2014/10/03
編:早速ですが、社内報じゃない報の立ち上げのきっかけから教えていただけますか?
もともと私が内定者インターン時代に、採用サイト・ブログのリニューアル業務を任されていたんです。これが2012年の秋頃でしょうか。この時採用に関するネタ集めで、社員から話を聞くと、魅力的なエピソードや武勇伝が続々と出てきました。 これは、学生向けに留めておくのはもったいない。ある程度赤裸々な内容で社外の人が見ても楽しんでもらえる媒体を作ろうと、当時の編集長と盛り上がりました。これが社内報を一般にOPEN化する、『社内報じゃない報』のコンセプトの原型となりました。(荒井)
編:その後リリースまではどのように進められたのですか?
正式に新卒入社した2013年4月から編集長と二人三脚で走りだしました。ブログのコンセプトを確立したり、コンテンツを作成したりと、リリースまでは一か月半かかりました。コンテンツのネタ集め部分は事業部メンバーを巻き込み、彼らが採用の場で語るお決まりのストーリー(苦労話など)を蓄積し、エピソードを作り上げていきました。(荒井)
編:リリース後、社内外からの反響はいかがでしたか?
社内の声はおおむね好評でした。中でも嬉しかったのは、「私も記事を書きたい」という声が出てきた時ですね。リリース直後から、自発的にこのような声が出てくることをマイルストーンに置いていたので、達成感を感じることができました。
社外的には、SNS上でシェアやいいねの数が順調に伸び、営業の現場などで、お客様から話題にのぼる機会が増えてきました。特に創業当時からの伝統行事である合宿(社員全員参加で年2回開催)や、新人の勉強会の模様などの記事が人気を集めていたのを覚えていますね。(荒井)
編:出だしから順調だったのですね。そんな社内報じゃない報のターゲットと作成の狙いはどこに置かれているのですか?
採用観点で言えば、学生や中途採用の人に、入社前からガイアックスを知ってもらう狙いがあります。ただそれ以上に大きな狙いは、社外の人間、つまりガイアックスに関わるクライアント含めパートナー企業に向けての発信ということです。数年前に比べて、企業同士の距離感が近くなっている今、他社を深く知ることは勿論のこと、自分たちが何を大切にし、どんな会社を創っていきたいのかを理解して頂かなければ、という意識があります。これにより製品やサービスのパンフレットでは読み取れない、ガイアックスにいる人となりを伝えることができるようになる。最終的には、社内報じゃない報によって、ガイアックスのファンを1人でも、1社でも増やせればという思いで、発行しています。(藤堂)
マネージャーという視点で見守る、藤堂和幸(とうどうかずゆき)さん
編:編集部の体制や運営上意識していることについて教えてくださいますか?
月1の編集会議でネタ出しと記事作成の担当者を決め、月4本のリリースを目標と掲げています。ただ編集部はプロジェクトとして活動しているので、専任で携わるメンバーはいません。つまり多くの人を巻き込むことが必須になります。予め構成を考えた上で記事作成依頼をするなど、スムーズに記事作成が進むように工夫しています。(荒井)
またインターン生や内定者を積極的に巻き込むことも意識しています。例えば人気企画のプロジェクトストーリー(事業の歴史、変遷を当時のエピソードを交えて紹介する企画)のインタビューからページ構成、デザイン、写真選定まで内定者に任せます。こうすると、社員は事業に対する思いを語ることで事業に対する思いを再確認し、内定者は取材を通して社員の事業に対する熱い思いを直接聞く。記事を作っていく過程がコミュニケーションツールになり、内定者と社員、双方とものモチベーション向上につながるんです。(藤堂)
編:社内報じゃない報で得られた、社内での気づきやコミュニケーションの変化はありましたか。
弊社には東京本社以外に4つの拠点があるのですが、その拠点を超えたコミュニケーションが活性化したことが挙げられます。編集部にはフィリピン拠点の代表もジョインしているのですが、会議の度に東京とフィリピンの近況報告会が発生し、会議は大盛り上がり(笑)。お互いの拠点同士の現状把握にここまでつながるとは思いませんでした。
また、どうしても情報発信に積極的なメンバーや事業部のネタが多くなってしまいがちですが、くまなく社内の色々なメンバーにスポットライトを当てることを心がけています。(荒井)
編:これまでの記事で、ガイアックスっぽさを現すような印象に残る記事はありますか。
掃除のおばちゃんにまつわる話ですかね。
以前トイレに設置されていたペーパータオルの入れ物が、とても使いづらかったんです。ある朝、その入れ物がおばちゃんのはからいで新しい入れ物に変わっていた。そんな話を朝礼で一人の社員が話しました。
何かしたからって報酬があるわけでもない、おばちゃんのホスピタリティは勿論のこと、そのような心配りに気づけるのが、ガイアックスらしい。と盛り上がり、その後社員からのお返しで、おばちゃんにタオルセットをプレゼントしました。
社内報じゃない報では、この一連のストーリーを記事にしました。ガイアックスらしさがにじみ出た記事として、今でも印象に残っています。(荒井)
中途入社後間もなく、2代目編集長就任となった、赤尾有里沙(あかおありさ)さん
編:今後の社内報じゃない報の展望について、お聞かせ願えますか。
私自身も、入社前から社内報じゃない報の読者でした。ですから入社間もなくの編集長就任には正直驚いています(笑)。ただ、皆さんの思いを引き継ぎ、単に面白いなぁで終わるのではなく、記事をきっかけに、読み手の行動を導いていけるような物を作っていきたいと考えています。例えば、イベントを主催している社員のことを取り上げた記事であれば、そのイベントについてWebで検索してもらったり、関連Webページに飛んで予約や参加したりしてもらえるような、そういったことを意識しながら社内にとどまらず社外にも情報を発信していきたいです。(赤尾)
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CAPPY'S EYE
取材中、終始フレンドリーでオープンにお話頂く姿勢が魅力的だったお三方。 そんな皆様にガイアックスを現す一言は?と伺ったところ、出てきた一言は「独協的」。各々がやりたいことをやって結びつき、大きなうねりとなる。つまり、主体性と協調性という相反するものを高いレベルで実現することが求められるのだ。 実際に年次関係なく裁量を与えられる自由な社風を大切にしているガイアックス。彼らが掲げる「自由」とは、自己責任で自分がやりたいことを応援する文化だ。その際、自分勝手に物事をすすめるのではなく、周囲に対して情報発信をしなければならない。インターンに対しても役員に対しても求められることは同じだ。 魅力的な人柄と”独協的”な姿勢。そんなガイアックスのことを知れば知るほど、筆者自身、益々ガイアックスファンになっていったのであった。
筆者
CAPPY編集部