2015/06/24
管理職・グローバル人材向け会員制転職サイト『ビズリーチ』や、20代のためのレコメンド型転職サイト『careertrek(キャリアトレック)』を中心に、インターネットを活用したキャリア事業を展開する株式会社ビズリーチ。先日は企業と求職者を完全無料でマッチングさせる求人検索サービス『スタンバイ』をリリースして話題になりました。
2009年の創業以来、倍々で従業員数が増えるほどの成長を続けているビズリーチでは、毎年半期ごとに全社員参加のキックオフ合宿を行ってきました。今年はついに300人を超える規模で実施したとか。なぜお金と時間を投じて宿泊型の合宿を実施してきたのか。企業成長に与える影響について、広報室の伊藤綾さんにお話を伺いました。
編集部(以下、編):キックオフ合宿の概要を教えてください。
キックオフ合宿は正社員を対象とした、泊まりがけの社員総会兼懇親会です。弊社は2月が期頭ですので、今年は2月6日金曜日に実施しました。午前中は八芳園を借りて代表の南やカンパニーCEOが戦略方針を伝達する会議、続いて『BIZREACH AWARDS』と呼ばれる表彰式です。そして午後から全員でバスに乗り込み、6台ほどで連なって鴨川の温泉旅館に移動しキックオフ合宿、という流れでした。
編:それは毎回お決まりの流れなのですか?
実は表彰式のBIZREACH AWARDSは今回新設したコンテンツなんです。以前は、午前中に戦略方針を伝達する会議の後、すぐにキックオフ合宿に移行していました。表彰式はというと、その合宿中のキャンプファイアー等の盛り上げコンテンツ内で実施する形式でした。
みんなお酒が入って賑やかな中での表彰式で、非常に楽しい雰囲気ではあったのですが、一方でせっかくのAWARDが少し軽い印象にもなってしまっているのではないか、という側面もありました。
そこで、今回は格式を高めて“受賞した方が家族や友人に伝えられるものにしたい”という想いから大きなコンテンツとして独立させました。ドレスコードも定めて、男性はスーツ、女性はスーツや結婚式に参加するようなフォーマルな服装で参加してもらいました。
編:キックオフ合宿自体は、どのようなスケジュールだったのですか。
BIZREACH AWARDS後ですので、昼過ぎに出発して旅館に着いたのは14時から15時くらいでした。そこから夕食までは周辺の散策をしたり、温泉に入ったり、卓球をしたり。社員が思い思いに楽しむ時間で、18時頃から大宴会を実施しました。
キックオフ合宿のプログラムは金曜日中にすべて終えてしまい、土曜日の朝には解散です。解散後バスに乗って昼前には渋谷に帰ってきましたね。参加社員は300人ほどで家庭を持っている社員も多いんです。家庭の時間をなるべく削らないよう注意して設計しています。
編:キックオフ合宿は何を目的に実施されているのでしょうか。
社員同士の交流と慰労、そして通期のゴールイメージを合せることが目的です。弊社は昨年からの1年間で社員数が2倍近くになり、日常業務の範囲ではコミュニケーションをとる機会が少ない社員も多く出てきています。人の増え方でいくと、この4月にも新卒・中途合わせて50人入社しました。社員もこのキックオフ合宿を、“普段接する機会の少ない社員と話す良い機会“と捉えてくれています。
編:新しいコミュニケーションを生むために意図したことは何ですか。
部屋割りは運営側ですべて決めています。役職・年次・部署に関係なく、普段関わらない社員同士を組み合わせるようにしていて。経営陣も例外ではなく、代表と同じ部屋になった社員も当然います(笑)。だいたい1部屋4~6人部屋ですので、一緒の部屋になれば必然的に会話する機会は多くなりますよね。
編:あえて泊まりにすることで生まれる効果って、何でしょうか。
300人が同じ浴衣を着て、お座敷に勢揃いする。そんな非日常な空間だからこそ生まれるコミュニケーションがありますよね。業務や日頃の飲み会では見えない顔が様々見えて、とても面白いですよ。また、新入社員が考えた出しものもあって、とても盛り上がります。
編:キックオフ合宿はどのような体制で運営されているんですか。
運営に関しては“運営実行委員”が社員の中から選出され、コンテンツ企画や当日運営をすべて担当します。実行委員は、代表や組織開発の社員が、できるだけ若手の社員に経験を積んでもらおうと選んでいます。選ばれたメンバーは合宿の2ヶ月前あたりから動き出し、日常業務が終わったあとにミーティングを繰り返しながら進めることになります。
これを経験することで実行委員同士の交流が促進されるのはもちろんですが、普段業務でやらないイベント企画や、300人の社員をまわすプロジェクトマネジメントの経験を、日頃の業務にも活かしてほしいですよね。
編:実行委員は当日まで従業員をどう盛り上げていくのでしょうか。
ビズリーチでは週に1回、執務室で全社員を集めた朝会をやっています。合宿が近づいてくると、その朝会で実行委員が「こういうコンテンツやりますよ」、「集合時間、この時間ですよ」と毎週のように広報するようになります。その広報を繰り返すことで、聞いているみんなの気持ちも自然と高まってくるみたいです。直前には“しおり”を作って配付したりもします。
編:合宿を作りあげる上で難しかったことは何ですか。
どうしたら「参加する全社員が楽しんでくれるか」、「時間を共有できるか」、でしょうか。社員は1/3がエンジニア、クリエイティブの社員です。その中で、営業向けの話だけをしても興味がわかないですよね。どうしたら職種の異なる社員が視座を同じくして、共感しあって、場を共有できるのか。コンテンツや雰囲気づくりに苦労したようです。
あとは何と言っても会場探しです。会場は運営実行委員でなく組織開発の社員が担当しているのですが、300人が入れる温泉旅館探しは相当難航したようです。
編:ビズリーチではどのようにコミュニケーション文化を創っているのでしょうか。
弊社は代表含めた経営陣が、社内コミュニケーションの創出にとにかく前のめりなんです。とても”人”への想いが強い会社だと思います。社内コミュニケーションの機会は今回のキックオフ合宿に限らず、日常的な施策を多く導入していて。
例えば月に1回”Pizzaパーティ”を行っています。社員と日頃お世話になっている関係者をお呼びしての交流会なんですが、創業以来続けています。ピザを食べながら、お酒を飲みながら、コミュニケーションを取るパーティです。それ以外にもランダムで選ばれた社員同士でランチにいくコミュニケーションランチや、12月に実施する納会、任意参加の運動会なんかも実施しています。
このエントランスが交流スペースとして使われるそう。
経営陣が本気で取り組んでいるからこそ、その想いが社員に電波してこういった社風が創りあげられていると思います。今後、社員数が増えていくと、合宿などコミュニケーションの取り方は変わっていくと思いますが、このビズリーチのコミュニケーション文化は大切に守っていきたいですね。
インナーブランディングや社内コミュニケーション施策の企画・設計に関連するノウハウを、お役立ちブログで公開しています。
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CAPPY'S EYE
近年、飲み会ですら「それって業務ですか?」という会話がされる会社もあるとかないとか。その中でビズリーチではあえて全社員が宿泊する社員総会を実施しています。そして、そうしたコミュニケーション文化が企業成長の原動力となっているようです。こういった文化を楽しめる人の集まりだからこそ、より強い一体感が生まれるのでしょうね。そして、巷で話題になっていたビズリーチさんのオフィス。やっと見学できました。海と浜のあるオフィス、圧巻です。浜の砂は本物のサンゴを使っているそう…!
筆者
中島浩太