オンライン入社式とは?メリットや注意点、必要な準備を解説

オンライン入社式とは?メリットや注意点、必要な準備を解説

働き方の多様化やテクノロジーの進化、感染症対策を背景に、さまざまな社内イベントのオンライン化が進んでいます。入社式以外にも、社員総会・キックオフミーティングや表彰式、周年イベント、ファミリーデーなどがオンラインで実施されています。

では、入社式をオンラインで実施する際は、どのように行えばいいのでしょうか。オンライン入社式のメリットや注意点、必要な準備や事例などを、社内イベントや組織づくりをインナーブランディングの観点をもとに多数プロデュースしている株式会社ゼロインが解説します。

オンライン入社式とは?

オンライン入社式とは、インターネット回線とオンライン会議ツール、動画配信サービスなどのライブ機能を利用して、オンライン上で開催する入社式です。参加対象は、新しく入社してくる新入社員と、新入社員を迎え入れる経営陣や既存社員です。

新入社員が学生から社会人への気持ちを切り替える重要な場であると同時に、新入社員のお披露目や顔合わせ場でもあります。この場では、経営から企業理念や新入社員への期待が伝えられ、新入社員が社会人生活への抱負やビジョンを発表する、エンゲージメント向上施策です。

オンライン入社式が注目されている理由

従来は社内の大会議室やイベントホール・ホテル宴会場に一堂に集まり行われていた入社式ですが、感染症の影響もあり、オンラインで行う企業が増えました。テレワークの普及やネットワーク・システムの充実によりオンラインでの社内イベント実施が一般的となり、「入社式もオンラインで」という考えは一気に普及しました。

オンラインによって、地方や海外など複数に拠点がある企業でも参加が可能になりました。また、移動にかかる費用・時間や大きな会場の準備が用意ないため、全体的なコストを下げられることも人気の理由の一つです。なにより、感染症リスクを回避しながら、双方向のコミュニケーションが取れることで注目されています。

オンラインで入社式を実施するメリット

オンライン入社式によって、どのようなメリットが得られるのでしょうか。3つのメリットをご紹介します。

密集・感染症リスクを避けて、安全に開催できる

オンラインでの開催では、人の集合・密集や移動が生まれないため、感染症対策になります。インターネット環境とパソコン・タブレットなどのデバイスを準備して式に参加することで、たとえ100人、1,000人、それ以上の参加であっても、リスクを避けることができます。

新入社員の不安を払拭できる

学生を卒業して社会に出ていくタイミングは、環境の大きな変化や未知の世界への挑戦に対して、孤独や不安を感じやすいものです。人によっては家族から離れ、ただ一人、新天地でのスタートという人もいるかもしれません。そうした時期に、「仲間がいる」「組織に所属している」「歓迎されている」という帰属意識が持てることは、さまざまな不安を払拭する一因となります。

本来であれば、実際に多くの人と顔を合わせられるオフラインの入社式が良いかもしれません。しかし、オンラインであっても、企画やコンテンツ次第でコミュニケーションを取ることは可能です。一緒に働く同期、同僚、先輩など、新しいコミュニティに入ったことを実感することで、社会人としての心構えができるはずです。

幅広い既存社員が参加できる

オフラインで開催する場合、参加できるのは新入社員と、経営や人事、一部の管理者層が一般的でした。当然、既存社員は日常業務があり、会場に移動して入社式の様子を見守ることはスケジュール上、難しい部分がありました。しかし、オンライン入社式では移動や待機の必要がないので、既存社員の参加ハードルは大きく下がります。また、東京以外に地方・海外に拠点がある会社では、拠点勤務の社員が参加することは難しかったのですが、オンラインでは場所に関係なく参加できるようになります。

このことで、多くの社員が入社式に参加できるようになり、新入社員を歓迎する雰囲気が醸成しやすくなりました。入社式への参加は、新入社員だけでなく、既存社員にとっても昔を思いだし、ビジョンや帰属意識をあらためて考える良い機会になります。積極的に既存社員を巻き込むことがおすすめです。

オンライン入社式実施時の注意点

オンライン入社式を実施する際の、オンラインならではの注意点をお伝えします。

参加する社員の反応が分かりづらい

会場で行われる入社式であれば、その場の雰囲気などで社員の反応を肌で感じることができます。しかし、オンライン入社式では雰囲気を感じ取ることができません。映っている表情などから確認するしかありませんが、全員の顔を同時に見ることは難しく、どうしても一方通行になりがちです。スピーチの場面でも、反応が分からない中で進行するのは不安なものです。オンラインイベントに慣れるまでは進行しづらく、苦戦するかもしれません。

