2016/01/26

理念マインドアップ施策で“理想図“の実現を目指す

流行語大賞の『爆買い』に象徴されるように、インバウンドに沸いた2015年の日本。多くの訪日外国人が注目され、「2020年の東京オリンピックに向けて訪日外国人3,000万人突破を」という目標も発表されています。

一方、アウトバウンド視点で見たときには「グローバルで成功している日本企業は、まだそれほど多くない」という現状もあります。今後、大手企業のみならず、中小企業がもっと海外に進出していくべき時代。

そうした背景の中で『海外ビジネス支援事業』として、日本企業の海外ビジネス展開を多数支援している株式会社Resorzでは、8つにも及ぶ行動指針を核とした社内コミュニケーションが大事にされています。

こうした行動指針が策定された背景と、それによって描いていきたいビジョン、理念とは、どのようなものなのでしょうか。代表取締役の兒嶋裕貴さんにお話を伺いました。

編集部(以下、編):兒嶋さんは経営者として、会社の在り方をどのように考えていらっしゃいますか。
個人的な想いとして、”いわゆる会社”っぽい会社にしたくないんですよね。現在当たり前のように受け入れられている会社の在り方って、ここ数十年で形成されてきたものですが、そうした在り方の中で働いている人たちは、元気がなく、愚痴が多くなりがち。人生の半分は働くわけですから、人生の半分が愚痴になっているとも言えますよね。

その結果、日本ではいいクリエイティブが生まれにくくなっていると思っています。今はまだ日本人が勤勉なので社会は成り立っていますが、働けば働いた分だけ結果が出て報われる時代ではなくなってきます。”新しく何かを生み出すこと”が必要なこれからの時代には対応できません。

日本は先進国にも関わらず、高度経済成長期から続くこの旧態依然とした状態が、私は受け入れられませんでした。そこで、受け入れられないのだったら経営者として新しい会社の在り方を創っていきたい。というより、ベンチャーだからこそ仕掛ける立場でなければいけないと思っています。

 

編:具体的にはどのような”会社”をイメージされているのでしょうか。
それをする必要がなければ、服装にこだわらないし、事業柄、海外に行く場合の休暇なども推奨しています。基本的に規則に縛られた負のマネジメントではなく、個人が自律している状態を尊重していきたいんですよ。

”べき論”で胃がキリキリ痛むようなマネジメントではなくて、自発性を促して結果がついてくるような。少なくとも、日曜日の夜に「明日からまた会社か」と思われない状態にはしたいですね。

今社会にあるルール、やり方なんて、たかだか数十年です。何百年と続いているものであれば真理があるのかもしれませんが、そうじゃないんですよ。たとえば江戸時代には髷を結っているのが一般的であり、そうでない人は「非常識」だと揶揄されたわけです。でも現代では「それっていつの時代の話?」となりますよね(笑)。

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同じように、身を粉にして会社に尽くしている姿も、数十年後に見たら「社畜だったんだね、僕たち…」となるのかもしれません。だから「なんかよくわからないけど、みんなが信じているから」という概念は、どんどん壊したいんですよ。

現代では、多くの人が会社を信じています。人間って基本的に何かを信じずにはいられないんですよね。宗教、民族、コミュニティ、家族、いろいろありますが、日本人が何を信じてきたかというと、2つあると思っていて。1つはメディア、もう1つは会社なんです。

だから会社員は、言われるままに従うのが善とされてきました。でもResorzは、それだけではない、新しい会社観の創出ができたらいいなと思います。

 

編:それはご自身の経験からきているんですよね。組織の在り方やビジョンについて、これまでどのように感じてこられたのですか。
大学卒業後はテレビ番組制作会社に入社したのですが、そこは業務が強烈に忙しくて、組織やビジョンを感じる機会なんてありませんでした。その後に入社したITベンチャーは一転、社長が理念をとても大事にしていたんです。

社長は普段は会社にあまりいないのですが(笑)、理念伝達のときはしっかりと来て発信していく、みたいな人でした。あとは数字だけ渡して、「理念の範囲で何やってもいいよ」という自由な風土でした。

ちょっと変わっていましたが、徹底した理念伝達があったので「なぜやるのか?」の腹落ちはしていました。やはり理念や行動指針というのは大事なんだな、あるべくしてあるものなのだな、と感じましたよ。

ただ”自由”って難しいですよね。特にベンチャーだと、自由性はありますが、あれこれ教えてくれる環境ではないので、結果を出すために自分で考えて行動に移せるタイプでないと「教えてくれない、会社が悪い」と辞めてしまう訳です。自分で考えるしかないので、実力はつきますが、厳しい部分もありますよね。

 

編:自由のためには自律が必要ですね。自律型組織にするための悩みはありますか。
どこまで自由度を認めるか、線引きは凄く難しいです。ルール作りは重要ですが、ルールに縛られてしまうことによって”いわゆる会社”っぽくなると、弊社の良さが失われてしまいます。その線引き具合ですよね。

インターン生を除くと中途入社者ばかりの組織ですので、それぞれ異なる文化を経験してから入社してきますが、根本の考え方を合わせられれば、あとは個人を尊重していくようなスタイルにしたいと思っています。そしてその根本を形成していくのが、行動指針になっているわけです。

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01.から08.にわたる行動指針の一部

 

