ビジョンに共感した新入社員から、いかにビジョン体現行動を生みだすか

採用シーンでは「ビジョン・ミッションへの共感」がより重視される

3月から来年度の新卒採用説明会がスタートしています。各地で開催されている合同説明会や各社単独での会社説明など、いずこも学生さんたちと私たち企業との熱いコミュニケーションが繰り広げられています。

新卒採用だけでなく中途採用も含めて、人事や採用担当の方から近年よく聞かれるようになったのが、「ビジョン・ミッションへの共感」を徹底的に重視して採用活動を行っているという話です。

基本的なスキル、ポテンシャルは当然押さえつつも、会社として実現したい社会、大切にしている価値観、組織風土への共感度合いに重きが置かれています。特にスタートアップ企業や急成長中の企業において、この傾向は強いように思います。

会社で何を“共通善”として先輩社員や同僚と共有し、何を成し遂げていくのか?判断や行動に迷ったときに何を基準に意思決定するのか?その際にどのような働き方を選択していくのか? 仕事内容だけではなく、企業の根っこにある価値観までを採用の段階から丁寧にすり合わせていくことが、社員と会社の強い絆を生みだし、成長の原動力になるのでしょう。

社員と会社、お互いの背骨を合わせるということは、双方のビジョン実現に向けて無駄なことをしない、させないという点で、定着率と生産性の向上が想定されます。何より、会社が描く世界観をワガゴトとして、実現に向けて社員一人ひとりが力強く自走してくれます。

ビジョンを実現する行動=ビジョン体現行動を、新入社員が理解できるか

ただ一方で、「ビジョン」「ミッション」「理念」「バリュー」「行動指針」として成文化されている言葉はビッグワード、すなわち抽象度が高く解釈が多岐にわたるものが多く存在しています。そのため、このビッグワードと新入社員たちの言動との接続に苦慮することも事実です。

新入社員が上司から「そのアクションは、ビジョンやバリューに基づいているか」と言われても、実体験がないためニュアンスでしか分かりません。「顧客の視点にちゃんと立てたのか」「顧客に伴走することはそんなことではない」と指導されても、具体的に何をどうすることがビジョンを体現する行動になるのか。

日常の言動レベルにまで落とし込んで理解できる新入社員はまずいないでしょう。まして、理解して行動にまでつなげられる人数は言わずもがな、です。振り返ってみれば、私たちも入社当時は、社内で脈々と受け継がれてきた「アタリマエ」の習得に苦労していたのではないでしょうか。

自社のビジョンを実現する行動=『ビジョン体現行動』は、可視化され浸透・定着するほどベクトルが揃った強い組織となります。そのためには、私たちが経験の中で理解した暗黙の了解や、上司の言動を隣で見聞きすることで身に着けてきた行動を、「ビジョンの実現には、ここまでやる必要がある」と規定したり、具体的な行動レベルまで言語化して伝えたりすることが必要なのでしょう。

そうして言語化した上で、ビジョン体現行動を実現できている社員の行動をロールモデルとして、表彰式やナレッジ共有会、映像などで表出していくことも、現場の行動総数を増やしていくためには有効です。「アタリマエ」を知らない社員が入社してくる春先は、組織の暗黙知を形式知・組織知、果ては“新人知”にして伝播させていく大きなチャンスだと考えたいですね。

この記事の著者

並河 研

株式会社ゼロイン 取締役副社長
1984年リクルート入社。広報室でインナーコミュニケーション施策や教育映像を手がけ、40年超の歴史を持つ社内報『かもめ』2代目編集長を務める。2009年ゼロインの取締役就任。以降、多数の企業で組織活性化をプロデュース。並行してアメフット社会人チーム『オービックシーガルズ』運営会社、OFC代表取締役としてチームをマネジメント。

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