社員同士の交流が難しい

物理的に離れた場所からオンラインでつながるため、実際に顔を合わせて雑談するような気軽な交流は難しくなります。会場であれば、席が近い人と偶発的にコミュニケーションが生まれることもありますが、オンラインでは個人に対して話しかけることができないので、あらかじめ準備されたコミュニケーション機会しか発生しません。

そのため主催側で、参加者同士が交流する場を意識的に設ける必要があります。新入社員同士のワークショップや入社式終了後のオンライン懇親会を開催するなどして、積極的に交流を促すようにしましょう。

社会人としての自覚を持たせる工夫をする

学生から社会人の第一歩となる入社式ですが、入社式当日から社会人の自覚を持つのは難しいかもしれません。

社会人としての自覚を芽生えさせるために、新入社員が決意表明を行うコンテンツや、先輩社員と会社や仕事について意見交換するコンテンツを設けるのもおすすめです。メッセージを受け取って、自分の中で考え、周囲と共有する、周囲にアウトプットすることで、思考の切り替えを促していくことができます。

社員のモチベーションを上げる

入社式は、新入社員だけのものではありません。新しい人材が企業に入社することで、既存社員のモチベーションを上げることもできます。新入社員の決意表明を聞き、自分が新入社員だった頃の気持ちを思い出し、気持ちを高めることもできるでしょう。

また、既存社員のプロフィール、仕事などを紹介することで、ルーチン化しつつある業務への取り組み方を考え直すきっかけにもなります。既存社員のモチベーションを上げることで、チームビルディングを強化させたり、生産性の向上も期待できます。

オンライン入社式の実施に必要な準備

オンライン入社式は、通常の入社式と必要なものが異なります。必要なものを整理して臨みましょう。

会社のネットワーク環境の整備

オンライン入社式には安定したネットワーク環境が必須です。入社式の規模にもよりますが、大人数が集まるオンラインイベントでは問題なく進行できるだけの環境を整備する必要があります。リハーサルやテストなどを行い、必要に応じて専門企業のアドバイスを仰ぎながら、入社式に参加する予定数でも問題なく進行できるか、スムーズに進めることができるかを確認しておきましょう。

新入社員のネットワーク環境の整備

会社側だけでなく、参加する側のネットワーク環境も重要です。特に新入社員の場合、脆弱なネットであったり、高画質に耐えられない回線を使用している場合があります。これまでに入社式で使用する会議ツールを使用してことがあるかの確認や、事前に確認会を実施するなどして環境を確認しておきましょう。当日になってネット環境がなく参加できない、通信が不安定で参加できない、とならないような準備が大切です。

新入社員へのデバイス配布

テレワークが一般的になり、セットアップ済みのパソコンや、ポケットWi-Fiを入社前に支給する企業も多くあります。会社イベントでの参加は、会社貸与のデバイスで参加してもらうことが一般的ですので、配布する場合にはオンライン入社式に間に合うように準備を進めていきましょう。

その際、オンライン入社式で使用するシステムやアカウントも同時にセットアップしておけば、ITに詳しくない新入社員もトラブルを起こさずに参加できるようになります。ただし、入社式直前の到着では、操作に不慣れで当日使用できない可能性もあります。1か月前を目安に、余裕を持って配布して問題なく使用できるかの確認が必要です。

オンライン入社式のプログラム事例

オンラインでの入社式で行われるプログラムの事例を3つ、紹介します。

オンライン入社式の事例プログラム1

  1. 開会の辞
  2. 祝辞
  3. 社長あいさつ
  4. 先輩社員から歓迎の言葉
  5. 入社辞令書の交付
  6. 役員およびスタッフ紹介
  7. 謝辞
  8. 閉会の辞

先輩社員から歓迎の言葉をプログラムに入れることによる、アットホームで一体感のあるオンライン入社式です。既存社員と新入社員の距離感を近づけるような内容を含み、新入社員を歓迎することで、「この組織でがんばっていこう」と前向きな気持ちを芽生えさせることができるでしょう。

オンライン入社式の事例プログラム2

  1. 開会の辞
  2. ビジョン映像
  3. 社長・役員のあいさつ
  4. 入社辞令書の交付
  5. 内定者のあいさつ、決意表明
  6. 閉式の辞

シンプルなプログラムですが、ビジョン映像を活用することで、会社が実現を目指す世界観を強く印象づけることができます。その後の社長・役員のあいさつで、このビジョンと絡めた内容を伝えることで、より内容の理解度が高まります。内定者が少ない場合には、全員が自己紹介を含め決意表明をすると、既存社員の新入社員に対する理解を深めることができ、距離感を縮めやすくなります。

