2016/05/18

ファミリーデーで思い描く!Speeeで迎える次のライフステージ

Webマーケティング事業とインターネットメディア事業を中心に、BtoB・BtoCの両軸でサービス提供を続ける株式会社Speeeが、社員のご家族をオフィスに招待した交流イベント『ファミリーデー』を開催しました。

開催場所は先日取材(詳細はこちら)した『Speee Lounge』。

Speeeは2007年の創業からわずか9年で従業員数が450人に迫る中、さまざまなライフステージの社員が混在しています。そうした状態の中、どのような意図でファミリーデーを開催したのでしょうか。また実際に開催してみての気づきや今後の展望とは。

ファミリーデー開催を推進した、人事の入江佐和さんと菅原将太さん、渡邊優太さんにお話をうかがいました。

編集部(以下、編):今回のファミリーデー、どのような想いから開催を決めたのですか。

菅原さん:私はこのファミリーデー、企画側でもあり参加側でもあるのですが、入社以来ずっと開催を企てていました。というのも、私は半年前に中途で入社したばかりでして、このフィールドで長く頑張りたいのですが、そのためには妻の理解が必要だと思っています。

そうしたときに、当社がどのような会社なのかは客観的に見ると少し分かり辛いと思っています。こういう事業で、こういう社長で、こういうオフィスでね、と口で説明してもなかなか伝わりません。

であれば、家族に会社に来てもらって、社長はこういう人です、こういう仲間と一緒に働いています、と実際に会って雰囲気を味わってもらう方が圧倒的にいいなと思っていました。

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菅原さんの4歳になる息子さんも参加しました。

そこで役員にファミリーデー開催を提案したところ「やってください」と即答いただき、動き出したのが始まりです。

ただ実際に動き出すに際しては、一人では厳しいと思いまして。周りを見渡したところ入江さんが目に留まり、打診して仲間になってもらいました。女性の目線もほしかったので非常に助かりました。

入江さん:打診を受けたのが昨年末でしたね。私も会社で長く働き続けるためには、家族の理解が重要だと考えていました。

場合によっては遅くまで働くこともありますが、「早く帰ってきてほしい」や「なぜ帰りが遅いのか」と何度も言われてしまうと、たとえ本人が意義を感じて働いていたとしても不安になってしまいますよね。

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入江さんも中途入社で現在、入社6年目。

ライフとワークって完全には切り離せないですからね。インテグレートな話だと思います。

当日は参加者全員が笑顔で過ごしてくれたので本当によかったです。ファミリーデーに参加したお子さんが「今日は会社に行けないの?」と言ったりするそうで、家族からそうした反応があると、社員の気持ちも上向きになるのではないかと思います。

渡邉さん:Speeeの平均年齢は29歳で、既婚率は3~4割くらいです。若くして結婚しているメンバーもいて働き盛りでもあるので、今回のイベントを通じて、ご家族、仕事仲間双方の理解が得られることは本人にとっては非常にいいですよね。

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渡邉さんはファミリーデー当日、お子さんにモテモテだったそうです。

私の後輩がいい例だと思います。大学院卒で当社に入社後、すぐに結婚。最近お子さんが生まれました。彼自身はまだ成長段階で日々大変な中、奥さんが家で心配していたそうです。それが先日のファミリーデーに奥さんとお子さんに参加いただけ、とても喜んでいたそうです。

会社の実態や社内の雰囲気が感じにくいのはベンチャー特有の悩みですからね。

編:見えない、わからないことへの不安は大きいですもんね。開催に向けては、菅原さん主導で入江さんを巻き込み、具体的にはどのように進めていったのですか。

入江さん:年明けから動き出して、まずは実際にファミリーデーを開催したことのある企業3社にヒアリングさせていただき、そこでお聞きした内容を参考に進めていきました。

最初は1ヶ月程度で準備できるだろうと思い2月開催を予定していたのですが、とても開催できるような状況ではなくて。3月に修正しましたが、2ヶ月くらいの準備期間がちょうど良かったですね。

菅原さん:最初はご家族を招待して一緒にご飯を食べるくらいがいいのではと考えていました。ただ、ヒアリングをしていくと各社さん企業規模は違えど、とても創意工夫されていたんですよね。

各社の担当者さんが共通して大事にしていたことは、ご家族の満足度でした。当社では今回、”お子さんを持つ家庭”をメインターゲットにしていたので、お子さんを含めた満足度を高めるためには、ご飯を出すだけでは駄目だなと。

ですので、「オフィスツアーもただ見せるだけではおもしろくない」「子どもは長時間耐えられないから、最大2~3時間の中でどうコンテンツを凝縮するか」「可愛い名刺をつくろう」「遊具をレンタルしてはどうか」などを考えていきました。