行動指針は、創業時から作っていて、少しずつカスタマイズしてブラッシュアップしています。綺麗ごと、形だけの言葉にはしたくなくて、本音で向き合える言葉でありたいなと。メンバーの目標や何か判断に迷った時に口に出して確認できる言葉としてまとめています。

 

編:この行動指針の定着に『理念マインドアップ』という施策を実施されているそうですね。
『理念マインドアップ』の場では、月ごとに行動指針の中でテーマを1つを決め、それぞれがそのテーマについて日々の業務の中でどう感じたか、どう活かしたか、を1分間スピーチしてもらっています。

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今やっている”日本企業の海外進出を支援する事業”は、もともとマーケットがまったくない時分からやっていたのですが、マーケットがないということは儲かるかもわからない訳ですから「儲かりそうだから」という理由では、できない仕事なのです。

だから、我々のサービスを通じて日本企業が海外に出て行くことで、いったいどのようなことが起こるのか?そして、なぜそれを自分たちがやるのか?その意味が凄く大事になると思います。

その「なぜやっているのか?」という”理由”が力を生むと考えていますし、Resorzらしくやるとしたら、「どうやるのか?」をメンバーみんなにも同じように考えてほしいと思っています。

そうした判断の根っこになるのが行動指針や理念の理解だと思っているので、ここをブラさないために、それぞれの考えを発表してもらっています。

 

編:大事にする一方で、行動指針と実態が乖離すると感じる事はないですか?
たとえば一見すると「仕事を楽しむ」ことが難しい場面もありますよね。業務の全てが得意な事で、必ずしも面白い事ではない場合もあると思います。でもそれは自分自身で再定義していくしかないんですよ。

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たとえば名刺を1,000枚入力する作業があったときに、自分で「1,000枚の名刺入力の効率的な方法を考えて最短記録に挑戦する」とか、「名刺の1社1社に対して何が提案できるかを考えながら入力する」とか、同じ作業でも面白さが違ってきますよね。

仕事が楽しいことだけではないことは分かったうえで、「仕事を楽しむ」という行動指針を掲げているのは、それは矛盾ではなくて、自分でどう再定義できるのかをそれぞれに考えてほしいからなんですよね。

 

編:社員同士で積極的にコミュニケーションを持つための施策はされていますか。
いくつかありますが、昨年から『まかないランチ会』を導入しました。(TOP写真も『まかないランチ会』のワンシーン)

『まかないランチ会』とは、毎月2~3人の従業員がランダムで選ばれ、他のメンバーにお昼ご飯(まかない)を作るユニークな社内制度です。私含め、社員からインターンまで、役職・職種関係なく選ばれた担当者がメニュー選定、買出し、調理まですべてを担当します。

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メンバーは、それぞれ異なるミッションを持って仕事をしていますし、部屋も3つに別れているので、全員が顔を合わせてコミュニケーションを取る機会をもっと増やしたいと考えていました。また、私は、あまりお酒をよく飲みに行くタイプではないので、ランチを活用できたらと思ったんです。

共同作業ができて、仕事と関係のない話をしながら交流ができる場をつくる、そしていわゆる「同じ釜の飯を食べる」ということをやってみたくなったんです(笑)。

実は、創業当時にはやっていたんですよ。まだ自宅がオフィスだったころ、夜も遅くなってくると主に私が作って、みんなに振る舞って。その意味では、原点回帰的な意味合いもあるかもしれませんね。

みんなで作る、食べる、後片付けをする。コミュニケーションの基本として、純粋に気持ちよかったんですよね。それ自体は仕事と全然関係ないんですけど、仕事をやる上でも、そういう雰囲気の中で一体感が生まれるんですよね。

 

編:最後に、Resorzとして今後どういったことを実現していきたいですか。
まずは前述したように自分たちなりのやり方を確立しながらも、ビジネスを成功させて、「こんな会社のあり方があるんだ」ということを実行していきたいですよね。

そういうポテンシャルがあるのが、弊社のようなベンチャーではありますが、そうはいっても我々が大口を叩いているだけで、ビジネスで大きな成功をしていかないと説得力がありません。

売上なのか、規模なのか、社会変革を起こせる何かなのか。そういったビジネスでの“結果”を出すことがその証明になりますし、そういった存在になりたいと思っています。

あとは、私たちは”日本”という国を掲げて仕事をしていますが、1社の利益に縛られると、できることは限られていきます。会社の利益は考えつつ、日本がどうあるべきなのかを先頭に立って考え続けていきたいですね。

CAPPY'S EYE

兒嶋さんがお話された「ここ数十年で作られたルール、やり方」は、最近のICTの進化によって一気に廃退していくのでしょうね。そして、ルールがなくなったときに”会社で働く個人”の自立性や主体性を形成する、コアとなっていくものが行動指針なのだと感じます。今後、どのようなResorzらしい”会社”を創りだすのか、楽しみです!

筆者

中島浩太

株式会社ゼロイン CAPPY編集部
2008年、ゼロインに新卒入社。総務アウトソーシングや社内イベントの企画・設計を担当。新卒採用担当を経験したのち、社内広報とマーケティング組織の立ち上げに携わる。CAPPYでは編集、インタビュー、ライティング、撮影まで担当しながら、各社の魅力的な取り組みを発信中。
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