オフィスを活用したファミリーデーの作り方|企画から当日運営までを徹底解説

  • 更新日: 2026.06.23
  • 公開日: 2026.06.23

ファミリーデーは、社員のパートナーやお子さん、親御さんなどの家族を招待し、交流する社内イベントです。経営から家族への感謝を伝えたり、企業文化や仕事内容を知ってもらったり、社員同士が「互いに大切な家族がいる」ことを実感し合う機会になります。こうした相互理解の深まりは、社内外の円滑なコミュニケーションやエンゲージメント向上につながります。

さらに、開催場所をオフィスにすることで、社員が日々働いている環境をリアルに感じてもらえるという効果も生まれます。普段は社員しか入ることのできないオフィスを家族に開放することは、「職場への理解を深めてもらう」というファミリーデーの目的に、より直接的に応えることができます。

一方で、「どうやって企画すればいいかわからない」「子どもが参加するイベントならではの注意点は?」「若手社員や家族を持たない社員はどう巻き込めばいい?」など、初めて担当する方にとっては不安なポイントも多いのではないでしょうか。

この記事では、ファミリーデーを初めて企画する担当者の方に向けて、目的設定から企画・準備・当日運営までのプロセスを、オフィス開催・家族招待型のファミリーデーに特有のポイントを交えながら丁寧に解説します。

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ファミリーデー開催の流れ

ファミリーデーを成功させるためには、以下のプロセスを踏まえた企画・準備が重要です。

  1. 目的設定
  2. 開催概要・コンセプトの決定
  3. プログラム決定
  4. 制作物、手配物の準備
  5. 社内への広報、巻き込み
  6. 当日イベント運営

それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

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1. 目的設定

ファミリーデーの企画でまず取り組むべきは、「なぜ開催するのか」という目的の明確化です。目的が曖昧なまま企画を進めると、「楽しかった」で終わるだけのイベントになってしまい、会社にとってのポジティブな変化につながりにくくなります。

ファミリーデーの目的としてよく挙げられるのは、以下のようなものです。

  • 社員の家族に、会社の文化・仕事・人を知ってもらう
  • 経営から家族へ、日頃の支えへの感謝を伝える
  • 社員同士が「互いに大切な家族がいる」ことを実感し、相互理解を深める
  • 家族からの業務・職場への理解を深め、社員が安心して働ける環境をつくる

目的を設定する際のコツは、ペルソナを具体的に描くことです。「入社5年目、子育て中の社員が、配偶者に自分の仕事や職場環境を知ってもらうことで、家庭でのサポートを得やすくなる」といったように、特定の社員像を思い浮かべながら「その人がイベントを通じてどうなってほしいか」を考えると、目的がシャープになります。

また、目的を決めることで、参加対象者も自然と具体化できます。パートナーや子どもに限定するのか、親御さんまで含めるのか。目的に応じて参加者の範囲を検討しましょう。

2. 開催概要・コンセプトの決定

目的が定まったら、開催概要とコンセプトを並行して固めていきます。

まず取り組むべきは、「やりたいこと」と「できること」の整理です。開催時期の希望、呼びたい対象の範囲、使える予算の目安、使用できるオフィスのスペースや規模感など、制約条件を先に洗い出すことで、実現可能な範囲が見えてきます。「やりたいこと」と「できること」のギャップを把握し、何を優先するかを決めていく中で、自然とイベントの輪郭が定まってきます。

開催概要を固める

開催時期を決める際は、以下の点を考慮しましょう。

■季節との相性
夏休みや春休みなど、子どもが学校を休みやすい時期は参加しやすい反面、家族の予定が入りやすい時期でもあります。社員へのアンケートで希望時期を事前に把握しておくと調整しやすくなります。

■社内行事との兼ね合い
他の社内イベントや繁忙期と重ならないよう、社内カレンダーを確認しておきましょう。

オフィスを会場にする際は、開催時間帯は通常業務ができなくなること、会議室などのスペースをファミリーデーのためにまとめて確保する必要があることを念頭に置いておきましょう。「気づいたら会議室が他の予定で埋まっていた」「業務部門から当日の業務調整について不満が出た」といったことにならないよう、企画の初期段階で関係部署への共有とスペースの確保を進めておきましょう。

なお、オフィス全体をファミリーデーに使用するのが難しい場合は、フロアやエリアを分けて一部を通常業務エリア、残りをファミリーデーエリアとして運用する方法もあります。参加人数や社内の状況に合わせて柔軟に設計しましょう。