オンライン入社式の事例プログラム3

  1. 開式の辞
  2. 新入社員紹介
  3. 歓迎の言葉
  4. 社長式辞
  5. 新入社員あいさつ
  6. ワークショップ
  7. ワークショップ共有
  8. 閉式の辞

ワークショップを活用したプログラム例です。入社動機のシェアや、「この会社で実現したいこと」「実現したいキャリアビジョン」など、新入社員でも考えやすいテーマや新社会人ならではのテーマを用いて会話を生みだしましょう。

初対面かつオンラインの場合、自由なテーマで交流する難易度は高い場合もあります。会社と絡めたテーマを用いることで、話がスムーズに活発になります。また、ワークショップ終了後には、グループ内でどのような会話があったのか、他己紹介のような内容も含めながら全体に共有すると、さらに人への理解も深まります。

オンライン入社式で何をする?アイデア例3選

オンラインだからこそできる施策もあります。ちょっとしたアイデアで、オンライン入社式を有意義なものにしましょう。

新生活の不安を解消する座談会

学生生活から、社会人へと大きな変貌をとげる時期には、新生活のあらゆることに不安を感じる人も多いでしょう。まだ頼りになる先輩や、深い話ができる同期がいない入社式のタイミングは、仕事のこと以外を相談するのはためらわれるかもしれません。

そんな時期だからこそ、プライベートな話ができる機会をもうけて、少しでも新入社員の不安を解消できるようにしましょう。勤務年数が近い先輩社員が参加する座談会企画などでは、先輩社員がかつて感じたような不安を思いだしながら、良いアドバイスができるかもしれません。

新入社員同士で交流できる時間を作る

縁があって、同じ会社に勤めることになった新入社員同士で交流できる時間を作ってみましょう。近年では就職活動や内定式もオンラインとなり、同期と仲良くなる機会が少なく、不安を抱えたまま入社式に臨む人も多いはずです。オンライン入社式で懇親会やレクリエーションの時間を設け、同期とのコミュニケーションを活性化させましょう。新入社員同士の場合であれば、悩みが似ている可能性もあり、共有することで打ち解けられることもあります。

オリエンテーション

先輩社員との交流や、新人研修の詳細、業務内容についてのオリエンテーションを企画してみましょう。配属後には、他部署のことを知る機会が減ってしまうので、あえて部署や職種ごとの仕事理解を深めるのも良いかもしれません。漠然と「どうなるのだろう?」と不安に感じている人もいます。就職活動時期の内容からさらに具体的な詳細を伝えることができれば、心構えも生まれるようになります。

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ゼロインは、インナーブランディングや社内イベントのプロジェクトを年間200件以上プロデュースする、社内コミュニケーションの戦略的パートナーです。豊富な実績・経験をもとに、多様なステークホルダーが対象の社内イベントを、プロジェクトの全体設計から予算計画、各施策の企画・実行までワンストップでサポートしています。

  • オンライン入社式にはじめて取り組もうと考えている
  • すでに実施しているが、さらなる改善・アップデートを検討している
  • エンゲージメント向上のための取り組みを抜本的に見直したい
  • 新入社員育成の観点で、入社式を点ではなく中長期目線で戦略的で設計したい

などの課題をお持ちであれば、まずは無料相談にお申し込みください。

まとめ

オンライン入社式の基本的な情報について解説しました。オンライン社内イベントは、手軽にできる一方で、オフラインイベントで感じられたいたような一体感を感じにくいものです。オンラインのメリットを上手に生かしながら、企画・コンテンツの工夫でどのように参加感や一体感を生みだせるのか、見直しと改善を繰り返して入社式を行うことが必要です。

オンライン入社式やインナーブランディングにお悩みの場合は、無料相談を受けつけていますので、ぜひご相談ください。

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この記事の著者

中島 浩太

株式会社ゼロイン
2008年、株式会社ゼロインに新卒入社。インナーブランディング・社内コミュニケーション施策をプロデュースするコミュニケーションデザイン事業、ゼロインの管理部門、新卒採用担当、新規事業を経て、現在はコーポレートブランディング室において広報(社内広報・社外広報/PR)とマーケティングを担当。
インターナルブランディングの魅力的な取り組みを紹介するウェブメディアCAPPYの編集長として、さまざまな企業における企業文化づくりや組織活性化の取り組みを取材。

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