入江さん:お子さんにはお昼寝タイムがあったりしますからね。コンテンツがその時間に侵食してしまうと、お母さんも大変になってしまう。それまでに終えられるように心がけました。あとは途中で来て、途中で帰れるように自由度を高めたり。

ヒアリングでアドバイスいただいたことが大変参考になって、もし何も聞かずにやったらと思うと、ゾッとします(笑)。

編:ちなみに当日はどのような内容だったのですか。

菅原さん:当日は8時からスタッフが設営を始めまして、10時から10時半で開場・受付、10時半にスタートして、13時には終了しました。実質、2時間半くらいに収まりました。

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ファミリーデー当日のタイムスケジュール

入江さん:社内のデザイナーにオリジナル名刺を作ってもらい名刺交換をしたのですが、2歳、3歳の子もきちんとできていました。お子さん同士の名刺交換や代表の大塚をはじめとする役員との名刺交換は非常に印象的でした。

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当日レクチャーをしたわけではなく、事前に親御さんに「当日こういうことをしますよ」とアナウンスをしていたんです。事前に伝えたおかげで、各家庭でちょっと練習をしてくれたみたいですね。

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菅原さん:会場装飾に手配した風船は良かったですよ。SpeeeLoungeは大人向けの空間ですので、風船を入れると一気に雰囲気が変わるんですよね。

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子どもたちにもとても人気でした。特に動物のアルミ風船は装飾にもなるし、ガスの持ちもいいのでお土産にもなるんですよ。

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入江さん:今回のミソはラウンジを中心に使ったことですね。フロアごとにゲームをする案も考えたのですが、あまり分かれると交流がなくなりますし、折角ラウンジがあるのにもったいないよね、という話になり基本はラウンジに集約しました。

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編:逆に気をつけたことはありますか。

菅原さん:当日は昼食にケータリングを手配したのですが、アレルギーには注意しました。発注前にメニューに含まれるアレルギー品目一覧をもらって、事前にアナウンスしたんです。実際にアレルギーを持つお子さんがいて、事前に案内したおかげで当日は別メニューで対応してもらうことができました。

入江さん:あとは幼児用のパックジュースを準備しておいた方がいいと言われて大量に準備しました。小さい子ってとにかく走り回るので喉が渇くんですよね。パックジュースだとポンポン渡すことができるので、とても簡単でした。

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菅原さん:他社さんが反省としてよくお話されていたことが、「決めたコンテンツを進めるだけでは飽きてしまう子もいるから、何か準備しておけばよかった」ということでした。そこでパターゴルフや輪投げなど気軽に遊べるものをレンタルして、いつでも遊べるように開放しておきました。

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実際に開催して感じたことは、子どもを対象にしたイベントは細かいことに相当気を配らないといけないということです。

幸い事前のヒアリングで注意するべきことはわかったものの、それらをタスクにしていくと40個くらいになってしまって(笑)。タスク管理に苦戦しました。

入江さん:どこまでやりきらないといけないのか、前例がないので基準の線引きができないことも大変でしたね。これで大丈夫かな、怪我したらどうしよう、喧嘩したらどうしよう、と。

対策として、そうしたことが起きないように飽きさせないことに注力しました。コンテンツやゴルフなどの遊び道具、スタッフのインプット含めてです。飽きさせないというのは、今回の一番のポイントだったかもしれないですね。

菅原さん:そうですね。ご飯のタイミングでも普段の業務風景を写した写真をスライドショーで流したのも良かったです。ご飯のときって意外と手持ち無沙汰になりがちなので、流しているとお子さんが「あ、パパいた!」「ママ働いてるね」と熱心に見てくれたんですよ。

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編:ファミリーデーを開催して、どのような効果を感じましたか。

入江さん:参加いただいた社員とご家族の満足度はもちろん、ホスト役の役員や運営スタッフとして当日協力してもらった社員の満足度も高かったんです。

菅原さん:加えて、参加していない社員からも大きな反響がありましたよ。当日1,000枚くらい写真を撮影したのですが、それを社内の共有フォルダにアップしたところ日報に”ファミリーデー”という言葉が頻出しました。

「写真を見て癒されました」「いずれ自分も参加したい」「今度生まれるので、次のタイミングでは行きたい」という好意的なコメントばかりでしたね。

入江さん:普段は怖い上司や仕事一筋みたいな上司の普段とは異なる一面を写真で見て、「仕事ができる人は家庭も幸せそう。僕も、私も頑張ろう」という反応も(笑)。上司もプライベートまで見せる機会はそう多くないので、こうした場を作ることで意外な一面を知れることができたのもよかったと思います。