コンセプトを言語化する

開催概要の輪郭が見えてきたら、ファミリーデー全体のコンセプトを言語化します。コンセプトとは、イベントを通じて参加者に届けたい「体験の核心」、つまり、その場でどんな体験をしてほしいか、何を感じてほしいか、そしてその後どんな変化や関係性が生まれるといいか、を言葉にしたものです。

「社員の『もうひとつの顔』を家族に知ってもらう一日」「家族みんなで会社を遊び場にする特別な日」など、一言で表せるコンセプトがあると、プログラムや装飾・制作物のトーンに一貫性が生まれます。

また、社内イベントは一人で企画・運営することは難しいため、この段階で事務局を立ち上げ、複数メンバーで意見を出し合いながら進めることが重要です。現場から有志のプロジェクトメンバーを募ってみるのもよいでしょう。「やりたい」と手を挙げてくれる社員は意外と多く、そうしたメンバーが自ら周囲に声をかけることで、巻き込みの輪が広がっていきます。また若手社員にとっては、「どうすれば子どもに自分たちの仕事をわかりやすく伝えられるか」を考える機会が、自社の事業や文化を改めて見つめ直すきっかけにもなります。

3. プログラム決定

会場と開催日時が決まったら、当日のコンテンツを組み立てていきます。

オフィス開催のファミリーデーでは、参加者が好きな時間に来場し、興味のあるコンテンツを自由に体験し、好きなタイミングで帰っていく「自由来場・自由体験型」のスタイルが一般的です。オフィス内の各エリアでコンテンツが同時並行で展開されるため、「どのコンテンツに何人来ても対応できるか」「混雑しやすいコンテンツの導線はどう設計するか」といった観点でコンテンツ設計と会場レイアウトをセットで考えることが重要です。

参加者に合わせたコンテンツ選び

社員、パートナー、子ども、親御さんなど、年齢も立場も異なる参加者が集まるファミリーデーでは、「大人向け」「子ども向け」「家族一緒に楽しめるもの」など、対象ごとにコンテンツを分けて用意することで、多様な参加者がより楽しみやすくなります。

コンテンツを選ぶ際は、「普段なかなか体験しないが、機会があれば体験してみたい」と思わせるものを意識すると、参加者の興味・関心を引きやすくなります。企画段階で社内アンケートを取り、社員からの希望を可能な限り反映していくと、当事者意識も高まり当日の参加意欲にもつながります。

ファミリーデーでよく取り入れられるコンテンツには、以下のようなものがあります。

■仕事・会社を知るコンテンツ

  • オリジナル名刺の作成・社長との名刺交換体験
  • 業務体験・ミニ講座
  • 会社の歴史・事業内容クイズ
  • オフィスツアー
  • 会社紹介サイネージの設置

■体験・ウェルネス系コンテンツ

  • 占い・パーソナルカラー診断・血管年齢測定などの体験ブース
  • ヨガ・体力測定など健康・ウェルネス系コンテンツ
  • 生成AI・ChatGPT教室などの最新技術体験
  • フラワーアレンジメント・工作などのワークショップ

■子ども向けコンテンツ

  • カラーボールプール・縁日など小さな子どもが安全に楽しめる遊び場
  • バルーンショー・パフォーマーによるショーイベント
  • 巨大アートなど参加者みんなで作り上げるコンテンツ

■記念・交流コンテンツ

  • 似顔絵コーナー
  • 家族写真の撮影コーナー・フォトスポットの設置
  • 会社ロゴ入りオリジナルグッズ・お土産のプレゼント
  • ケータリング・軽食

コンテンツの種類と時間設計

自由来場・自由体験型のファミリーデーでは、コンテンツは大きく以下の3種類に分けられます。

① 自由体験ブース
参加者が好きな時間に立ち寄って体験できるブースです。占い・パーソナルカラー診断・フォトスポットなど、比較的短時間で体験できるものが向いています。参加者の滞在時間や回遊のしやすさを考慮して、会場内にバランスよく配置しましょう。

② 予約制ブース
人数制限があるため事前予約や整理券制にするブースです。似顔絵コーナー・ワークショップ・ChatGPT教室など、一度に対応できる人数が限られるコンテンツが該当します。予約の受付方法や待合スペースの設計もあわせて検討しておきましょう。

③ ショー・全体イベント
バルーンショーやパフォーマーによる演目など、その場にいる全員が一緒に楽しめるコンテンツです。開催時間を事前に告知することで、参加者が集まりやすくなります。

時間設計で特に注意が必要なのは、予約制ブース②とショー③の開催時間が重ならないようにすることです。どちらも参加者を集めるコンテンツのため、時間が重なると参加者がどちらに行けばいいか迷ったり、どちらかのコンテンツの参加者が減ってしまったりする可能性があります。それぞれの開催時間を事前にしっかりと調整しておきましょう。

