M&A後、3年連続130%増益を成し遂げたリジョブの“全社で挑んだ基盤づくり”

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M&A後、3年連続130%増益を成し遂げたリジョブの“全社で挑んだ基盤づくり”


M&A後、3年連続130%増益を成し遂げたリジョブの“全社で挑んだ基盤づくり”

2009年11月に設立し、わずか5年足らずで美容・ヘルスケア求人メディア業界でトップクラスのシェアにまで成長した株式会社リジョブ。2014年9月、M&Aにより株式会社じげんの連結子会社となり、「新生リジョブ」が誕生しました。

今回は、どのようにPMI(Post Merger Integration)に取り組んできたのか、窪田みどりさん、宮川七瀬さんにお伺いします。

編集部(以下、編):お二人の経歴をお教えいただけますか。

窪田さん:私は組織づくりや採用にかかわるコンサルティング会社の勤務を経て、フリーランスでコーチングや企業のインナーブランディングなどを行っていました。2013年6月にリジョブに入社し、人事兼社長秘書を務めてきました。M&Aが決まったとき、新社長として就任した鈴木(現代表取締役、鈴木一平氏)が示す事業の方向性や考え方に共感し、組織づくりや採用・育成の責任者として勤務を続けています。

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         窪田さん

宮川さん:前職は窪田と同じ会社で、1年後輩にあたります。退職して次のキャリアを模索していた時期に「リジョブで仕事をしないか」と声をかけていただきました。入社を決めたのはリジョブがM&Aをした半年後くらいです。現在は、窪田と同じミッションを担っています。

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         宮川さん

編:窪田さんは、社内でM&Aの発表があったときのことを覚えていらっしゃいますか。

窪田さん:発表直後は驚きのあまり泣きながら退出した社員もいました。「雇用は守られる」という前提でしたが、経営が変わってしまうことは不安も大きかったと思います。でもその後、新社長として就任した鈴木が全社員と面談を行い、「リジョブの良さは何か」「それをどう活かし、どう事業を伸ばしていくか」「どのような企業カルチャーを作っていくか」など、事業の発展だけではなく組織や社員のことを真剣に考えてくれました。

多くの社員が組織を大切に思う鈴木の姿勢に共感し、新しい「リジョブ」に期待が膨らんだと思います。

編:親会社となったじげんとは企業文化も大きく異なると思います。どのようにして新生リジョブを作り上げていったのでしょうか。

窪田さん:この3年間は基盤づくりをやってきたと思います。鈴木が社員と面談してくれた事を機に、最初に取り組んだのは「新生リジョブ」としての基盤の軸、つまりビジョンの策定です。M&A当時、リジョブは社員数もじげんさんと同規模で全国数箇所に拠点があり、「リジョブ」独自のカルチャーがある程度確立されていました。

しかし、M&Aを経て既存社員やアルバイトさん、じげんさんからの出向社員、旧リジョブから内定が出ていた新入社員など、様々なバックボーンをもった社員が入り交じることとなり、カルチャーが混在する状態になってしまいました。ですので、新たに目指すべきもの、リジョブとしてコミットするものを早急に決める必要があると思い、まず『SOCIAL VISION』(以下、ビジョン)と、『REJOB STYLE』(以下、スタイル)を創りました。

編:ビジョンやスタイルは、鈴木社長がお考えになったのですか。

窪田さん:それぞれの第1形態は鈴木が考えました。2014年の9月に合併して、年末にはほぼ形になっていたのですが、さらにメンバーで意見を出し合って今の原型を創り上げています。

新たなビジョンやスタイルを作る過程では、じげんさんからの出向メンバーとリジョブの若手マネジャーを中心に合同合宿を行いました。元々、ビジネス志向が強く「事業家集団」を標榜し“個人の力”で戦うじげんさんと、「当事者意識」を大切にして“チームの力”で戦うリジョブとでは、仕事に対する考え方が大きく異なっていました。当時はそのような相違を埋めるべく、合同合宿にて互いの生い立ちから語り合い、仕事へのスタンスや人となりを知ることで相互理解を深めることにしました。

