2014/11/04

イノベーションの源はここにある!社員一人一人の個性を尊重する日本HPのダイバーシティ推進

世界のITをリードするテクノロジーカンパニー、日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は、今年度の『ダイバーシティ経営100選』を受賞した。1990年代半ばという早いタイミングで「ダイバーシティ推進」を宣言し、その後、社会の急速な変化、多様化を背景に、同社では多くの課題に取り組んできた。その取り組みについて、人事統括本部の上田辰雄さん、渡辺 綾さんにお話を伺った。

年齢、性別、国籍、経験、価値観がすべてダイバーシティ

日本HPは、1995年にダイバーシティ専任担当を設置した以来、女性活躍支援、外国人社員の受け入れ、障がい者雇用支援など、一つひとつの課題に向き合い、世の中に先駆けてダイバーシティを推進してきた。
日本HPでは、ダイバーシティ経営はビジネスの戦略として捉えられている。その理由について、ひとつは「インベーションの源はダイバーシティであるから」という考え方だ。もうひとつは、「多様化している市場や地域社会と同じ状態になることで、そのニーズを理解でき繋がることができると考えているから」だ。「多様であることは創造性の源であり、創造性は発明改革の源であり、さらに収益性とビジネスの発展につながる。また、多様化している市場のニーズに応えるためにも、社内のダイバーシティを継続して推進することが非常に重要だと考えている」(渡辺さん)。
日本HPでは、ダイバーシティについて、パズルで表現している。性別、言語、国籍、考え方など個人の違い、そして、一人一人すべての個性を際立たせるすべての違いを、ダイバーシティとして捉えているようだ。

日本HPダイバーシティの先進的な取り組み

女性活躍支援の先駆けから社外も巻き込んだ「Women’s Summit Tokyo」へ

日本HPがダイバーシティ推進に着手した1995年当時、真っ先に着手したのが「女性の活用支援」だ。 その後、2004年からは数値目標を掲げ 女性の活躍を推進。2005年、女性社員が働き続ける上での課題共有やキャリア交流を目的とした社内ネットワークグループ『WAWJ(=Women at Work Japan)』を女性社員の有志が立ち上げる。さらに2007年、『Women’s Summit Tokyo』を開催。社内のみならず、他の企業の働く女性も含めて、ロールモデルとなる女性の講演会やグループディスカッション会を実施。女性リーダーを育てるために、女性が次の一歩を踏み出す機会を得られるために、一つの“場”として、意欲的に活用されているのだ。

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<Women’s Summitイベント当日の様子>

障がい者 一人ひとりの可能性の芽を開かせる『SEEDセンター』

2001年、会社の分割や合併など様々な変化が起こる中、安定かつ継続的に雇用できる施策、障がい者自身も働き続ける力をつけられる施策を模索する中で『SEEDセンター』構想を確立。仕事に必要なスキルや意識、実践力を身に付けることで、障がい者が社会で働き続けることを支援する仕組みである。

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<SEEDセンターの講習の風景>

SEEDセンターの社員は、日本HPの契約社員として原則2年間所属し、期間内に仕事を遂行する上で必要なパソコンスキル・ビジネススキル研修、ビジネスマナーやコミュニケーション研修などを受講。研修受講と並行して、社内の実務に携わることで学んだスキルを活かし実践力をつける。SEEDセンターの運営をスタートした当初は、期間終了後は他社へ次のステップへの支援を行っていたが、現在は自社でSSC(SEEDサービスセンター)という継続して働き続ける仕組みを新たに設け、積極的に採用しようという方向性を決定した。自社での積極的な採用は、「会社としての視点よりは、個々が多様性のある働き方を支援する仕組みとして捉えている」(上田さん)。 現在、障がい者の中の7割が事務系につき、3割が専門職として従事している。中には、開発エンジニアや営業企画などの重要任務を担っている人材もおり、SEED(=種)は大きく花開いているようだ。

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CAPPY'S EYE

「HPの生業はイノベーションである」と現人事統括本部長は「日本HPダイバーシティ宣言」の中で語っている。企業の核となるイノベーションを推進するために、日本HPは “ダイバーシティ”を尊んできた。取材を通して、一人一人の個性を尊重し、個々の可能性を最大限にさせるという日本HPの企業文化を感じた。同社の今後の取り組みにも、ぜひ注目していきたい。

筆者

中島浩太

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