2015/01/08
スマートフォンメディアとネット広告を手がけるユナイテッド株式会社は、週間4,000PVを誇るweb社内報「みないと!」を発行・運営しています。従業員数が約230人であることを考えると、これは驚異的な数字。
従業員が見ずにはいられない社内報へのこだわりとは?「みないと!」の2代目編集長を務める執行役員の新藤裕介さん(初代編集長は代表取締役会長CEO早川与規さん)と広報IRグループの市川三弓さんにお話をうかがいました。
編集部(以下、編):「みないと!」はどのような社内報なのでしょうか?
「みないと!」は社内における縦と横のつながり創出を狙っている社内報です。ちょっと手が空いたとき、息抜きがてら会社のことや同僚のことを楽しく知ることができる、16個のコンテンツが充実しています。例えば次のようなコンテンツが代表的なものです。
【早川ブログ】
代表取締役会長CEO早川の社内向けブログです。最近読んだおすすめの本情報、新しい人事制度が生まれた理由、最近気になる事等、真面目なことからライ トな事まで多岐にわたり発信されています。「早川ブログ」以外にも、代表取締役社長COO金子のブログ、取締役のブログもあります。
【ワタクシの履歴書】
部長職以上の方の幼少期〜現在までの過ごした日々を連載で発信しています。こういう状況を、こう考え行動し、こういう結果になった等、身近 な先輩から、思考・行動のヒントを教えてもらえるコーナーです。
【UNN(United News Network) 】
各事業部のマンスリーMVP発表や達成会の様子、社内誕生日会の様子や、人事新施策の告知等、ユナイテッドのいろいろなニュースを発信しているコーナーです。
【りふれっ趣】
社員のはまっている趣味紹介。趣味紹介を通して、その人の普段見られない一面を知ることができるコーナーです。
【今日のファショリ】
今日のファッションリーダーの写真を投稿するライトコンテンツです。
【たこりれぇ】
リレー形式で社員同士、他己紹介をするコーナーです。事業部内で社員紹介リレーをしてもらい、全員紹介し終わったら、次の事業部にバトンが渡ります。
編:凄い情報量ですね!いつ頃からこのような内容になったのですか?
実はこの「みないと!」、今年の6月にリニューアルしたばかりで、現在は有志の編集部員6名が日々更新しています。6月以前にもweb社内報はありましたが、更新頻度はそれ程高くなく、内容も会長の早川や社長の金子ら経営陣から従業員に向けたメッセージが大半、つまり縦の情報ばかりでした。
ユナイテッドも従業員数が約230人を超え、事業も幅広く9事業部で展開しています。各事業部それぞれが独立して事業運営を行っているため、他事業部とまったく交流のない従業員も増えています。オフィスも9階と10階に物理的に分かれてしまいましたしね。
そこで社内報を、普段話す機会がなくとも人となりを知れる、横のつながりを作る1つのきっかけにしてほしいと思いリニューアルを実施しました。
編:何故、横のつながりが必要だと思ったのですか?
同じ会社で働いているのに、知らない人がいる状態を当たり前にしたくないんですよね。それって凄く寂しいことだと思いませんか?
新卒中途ともに誠実でいい仲間が大勢働いているので、今後今以上に会社が大きくなり従業員数が増えても、みんながお互いを知っている。そういう状態を追求していきたいと思っているんです。
あとは、業務上でも影響してきますしね。その人のことをまったく知らないときの素の人間って、意外と怖いですよね?(笑)そういった状態では声をかけ辛いですし、変な先入観でその人のことを見てしまいます。全社で正式に集まるのはクォーターに1度の総会しかありませんので、クォーター間をつなぐツールにもしたかった。
編:これだけのコンテンツを維持するのは大変そうですが…。編集部員の方々は、どのようなミッションでやられているのですか?
編集部員はデイリー800PV、ウィークリー4,000PVの目標を追いかけて更新しています。毎週月曜日に編集会議を行い、その週に更新する記事を確認して目標達成を握りあっています。記事は毎週、10本以上は出しているでしょうか。
PV目標を達成するために、社内イントラの出退勤ボタンの下に記事リンクを貼ったり、今週こんな記事を更新しましたというまとめメルマガを発行したり。どうしたら従業員が興味を持ってクリックしてくれるか、と編集部員が試行錯誤していますよ。
あとは編集部員だけが記事を作るのではなく、読者(従業員)からの寄稿も募集しています。寄稿者には「みないと!」限定のオリジナルノベルティをプレゼントしています。社内でもほとんど流通させていないのでプレミアム品です。
記事数、作り込みと、ここまでやる会社はあまりないと思います。しかも、編集部員はこれらを業務でなく、自主的にやってくれています。当然、自分の主務があるので、編集作業に負荷がかかり過ぎないように注意しています。
「みないと!」、今後はどのように運営していかれる予定ですか?
リニューアル後の内容は、人となりを知ること、エンターテインメント性にフォーカスしているので、「以前より面白い。楽しみにしている。」と言ってもらえる社内報にはなってきました。今後は、エンターテイメント性はブラッシュアップしつつも、真面目な側面としての情報(仕事に役立つ情報、知識向上に役立つ情報)などを充実させていきたいと編集部で話しています。同じことをしていても、いつか飽きられてしまうので、新しいコンテンツを積極的に作っていく予定です。
また、今はベテラン編集部員に任せていますが、今後は色々な人に編集部員を担当してほしいと考えています。記事の作成には社内調整を行う必要があるため、実は編集部員自身が最も横のつながりを生み出しやすい。毎年新任編集部員を選出して、毎年卒業生が出る、という形式にできたら面白いですね。
ユナイテッドは2012年12月に違う会社同士が合併してできたばかりですので、会社の文化は今作られている最中です。この社内報を通じて、ユナイテッドらしさが自然と創られてくればと思っています。
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CAPPY'S EYE
目指したい世界観や組織風土の議論をし続けて、コンテンツ発信量がなかなか増えない会社もある中、ユナイテッドさんでは「まず発信してみる」というカルチャーがあるように思えました。伝えたい情報を発信し続けていく事で、その会社の「らしさ」が何なのかが浮かび上がってくる。「みないと!」は全社を巻きむインナーコミュニケーションの好事例だと思います。
筆者
中島浩太