モヤモヤからワクワクやWILLを引き出す、社内×社外の力とは?

インターナルブランディングパートナーとして、人・組織の“ありたい姿”の策定と実現を支援する株式会社ゼロインが、従業員エンゲージメントの高い組織づくりに役立つノウハウをお届けします。

この記事では、コーポレートブランドの策定・浸透サポートやインターナルコミュニケーションのプロジェクトを多数手掛ける三宅が、インターナルブランディングの最前線をお伝えします。

インナーブランディング・コミュニケーション戦略のスコープや設計は、外部視点を取り入れる

ここのところ、集合型イベントや対面でのワークショップなど、リアル・コミュニケーションの機会が少し増えてきました。コロナ禍当初は緊急措置として、コミュニケーション施策にオンラインを取り入れた組織も多かったと思いますが、今後のあり方やコミュニケーション戦略をあらためて見直し、活動を再開し始めているようです。ただ、前例のない環境変化の中で、どの組織もそのあり方、やり方を模索しています。

  • あらためて何らかの取り組みが必要だが、何をどうやればよいか分からない
  • 来期の○○について起案したいが、方針や具体策を明確に決められない
  • とりあえず社内で進めてみたが、あまり上手くいかなかった

こうした悩みをゼロインに相談いただくことが増えています。

また、「○○をやりたい」と具体的な施策の相談であっても、詳細や目的を伺うと実は何も決まっていないことや、「どう相談すればいいか分からず、いったん自分たちで施策を考えたがしっくりきていない」といったケースが少なくありません。そして、多くの方が「こんなふわっとした状態で相談してしまって」「本来は社内でやるべきだと思うのですが」と申し訳なさそうにお話しされます。

たしかに従来は、全体像やスコープはあくまで社内で決め、そのうえで専門性が必要な部分を外部委託する方式が多かったかもしれません。ただ、VUCA時代においては、この初期のスコープこそ外部視点を取り入れて設計する意味があると感じています。

社内では見落としがちな本音や“当たり前”を見いだし、プロジェクトの意志を後押し

変化し続ける不確実な時代に、「これをやれば必ずうまくいく」という万能な正解はありません。取り組みながら修正し続けることで正解に近づけていくしかありませんし、そもそも、「正解」の判断基準も多様でバラバラです。だからこそ、現状がどうなのかを見定める枠組み、目的や課題、ゴールといったプロジェクトのスコープ設計が非常に大事になります。

しかし、このスコープ設計を社内だけで対応するのは意外と難しいものです。社内の視点だけでは、意図しないバイアスがかかりやすく、重要な要素や観点を見落としがちだからです。

たとえば、目的やゴール設定に際しては、経営・現場従業員へのインタビューやサーベイを用いて、経営の考えや思い、従業員のインサイトや実態の正しい把握が重要ですが、こうした把握も社外を活用することで、社内の仲間には言いにくいような本音を引き出せたりします。また、前後の文脈や“当たり前”がないので、社内にあふれる特長や凄さを客観的に見いだすこともできます。

ほかにも、現状施策やサーベイ結果の分析も含めて、他社事例を参照しながら俯瞰して課題やゴールを整理できます。もちろん、専門的な知見やさまざまな企業での成功・失敗事例を共有しながら設計していきますから、社内起案や決議における説得力を高められるメリットもあります。

すでにお伝えした通り、専門知見=正解ではありません。しかし、プロジェクトメンバーが自分たちの設計したスコープに自信を持ち、ゴールに向けて「やりたい」「実現したい」と思えることで、継続・改善の推進力は高まり、正解により近づけるようになります。

コンサルティング×コーチングの問いかけで、未来を実現するWILLを引きだす

ブランド浸透やブランド体現の推進、カルチャーのアップデートなどが目的のプロジェクトは、一貫・継続した取り組みが不可欠です。しかし、環境が変化し続ける中では、当初の思惑通りに進められる方が稀で、取り組みながら軌道修正や改善をし続ける必要があります。そこで問われるのは、事務局をはじめとするプロジェクトに関わる推進者の意志です。

「起案したが、経営にいろいろ言われて」といった話もよく聞きます。多くの場合、経営は案を否定したいわけではなく、「厳しい意見を乗り越えてでもやる意志があるのか」「主体者として本気で取り組めるのか」という、経営の期待が込められています。

実際、こうした活動や一つひとつの施策が上手くいくかどうかは、それらを生み出すプロセスにかかっています。事務局やプロジェクトメンバーが熱を持っているかどうかで、施策・コンテンツの質や、参加する従業員への伝わり方はまったく変わりますし、その熱自体が従業員に伝播していきます。

最初はやらされ感や不安が多かった事務局やプロジェクトメンバーも、実行プロセスに関わることで変化し、徐々に本気になっていきます。世の中の企業が掲げるブランドやカルチャーの多くで「主体性」や「挑戦」がうたわれていますが、そうした「主体性」「挑戦」を体現する最初の一歩が、事務局が行うスコープやコミュニケーション戦略の設計・策定なのです。

ここに私たちゼロインのような、外部企業が参画する大きな意味があります。

私たちは、コンサルタントとして専門知見を提供してスコープ設計・戦略策定をお手伝いし、その実現もサポートしていきます。一方で、正解に近づく「解」はお客様の社内にしかなく、その「解」をモヤモヤの中から見いだすのも、実現する(実現できる)のも、お客様であると信じています。

その点で、ゼロインではコーチング的なアプローチを大事にしています。

ゼロインがお客様に提案するとき、提案の中に過去に経験のないチャレンジが含まれる場合、「これは自分たちにはできない」と難色を示されることがよくあります。私たちは、客観的にみて実現可能だと判断したからこそ提案しているのですが、お客様自身はそれまでのやり方・考え方が当たり前になりすぎてしまい、「できない」のは思い込みであるとなかなか気づけないものです。

そこで、私たちは答えではなく、「どうすればできるのか?」と「問い」を投げかけていきます。なぜなら、実際にチャレンジに踏みだして、まったくできなかったことは一度もないからです。

コンサルティングとコーチングを掛け合わせた社外視点からの投げかけと、主体的なお客様との「共創的な対話」の中でこそ、プロジェクトに関わるメンバー一人ひとりがワクワクする未来を描くことができ、「何としても実現したい」「絶対にやり切るんだ」というWILLが育まれていきます。

モヤモヤした状態のときこそ、自分たちの中にあるタネを発芽させるために、外部視点を活用してみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

三宅 柚理香

株式会社ゼロイン シニアコンサルタント
1997年からリクルートグループにおいて人材領域を中心に採用広報の企画・制作に携わる。2010年、株式会社ゼロインに入社。インターナルコミュニケーションのコンサルティング、コーポレートブランドの策定・浸透サポートなど多数プロジェクトに従事。現在はシニアコンサルタント 兼 コミュニケーションデザイン総研責任者。

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