会場レイアウトと導線設計

自由来場・自由体験型のイベントでは、参加者が迷わず動けるよう、会場レイアウトと導線設計が重要になります。子ども向けエリアと大人向けエリアをゾーン分けすることで、それぞれが快適に過ごしやすくなります。また、各コンテンツについて参加想定人数を算出して時間配分や場所のシミュレーションを事前に行っておくと、当日の混雑や待ち時間のトラブルを防ぐことができます。

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4. 制作物・手配物の準備

プログラムが決まったら、イベントで使用する制作物や手配物の準備を進めます。自分たちで準備できるもの、外部に発注して準備・手配するものを予算に合わせて検討しましょう。

ファミリーデーで必要になる主な制作物・手配物には、以下のようなものがあります。

■招待状・案内文
家族向けの案内は、だれが読んでも内容が伝わるよう、わかりやすい言葉で作成しましょう。

■当日マップ・コンテンツ案内
自由来場・自由体験型のイベントでは、参加者が自分でコンテンツを選んで回れるよう、会場マップやコンテンツ一覧をわかりやすくまとめた案内物が欠かせません。子どもが見ても楽しめるよう、ふりがなを振る・ビジュアルを工夫するのもおすすめです。

■装飾・サイネージ
会場の雰囲気づくりに欠かせません。ファミリーデーらしい温かみのあるデザインを心がけましょう。

■記念品・ノベルティ
家族が持ち帰れる記念品は、イベントの余韻を長く残してくれます。

■映像
会社紹介などの映像を制作する場合は、構成の検討から素材収集・編集まで時間がかかるため、早めに着手しましょう。

■食事
昼食・夕食の時間帯に重なるようであれば、ケータリングなど食事を手配するのもおすすめです。子どもも大人も楽しめるよう、メニューを工夫しましょう。アレルギー表示も用意しておくと安心して食事を楽しんでいただけます。

また、子どもが参加するイベントならではの手配物・事前準備として、以下も忘れずに対応しましょう。

  • 授乳室・おむつ替えスペースの確保
  • ベビーカーを置くスペースの確保
  • おしりふき・おむつなど、忘れ物に対応できる緊急備品の準備
  • ミルク用のお湯の準備

「もし子どもが途中でぐずってしまったら?」「授乳が必要になったら?」といったシチュエーションも事前に想定しておくことで、親御さんが安心して参加できる環境が整います。

さらに、オフィス内の安全対策も事前準備の段階でしっかりと行っておきましょう。普段大人が働いているときには気にならないものでも、子どもにとっては危険なものがオフィスのあちこちにあります。裁断機やシュレッダーはもちろん、ハサミやホチキスといった文房具類も、子どもの手が届かない場所に片付けるか、立ち入りを制限するエリアを設けるなどの対策が必要です。また、ちょっとした段差や机・棚の角も、走り回る子どもが怪我をする原因になります。当日の動きをシミュレーションしながら、子どもの目線に立ってオフィス全体を見渡し、危険な要素を一つひとつ排除していきましょう。チェックリストを作成して複数人で確認すると、見落としを防ぐことができます。

こうした細かな配慮の積み重ねが、ファミリーデーの満足度を大きく左右します。

5. 社内への広報・巻き込み

段階的な広報で期待感を高める

社内への広報は、複数回に分けて行うことで、当日に向けた期待感と盛り上がりを醸成していきましょう。開催日に近づくにつれて少しずつ内容を明かしていく、事務局メンバーのコメントを掲載する、子ども向けコンテンツの一部をチラ見せするなど、社員の注目度と参加意欲を高める工夫をしましょう。

家族への案内は、社員を通じて届けることになります。招待状や案内文は、だれが読んでも内容が伝わるよう、わかりやすい言葉で作成することを心がけてください。

家族を持たない社員へのケア

ファミリーデーの準備を進める中でよく出てくる悩みが、「パートナーや子どもを持たない社員はどうすればいいのか?」というものです。

当日の運営スタッフとして関わってもらうことで、参加感・達成感を持ってもらうことができます。また、パートナーや子どもに限らず、友人や親御さんを招待できる形にするなど、参加しやすい選択肢を用意しておくことも一つの方法です。いずれにしても、「自分には関係のないイベント」と感じさせない配慮を意識しましょう。

6. 当日イベント運営

当日は、統括・受付・誘導・各ブース担当など、担当者を明確に分担して運営を進めます。どの役割にしても、参加者からの質問に迅速に対応できるよう、事前にイベントマニュアルを作成して、当日の動きや会場詳細、トラブル発生時の対応フローなどを整理・把握しておくことが大切です。