この合宿のおかげで、一体感が生まれ始めたと思いますし、それぞれの戦い方は違っても、「事業で社会課題を解決する」という共通のマインドがあることを改めて実感したんですよね。

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         2018年には事業創造合宿を開催

宮川さん:その後、その合宿に参加したメンバーを中心にビジョンやスタイルのブラッシュアップを繰り返し、何度か変化を重ねました。現在は第3形態くらいですね。組織はナマモノなので、過去の考えに固執せず、今と未来に照準をあて進化させていくことが重要だと考えています。実際、鈴木の考えにアップデートがあったり、新卒社員が加わって現場が変化したり、人と会社が一緒に成長する過程でリジョブのビジョンやスタイルは常に進化させてきました。

窪田さん:スタイルについては、第一形態を策定する際に宮川が「LOVE×POWER」という、リジョブが求める人物像を提示してくれたことで、言語化が飛躍的に進みましたね。

宮川さん:これは、南アフリカのアパルトヘイトなど世界的な問題を解決に導いたアダム・カヘンが、著書「未来を変えるためにほんとうに必要なこと」で語っている“Power and Love”が由来です。「社会に対する愛と、それに伴う成長というパワーを出せる人材を採用し、仲間を増やしていく」という採用の基本方針と重なっていたため提案しました。

窪田さん:最終的に若手が集まって2~3ヶ月かけてまとめたものを、鈴木がブラッシュアップしてくれました。できたものを見たときは、全員が「負けた」という感じでしたね(笑)。

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窪田さん:「鈴木さんが考えるとこんな言葉になるんだ」と、みんな悔しそうに納得していました(笑)。そこまで納得させられる鈴木もすごいですが、自分たちのレベルがまだまだ経営者から要求される高いレベルに達していなかったと、素直に認めた彼らもすごいと思いました。とても多くの時間を費やしていましたから。

企業の軸、人材軸、それをもとに組織を広げていく企業文化が決まると、じげんとリジョブの人材のビジネスへの志向が違う事が明確になり、「リジョブのこれからの組織づくりに必要な人材は自分たちで判断した方がいい」という考えに至りました。じげんグループは新卒採用を一括採用されているのですが、リジョブは自社採用を行うことになりました。

編:M&A直後の組織づくりを進めるのと同時に、自社採用を行うのは大変ではありませんでしたか。

窪田さん:確かに大変でしたが、この3年間、毎年130%以上の増益という事業成長してきた要因の一つに、採用活動があると思っています。新生リジョブとして「自分たちの会社に入る人」を「自分たちの手で採用する」ことで会社の文化が積み重ねられ、組織の基盤づくりにつながると考えていました。また、一人ひとりが当事者意識を持った強い会社であり続けるために、幹部候補制度を導入し、会社の将来を担うメンバーの育成を行ってきました。

宮川さん:同時に、契約社員やアルバイトのメンバーが、よりパフォーマンスを発揮しやすい制度を模索し、改定を重ねてきました。ようやく基盤が整いつつあるので、今後は雇用形態別だけでなく、ライフステージの変化に柔軟に対応できる組織づくりにも力をいれていきたいと考えています。

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編:M&A後、鈴木社長になって大きく変わったことはありますか。

窪田さん:基盤づくりの大事な要素の1つとして「全社に共有する」ことを大切にしてきました。以前は、会社の方向性やビジョンを共有するのは社員が主でした。しかし、アルバイトのメンバーも社員同様にクライアント対応をしているため、「一緒に働く仲間として会社の方向性などを共有したい」という鈴木の考えに基づき、四半期に1度、雇用形態にかかわらず全員を集めてキックオフを開催しています。

宮川さん:ほかには支社の社員も含め、全国のリジョブスタッフが参加する運動会を毎年開催し、全社的なコミュニケーションを図る機会を積極的に創っています。リジョブではコミュニケーションを促進する取り組みが多数存在しますが、その多くの企画・運営を、人事ではなく『委員会』が推進してくれています。

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         綱引きなど協力して勝利を目指す競技を中心に開催した運動会