あとは現在、育児休業を取得している女性社員が旦那さんとお子さんと参加されたパターンもありました。ちょうど4月末に復帰予定だったので、広報段階から凄い楽しみにしてくれていたようです。

編:育児休業中は会社と距離ができてしまいますもんね。こうした場で接点を持てるといいですね。今後の展望はどのように考えていらっしゃいますか。

入江さん:今回は初開催だったので未知数の部分が多く、あまり広げすぎるのは怖いと思っていたんです。今後は社員が普通に働いている日に開催するのもありだね、という話をしています。そうすると、もっと社員とのつながりが作れますからね。

また、子どもの成長に合わせてコンテンツを進化させていきたいですよね。今回はお子さんのボリュームゾーンは3~4歳でしたが、お仕事体験や社員との交流など、より難易度の高いものにしていきたいです。

そうしている間に新たにお子さんが誕生されると思うので、将来的には年齢別に分けて開催できたらいいですね。

編:ちなみにファミリーデーを含めた社内イベントは、Speeeにとってどのような意味を持つものなのでしょうか。

菅原さん:ファミリーデーで言えば、このイベントを通じて1対1の関係から広がりを持つことで、この人の後ろにはああいう家族、ああいうお子さんがいるんだなと具体的にイメージができるようになりますよね。

そうすると、たとえばお子さんが熱を出したときにその子の顔が思い浮かんで、「大変ですね」という感情にリアリティが出てきます。そうした気持ちが働く中では大事なのではと思います。

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入江さん:”○○さんのお子さん”でなく”○○ちゃん”になることで、配慮の言葉ひとつかけるにしても一段深まりますよね。そうした周囲からの一段深いサポートの積み重ねが、社員一人ひとりが安心して働けるポイントになるのではと思います。

渡邉さん:実際、私は後輩のことを尊敬する機会になりました。子どもがいて、奥さんもまだ若い中で、仕事も成長意欲高く、責任感強く臨んでいて凄いなと。

私が子どもの面倒を見たのはファミリーデー当日の3時間くらいで楽しかったですけど、それが四六時中になって、喧嘩することもあったりすると、それは大変ですよね。人事としても、そういう人たちにとっての”より良い働き方”を考えていかないといけない。

入江さん:”働き方”という意味では、私は結婚を期に18時退社の時短制度を使っているんです。それは、ライフステージの変わった人は生産性を高めながら自分の働き方も変えていくことが必要だと思っていて、そうした姿を人事から見せることで、今後結婚を考えている人にメッセージしていきたいと思っているからです。

人事として社内外の多くの方と向き合うからこそ、私たち自身が一番イキイキしていたいですよね。

編:ファミリーデーのような社内施策やそうした人事制度が融合していくといいですよね。「何年後かに結婚したら時短勤務でこんな働き方」、「子どもができたらこんな働き方」と、自分の次のライフステージを具体的に想像できて、かつその姿をいいなって思いながら働けるような。

入江さん:イメージがわかないことが不安の要因だと思います。”今の働き方を続ける”か”辞める”かではなく、違う選択肢を提示していきたいんです。当社はそうしたことに興味を持っている社員も多く、ファミリーデーでも多く声をかけてもらいました。

今回も名刺デザインや当日運営スタッフとして多くの社員に手伝ってもらいましたが、次回は企画の部分から関わってもらえたらより良いと思います。

渡邉さん:最近、会社が成長して大きくなっているからこそ、会社を小さくすることを意識しています。SpeeeLoungeもその一環ですが、人が増えると部署間や社員同士の距離が開きがちです。

今回のファミリーデー開催によって、お子さんを持つ社員同士のコミュニティは小さくなり理解も進みました。今後、人事としてさらに高密度な組織にするために何ができるのかが重要です。

菅原さん:そうした文化醸成や会社づくりをみんなでしていきたいですよね。”人を誘いたくなるような会社”でありたいと私たちは思っているので、自分たちが必要だとか、いいねって思うことを今後も実現していきたいと思います。

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ファミリーデーの運営に関わったみなさん。代表取締役の大塚英樹氏も参加。

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この記事の著者

中島 浩太

株式会社ゼロイン
2008年、株式会社ゼロインに新卒入社。インナーブランディング・社内コミュニケーション施策をプロデュースするコミュニケーションデザイン事業、ゼロインの管理部門、新卒採用担当、新規事業を経て、現在はコーポレートブランディング室において広報(社内広報・社外広報/PR)とマーケティングを担当。
インターナルブランディングの魅力的な取り組みを紹介するウェブメディアCAPPYの編集長として、さまざまな企業における企業文化づくりや組織活性化の取り組みを取材。
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