2014/10/08
個人のキャリアと企業の人材戦略に向けた支援サービスを展開する株式会社リクルートキャリアでは、親の職場を家族が見学する機会を提供するファミリーデー『はたらいぶ』を企画・運営しています。コーポレート戦略統括部の西田華乃さんと安井早紀さんにお話を伺いました。
編集部(以下、編):昨今、ファミリーデーを実施している企業が増加していますが、リクルートキャリアならではの特徴とは?
「一般的にファミリーデーの目的は、家族の職場理解・同僚とのコミュニケーションによる社内活性・企業価値向上・福利厚生などにあるとされています。これらに加え、リクルートキャリアだからこその目的を考えたときに、”働く喜び”を子供たちに伝えたい!という結論に至ったんです。 毎日、一生懸命に働く親の姿や想いに子供たちが直接触れることで、働くことや会社に対して何か感じることがあるのではないか、ということでこのプロジェクトがスタートしました。」
編:子供たちにとっては初めて仕事に触れる機会ですね?
「リクルートキャリアは“働く喜びにあふれた社会づくり”をビジョンとして掲げています。働くことに対してポジティブになれる社会、自ら働く喜びを感じることができる未来を創りたい。我々はこのメッセージを世の中に発信していこうとしていますが、その中で、まずは社内で何ができるのか? 未来を生きていく子供たちに、仕事に対する『ワクワク感』や『楽しさ』を感じてもらうことで、“キャリア教育”に繋げられないか? という想いを込めています。」
編:『はたらいぶ』というネーミングの由来は?
「 “働く”姿を“ライブ”感を持って伝えたい、ということで『はたらいぶ』という名称を付けました。 なので、職場や働く人々を客観的に“見る”だけではなく、自分自身で“体験する”ことを主眼に置いています。子供たちが、パパママの働く喜びを体感してもらえることをゴールにコンテンツを考えてきました。」
編:具体的なプログラムの中身を教えてもらえますか?
「 小学生を対象にした企画ということで、アトラクションのようなプログラムになっています。 とある街の市長さんから、アニメーションのビデオレターが届くところからスタートします。『街のシンボルツリーが枯れてしまい困っている。楽しい/嬉しい/悔しいなどの強い想いをパワーに復活する木の緑を取り戻したいから、ぜひ助けて欲しい』というミッションを受け、このプログラムが始まります・・・。」
子供たち一人ひとりに、自分達の名前が印刷された「社員証」と「名刺」を作成。子ども社員として、お互いの名刺交換をしながら、仕事への意識を高めるとともに、仲間達が打ち解けていく場面を演出。
「生まれて初めて名刺を手にした子供たちは、みんな照れながらも誇らしそうな表情を浮かべ、大人びた様子に。さっきまで落ち着きなく走り回っていたお子さんも、真剣な表情で名刺交換をしていました(笑)。」
『パパママの職場仲間を探そう!』ということで、オフィスの中でインタビューを実施。
「お父さんは、家ではこんな人なんだけど、会社のお父さんって?」
「お母さんは、こんなところがカッコイイと思うのだけど、仕事では?」
「仕事を通して、ありがとう、と思う瞬間は、どんな時ですか?」
「家のパパママしか知らない子供たち。初めて会う職場仲間に、緊張しながらも、親の会社での様子をしっかりとヒアリングしていました。ここでは、仕事の大変さや楽しさを感じ取るとともに、パパママの知らない会社での一面を、改めて発見できたようです。」
職場仲間へのインタビューを終え、今度は自分のパパママにインタビュー。
「今まで、仕事で一番嬉しかったことは、どんなこと?」
「お仕事の楽しさって、何なの?」
「パパママが持っている、これからの夢って?」
「改まってお仕事のことを話す機会はなかなか無いようで、照れながらも熱く語るパパママと、パパママの話を真剣に聞く子供たちの姿が印象的でした。」
職場仲間やパパママへインタビューした内容は、葉っぱの形をしたメモ用紙に記入。これらを全員で枯れてしまった街のシンボルツリーに貼り、新たに『緑の木』を再現できたらミッション終了!
▲「インタビューなどのミッションを真剣にこなしながら、『楽しかったね』『仕事って大変だね~』などの会話を交わしている様子は、まるで一人前の社員のようでした(笑) あっという間に、緑輝く木が完成。新しいシンボルツリーの前で、全員で記念撮影をして、ミッションがすべて完了しました。」
ミッション完了後は、もちろん打ち上げに。ビルの最上階にある社員BAR『空箱』に集まり、パパママや、小さな仕事仲間達とお食事会。
「最後の懇親会では、初めてのお仕事でお腹がすいたのか、子供たちは食欲旺盛(笑)。初めての経験に、少し興奮冷めやらぬ感じでしたね。」
編:2回の『はたらいぶ』を終えて、いま感じていることはありますか?
「参加した社員からは、これまで“仕事”と“家庭”の両立が難しい中、双方を繋ぐ『場』として有意義であった、という声が聞かれます。また、イベント後に親から寄せられたメールにも、子供が仕事に興味を持ち、会社の話題が会話の中で生まれるようになった、という意見もありました。 仕事をする親の背中を見せること、そして、子供達自身が経験することが何よりも“キャリア教育”になるのではないか、といま、改めて感じています。」
【参加した子供たちの声】
●「楽しかったー。また来年もある? 絶対に参加したい。」
●「名刺交換もインタビューも、初めてだけど面白かった。」
●「パパっていい会社で働いているんだね。」
●「ママの会社って、楽しそうだね。面白い人が多いね。」
●「パパ、1年間、しっかり働いてね。」
編:今後に向けて、目標などあれば教えてください!
「この『はたらいぶ』は、現在、小学生を対象にしていますが、今後は年齢層の幅を広げていきたいと考えています。また、本社だけではなく、全国の拠点に広げていけるよう、いま、構想を練っているところです。一人でも多くの社員やその家族に体験してもらいたいですね。」
「リクルートキャリアの社内イベントとして実施していますが、これを多くの企業で実施して欲しい、と考えています。世の中の子供達に、幅広く“働く喜び”を伝えたい。『日本にファミリーデーという日を創ろう!』こんなスローガンを掲げて、現在の『はたらいぶ』をブラッシュアップしていきたいと考えています。」
▲はたらいぶ企画チームのみなさん
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CAPPY'S EYE
今回の取材を終え、小学生という多感な年頃に、“仕事”に触れる経験を持ち、仕事を通して親とのコミュニケーションが変わったとしたら、その後の“仕事の選択”に影響が顕れるのではないか?と改めて感じました。日本のすべての企業にファミリーデー制度が定着する日が遠くないですね!
筆者
CAPPY編集部