特に、運営リーダーはなるべく個別の役割を持たず、全体統括やトラブル対応に集中できる体制を整えることが重要です。各担当者が主体的に判断・対応できるよう権限を委ねつつ、問い合わせ窓口を適切に分散させましょう。担当者間の連絡体制も整備しておきましょう。無線機やチャットツールなどを活用して、常に情報共有できる環境を整えることで、想定外の事態にも迅速に対応できます。

また、子どもが急に体調を崩したり、迷子になったりするケースも想定されます。応急処置キットの準備や、迷子になった際の対応フローもあらかじめ決めておくと安心です。

7. 振り返り

参加者アンケートの実施

イベント終了後は、参加者(社員・家族)へのアンケート調査を実施しましょう。各コンテンツの満足度や具体的な感想、改善要望を収集することで、次回に向けた改善点を把握できます。

家族向けのアンケートは、ビジネス用語を避けたわかりやすい設問設計を心がけましょう。回答のしやすさが、回収率と回答の質に影響します。

運営チームでの振り返り会

アンケートの結果をもとに、運営チームで振り返り会を開催します。開催時間帯の適切性、受付での質問内容、各コンテンツの混雑状況や反応、安全対策の実効性など、運営面での具体的な課題と成功のポイントを共有しましょう。

振り返りで得られた気づきや改善点は、詳細に記録として残しておくことが大切です。担当者が変わっても次回の企画・運営に活かせるよう、ノウハウを組織の資産として蓄積していきましょう。継続開催を重ねることで、毎回の改善が積み重なり、参加者の満足度はさらに高まっていきます。

ファミリーデーを成功させる3つのポイントまとめ

最後に、ファミリーデーを成功させるうえで特に意識してほしい3つのポイントを整理します。

① 参加者全員が楽しめるコンテンツ設計

子ども、パートナー、親御さんなど、さまざまな立場の参加者が「自分も楽しめた」と感じられるよう、コンテンツの選定と時間設計に気を配りましょう。対象ごとにコンテンツを分けたり、「普段なかなか体験できないもの」を取り入れたりすることで、特別感のある一日をつくることができます。

② 安全・安心な運営環境の整備

子どもが参加するイベントでは、安全対策と親が安心できる環境づくりが不可欠です。子どもの目線でリスクを洗い出し、授乳室や緊急備品など、細かな配慮を積み重ねましょう。

③ 社員を巻き込んだ企画・運営

企画段階から社員を巻き込むことで、イベントへの当事者意識が高まり、参加意欲や盛り上がりにつながります。自分が関わったイベントだからこそ、家族を招きたいという気持ちが生まれます。若手社員にとっては、自社の仕事や文化を見つめ直す良い機会にもなります。

ファミリーデーのさらなる発展形

ここまで紹介してきたオフィス開催・家族招待型のファミリーデーをベースに、さまざまな発展形も考えられます。

■周年記念との掛け合わせ
創業〇周年などの節目の機会を活用して、より大規模なファミリーデーを開催するケースもあります。周年という特別な文脈が加わることで、イベントに深みと意義が生まれます。

■オープンデー化
家族だけでなく、友人や採用候補者、取引先など、対象を広げて開催するオープンデーへの発展も可能です。パートナーや子どもを持たない社員が友人を招待できる形にすることで、より多くの社員が参加しやすい場にもなります。

■社内文化祭との融合
社員自身が楽しむイベントをベースに、家族も参加できる場として設計することで、エンゲージメント向上と対外的な会社理解促進を同時に実現することができます。

まずはオフィスでのシンプルなファミリーデーからスタートし、継続開催の中で少しずつ進化させていくことが、長く愛されるイベントをつくる近道です。

まとめ

ファミリーデーは、社員とその家族、そして会社の間に新たなつながりを生み出す、特別なコミュニケーションの機会です。企画から振り返りまで丁寧にプロセスを踏むことで、「楽しかった」だけで終わらない、会社にとって意味のあるイベントを実現できます。

「どこから手をつければいいかわからない」「自社だけで準備するのは不安」という方は、ぜひ私たちにご相談ください。ファミリーデーをはじめとする社内イベントの企画・運営を、目的設定からプログラム設計・当日運営まで一貫してサポートします。

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この記事の著者

永勢 まどか

株式会社ゼロイン マネジャー
2009年新卒入社。バックオフィスデザイン事業の常駐業務、SV業務、コンサルティング業務、産休育休を経て、現在はコミュニケーションデザイン事業の推進グループマネジャーとして部の業務改善やバックオフィス系業務、営業企画、マーケティング、インサイドセールスなど、幅広く担当。

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