバーグはじめ幹部の人間に、何についてでも質問できる質疑応答セッションが設けられています。上がってくる質問は、競合の質問からプライベートな質問まで幅広く、このような活動を通して社内でもオープンな環境を体現しています。

 

編:今後、Facebookが実現したい「世界感」をお聞かせください。

日高:現在、世界の人口が約72億人。うち、Facebookの利用者は世界13億9,000万人です。そして、さらにその2倍の27億人程度がインターネットに繋がっています。ただ一方で、全世界にはまだまだインターネットに繋がっていない方々がいるわけです。

小黒:日本におけるFacebookも、まだまだニューカマーです。”This journey 1% finished(まだ旅路の1%しか進んでいない)”というスローガンがあります。ミッションである”MAKE THE WORLD MORE OPEN AND CONNECTED”を果たすためには、まさにその言葉通り、まだ始まったばかりであるという意識を持っていますね。

日高:Facebookでは2013年、世界の有力IT企業と協力し、「Internet.org」という新団体を立ち上げています。まだインターネットに繋がっていない世界の2/3の方々に向けて、低コストで携帯機器を介してインターネットへのアクセスを提供できる技術の開発や、モバイルのアプリやインターネットへアクセスする際のデータ量を劇的に少なくする技術の向上などに取り組んでいます。

Internet.org

 

編:もし世界の72億人が、Facebookをはじめとするインターネットで繋がったとしたら、どのような世界になるのでしょうか?

日高:現在の世界を見ていると、様々な情報へアクセスできる人とできない人との情報格差が増している状況です。先進国・発展途上国関係なく、誰もがインターネットを通じて平等に情報にアクセスできる世界が実現できれば、世界からもっと多くのアイデアが出てきて、シェアされていきますよね。その先には、きっと、より良いプロダクトやサービスが生まれている世界が広がっていると思います。

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CAPPY'S EYE

ここまで大きな企業に成長していても、創業者マーク・ザッカーバーグと毎週コミュニケーションが直接とれる環境だということが驚きでした。従業員のみなさんは、Facebookが生み出した利益によってインターネット途上国の発展に寄与しているという社会的意義にも、働く魅力を感じているようです。世界中に支部のあるFacebookですが、会社や組織ではなく強いビジョンでつながっている企業だと感じました。

筆者

中島浩太

株式会社ゼロイン CAPPY編集部
2008年、ゼロインに新卒入社。総務アウトソーシングや社内イベントの企画・設計を担当。新卒採用担当を経験したのち、社内広報とマーケティング組織の立ち上げに携わる。CAPPYでは編集、インタビュー、ライティング、撮影まで担当しながら、各社の魅力的な取り組みを発信中。
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