従業員エンゲージメントは社内報で向上!目的と企画の考え方

社内報は、情報発信の頻度と鮮度が従業員エンゲージメントを強くする

昨今、中小企業を中心に多くの企業で人材確保・人材定着が課題となっています。その背景には労働人口の減少や働き方の多様化が挙げられます。歴史ある企業からスタートアップまで、数多の“働く場”の選択肢がある中で、“選ばれる企業”に変化・進化することが求められています。

多くの企業様の社内コミュニケーション活性化を支援してきたゼロインでは、この“選ばれる企業”になるためには、その企業が独自に掲げる理念やビジョン・ミッションを伝達・浸透していくことで、従業員と理念との強い結びつきを生みだすことが不可欠だと考えています。

『理念の浸透』とは、その言葉自体を表面的に記憶させることではありません。「自分たちの存在意義」や「社会への貢献価値」など、言葉の前後にある文脈まで含めて理解し、強く共感することです。しかし、よく聞かれるのは浸透がうまくいかずに「伝わっていない」と苦心する声です。なぜ、伝わらないのでしょうか。

理由のひとつに、従業員が受け取る情報量の増加が挙げられます。テクノロジーの進化スマホやパソコンを通じて膨大な情報を受け取り続ける現代では、会社からの情報はその他多数の情報に埋没してしまいます。

また、人間は本来忘れやすい生き物です。意識の中に定着させるには繰り返し繰り返し、しつこく発信し続ける必要があります。経営者や広報担当者は日常的に思考したり周囲と議論したりするので、つい現場の従業員も同じような理解・目線があると錯覚しがちです。しかし現場の従業員からしてみれば、理念の話を聞く機会、考える機会が実は年に一回の社員総会だけだった、ということが起こり得るのです。

こうした背景を踏まえて情報を届けていくには、情報発信の『頻度』と『鮮度』を意識した社内コミュニケーションのデザインが重要になります。社員総会や方針発表会などの非日常型のイベント施策とともに、その間を埋める発信機会を頻度高く設計し、従業員が定期的に情報に触れるようにしていきます。

また、理念を体現した全社のロールモデルとなるような行動が生まれたときには、鮮度高くタイムリーに発信することで、意識の定着とより深い理解を促すことにつながります。

社内報の企画のポイント!社内報で具体的な“行動”を伝える

社内報さらには社内コミュニケーションに取り組む目的は、従業員一人ひとりから理念を体現する行動を生みだし、会社のビジョンを実現することです。しかし理念の言葉自体は抽象的になりがちで、自分が起こすべき行動まで具体的に想起できる従業員は多くありません。

そこで必要になるのが、社内にあるロールモデルとなる行動・兆しの表出、そして共有です。現場で日々生まれている理念を体現する行動、ビジョンを体現する行動を、思考・スタンスを交えたストーリーをもって共有することで、同じような行動を社内に伝播させていくことができるのです。

重要なのは、“ヒト”ではなく“コト”へのフォーカスです。行動を共有したとしても、「あの人だからできた」という感想になってしまっては汎用性がありません。“コト”の伝達によって「この行動を真似してみよう」「このフレームで整理してみよう」という気づきにつながり、新たな行動が生まれていきます。

さらに、ここで生まれた行動を持続・加速させるのが、社内外からの称賛です。全社で大々的に表彰せずとも、部門・グループ表彰として社内ポスターを毎月、壁に貼りだすだけでも効果的です。人が集まる場所にそうした掲示物を貼りだせば自然と目につくため、そこから会話が生まれていきます。

少し手間がかかりますが、カスタマーやユーザーから感謝の声を集めて伝えることもおすすめです。開発部門や間接部門は顧客接点を日常的に持たないので、顧客目線や自分たちの仕事の社会的意義を忘れがちです。顧客からの「ありがとう」を伝えることで、自身の仕事が社会にどのように伝わって、どのような意味を持っているのか、再認識することができます。

コミュニケーションメッセージは、語り部が変わると受け手の印象も変わります。従業員と理念との多面的な接点をどれだけ生みだせるか。社内体制にもよりますが挑戦してみてはいかがでしょうか。

この記事の著者

並河 研

株式会社ゼロイン 取締役副社長
1984年リクルート入社。広報室でインナーコミュニケーション施策や教育映像を手がけ、40年超の歴史を持つ社内報『かもめ』2代目編集長を務める。2009年ゼロインの取締役就任。以降、多数の企業で組織活性化をプロデュース。並行してアメフット社会人チーム『オービックシーガルズ』運営会社、OFC代表取締役としてチームをマネジメント。

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