編:『委員会』はどういう位置づけのものですか。

窪田さん:リジョブでは、スタッフの成長やチャレンジをサポートする制度『Blooming!』の中に、『Shine☆彡会(社員会:生徒会の役割)』と『委員会』制度を設けています。生徒会の役員を選出するとともに、それぞれの委員会は各部署から集まったメンバーで運営されていて、社員は必ず何かしらの委員会に所属しています。タテ・ヨコ・ナナメの関係作りを目的としていて、社員の定着率向上や部署を越えた関係性の構築をみんな積極的に行ってくれています。

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         『varnomy委員会』主催の咲くらバルにて手巻き寿司を楽しむ社員の方

宮川さん:組織をより良くする為のアイデアを持っていても、職種や部署を越え、個人で行動を起こすのは難しいですよね。入社したばかりの方であれば尚更です。委員会があることで、「会社をより良くしたい」という一人ひとりの社員の想いを、組織づくりに直接反映することができるようになりました。

全員が組織づくりに携わってくれることで、人事やマネジャーだけではできない、広がりのある施策が実現できていると感じており、リジョブのみんなの想いと実行力は本当にすごいと思います。

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         『食楽委員会』では社内にコーヒーブースを設け、1杯50円のコーヒーで咲くらプロジェクトを支援

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         『Visional委員会』では、フィリピンの咲くらプロジェクトを社内外に広める活動をしている

 

 

編:今日に至るまでに様々な葛藤や困難があったと思います。特に難しいと感じたのはどのようなことですか。

窪田さん:現在リジョブには150~160人のメンバーがいます。それなりの規模ですし、面接に来てくださる方からは“150人規模で上場しているじげんグループの会社だから成熟した組織”と見られてしまいます。

しかし、実際のリジョブは組織の完成度からいうとスタートアップに近い未完成な状態です。そのため、私たちは100名規模の会社でありながら、スタートアップらしいスピード感や変化に対しての柔軟性を意識して組織づくりをしてきました。一時的にのし上がる会社ではなく、永続的に存続し社会に貢献し続ける会社を創るためには、スタートアップの様なスピーディで想いが共有された組織づくりが大事だったんです。

一方で、現場がそのギャップを受け入れることはとても難しかったと思います。目先の人数が足りなくても、想いの共有にこだわりましたし、それでも辞めてしまうことは残念ながらありました。

その上で、こうして基盤が出来上がってきたのは、150名一人ひとりが真摯に事業や組織と向き合ってくれたからこそだと思います。そういったみんなの頑張りが、毎年130%増益という成果として表れたことはとても嬉しいです。鈴木もいつも言っておりますが、リジョブでこれまで一緒に歩んでくれたメンバー、関わってくれた全ての方々に感謝ですね。

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         その月の入社社員を紹介する『Memory委員会』

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         スタッフの健康促進の為に、社内でヨガを実施する『心多育委員会』

編:今後の取り組みや展望を教えてください。

宮川さん:この数年はM&A後ということもあり、経営陣が強いリーダーシップで私たち社員を牽引してくれましたが、今後はより社員主導で事業・組織を推進していける組織を目指していきたいです。この4年で個人も組織も大きく成長できたので、いよいよ新しいステージに挑むタイミングがきました。

窪田さん:現在、事業自体も新しい展開をしようと計画を立てている段階でもあります。その設計も現場のメンバーが主体となって創り上げており、大枠構想全体が固まってきました。それに伴い、新しい構想に沿った新たなプロジェクトもスタートしていく予定です。

その柱となる構想を“Specialty Platform for personal Advancement by OMOTENASHI(おもてなし業界のSPA構想)”として策定したのですが、これは世代も職種もバラバラなメンバー中心に意見を出し合って生まれたものです。また、このSPA構想を共有スペースの大きな黒板に描いてくれるメンバーがいて、自ら共有しようとする動きが自然に生まれ、その様子をみた鈴木も大変喜んでいます。

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今後もビジョンやスタイルの見直しなど、より現場主体の取り組みを進めていくことで、進化し続けていきたいです。

筆者:三浦蒔子

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