2015/02/17
今や生活に欠かせないネットショッピングにおいてかつて絶対に実現不可能と言われてきた「未回収リスク保証型後払い決済」。このマーケットをリードし、急成長を続ける株式会社ネットプロテクションズでは社員の働きがいを高めるための部署横断的活動「ワーキンググループ」を実施しています。人事総務グループの秋山瞬さん、マーケティンググループの五十嵐優美さんにお話を伺いました。
―ネットプロテクションズでは人事制度のひとつにワーキンググループ(以下、WG)があると聞きましたが、どんな制度なのでしょうか?
個々人がメインの業務を持ちつつ、業務時間の20%で自分の興味のある業務に手を挙げてチャレンジしていくという制度です。Googleの20%ルールが根本にありますが、それに近いことを社内でもやりたいと考えています。
<6つのワーキンググループ>
1.新卒採用
人事ノータッチで新卒採用を企画・設計する集団
(採用活動の全体設計から、広報活動、運営など、会社の採用戦略に至るまで全ての責任を持ち、人事に代わって活動しています。)
2.ナレッジマネジメント
ナレッジ共有会企画をはじめ、情報や知識・知恵の有効活用する集団。
3.ビジョン浸透
2012年に再考されたビジョンの発信・浸透を図る集団。
4.きちんとわくlab.
月1回の1day社食など、従業員のコミュニケーション活性化を行う集団。
(2014年6月にはオフィス内で回転寿司も実施しました。また、社内報作成も行っています。)
5.メンター制度
部署・役職横断で、新卒社員の成長を支援する集団。
6.予算策定
全社の経営戦略を、経営者視点を持って数値化する集団。
(他社と比較した自社のPL/BSなどを分析し、中長期を見据えた経営計画を策定しています。)
―なるほど!でもときには本業の仕事よりも、ワーキンググループの方がメインになったりしないのですか?
あくまで「本業:WG=8:2」がコンセプトなので、本業がメインです。ただ、中には結果的に「8:4」でやっている社員もいますね(笑)。でもそこは、自分の意志を持って立候補した意欲のあるメンバーが多く、WGの活動は評価制度にも組み込まれており、成果はきちんと評価されているため、満足度は高いようです。メンバーは皆、ボランティアではなく本気でやっています。
―ワーキンググループの活動が始まったのは2012年からとお伺いしたのですが、始まった背景やきっかけは何だったのでしょうか?
背景としては、全メンバーが組織づくり、会社づくりといった全社視点に立ち、次世代を担うリーダーとして自主的に経営に携われるようにするために始めた制度でした。また、2012年に社員全員で話し合いを開始し、翌年の13年に「つぎのアタリマエをつくる」という新しいミッションを策定したのも大きなきっかけです。私たちは創業当時から”Eコマースに新しい標準を”という想いでプラットフォームビジネスをやってきました。もともと”NP後払い”という、かなり特殊でニッチな事業でしたがそれが段々Eコマースの中でも”アタリマエ”になってきたところがありました。
一方で、「働き方」においてはワークシフトはじめ、色々なワークスタイルが生まれていく中で、”本当に人が人らしくあれるような、働き方、組織の在り方っていうのが一体どういうものなのだろうか”というのを突き詰めて考えていきたいと思ったのです。
例えば親が介護状態になってしまったり、結婚して出産・育児があったりすると、どうしても思いっきり働きたくても働くことが難しい時があります。そうした際に、会社のルールや年功序列などの仕組みで縛られてしまい柔軟に働くことができないことが多いと思っていたので、なるべくそれらを排除していき、実践に合わせた組織づくりをしていきたいというところから「縛られない働き方」を進めていこうと決めました。本業以外の20%を環境に合わせて柔軟に選択しながら働くことができる。そのひとつの例がワーキンググループになります。
―WGを導入してみた効果はいかがですか?
大きくは下記の4つです。
①会社・組織作りにおける当事者意識の醸成
②若手社員の成長機会の創出
③各WGに予算が与えられているため、予算管理・マネジメントの経験が可能
④通常業務では接点の少ない社員とも一緒に仕事ができることによる、学びの増加
WGでは、自分の担当するプロジェクトの中で全てを統括してみることが大事だと思っています。社内調整、予算管理、リソース配分、社内リクルーティングでメンバーを集めることなどを一貫してできることが一番の成長かなと考えています。プロジェクトのメンバー数は新卒採用グループで6人程度、メンバーのキャリアは新卒・中途・マネージャーがフラットに混在しています。そして、それを束ねているのが新人だったりします。
本業では、決済という固いビジネスをやっているので失敗が許されません。
一方で、こうした会社づくり・組織づくりにおいては、かなり手離れして任せています。新卒採用を例にすると、仮に予算が1000万円あると、1000万円の使い道から、どこの母集団からどういう選考して、誰に関わってもらい、実際どういう人物像を採用するかまで、社長とやり取りしながらゼロベースで考えていきます。
―かなり裁量を持って仕事ができるのですね!そんなNPさんの組織風土やカルチャーは、一言でいうとどんなイメージでしょうか?
本当にWill(ウィル)を大切にする会社だと思いますね。
個々人のなりたい姿・ビジョン、やりたいことを尊重しています。「ビジョンシート」という施策を半期に一回やっていて、今後こういうことをしていきたい、部署移動をしたいといった意見を聞く場を設けています。
あとは、動物園みたいな会社ですかね。ひとりひとりが個性的で、それぞれWillを持っているので、面白い人間が集まってくる。自分の意見はもちろんはっきり言いますのでマネジメントする側からいえば、良い意味で面倒臭くて、生意気だったりします。、「いいからやれ」みたいなことが100%通じないですから(笑)。「本質的におかしいじゃないですか!」と反論してくるけど、おかしいと感じることを議論し、納得したら自走できるのですごいスピードになる。
それでいて、一匹狼的な人が少なくて、みんなで力を合わせていくことを大事にする人が多い。それもこの会社のらしさ・DNAとも言えます。
新卒2年目で市場開発室の室長をやっている社員がいます。まさにWillがあって、こうしたいという提言をして、カタチになりました。いま、市場開発室を立ち上げ、新市場に対してひとつのサービスを創っているところです。
彼は入社する前から「NPの第二・第三の柱となる事業を、自分主導で創りたい」と言っていた人間です。後払い決済マーケットはある程度市場が飽和してきていたのですが、こっちのマーケットもいけるんじゃないか、と自ら開拓しにいったのです。
もしNPを卒業しても、外でも活躍してくれる社員が増えるといいですね。
「Willを大事にして働いていくことがアタリマエでいいんだ」って思えたのはNPがあったおかげだよね、と卒業した社員から言ってもらえたら嬉しいです。
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CAPPY'S EYE
やりたいことができる」だけでは本当の成長に繋がらず、権力と責任も併せて付与しているところがワーキンググループの価値だとおもいます。また、オフィスのエントランスや会議室、オープンスペースなどワクワクするような空間がたくさんあり、決済というビジネスからは想像できないクリエイティブを感じました。 ネットプロテクションズさんには他にもユニークな社内制度がたくさんあります! 詳しくはこちら。NPトレサポ/NPカタリバ/NPマナブック/他
筆者
CAPPY編集部