グループビジョン実現に向けた基盤づくり!センコーグループの社内文化祭『CULTURE FESTIVAL』

事例_グループビジョン実現に向けた基盤づくり!センコーグループの社内文化祭『CULTURE FESTIVAL』

物流事業を中核事業に、商事事業、ライフサポート事業、ビジネスサポート事業の4事業を展開するセンコーグループホールディングス株式会社様(以下、センコーグループ)は、グループ全社員とその家族が参加対象の社内文化祭『CULTURE FESTIVAL 2023』を開催しました。

センコーグループ様は「未来潮流を創る企業グループ」をグループビジョンに掲げています。このビジョンの実現には「社員が心身ともに健康で活力に満ちた状態」であることが不可欠だと考えており、社員・組織の活性化を担当するセクション『文化・スポーツ推進担当』を2021年に新設しています。

今回開催した『CULTURE FESTIVAL 2023』は、文化・スポーツ推進担当による活動の一環です。文化祭という社内イベントを通じて、「文化を楽しむきっかけ」と「人と人とのつながり」をつくることが目的に置かれました。イベントは社員主体で実施することが大事にされ、イベント企画や事前の社内広報、イベント当日運営は、入社1~6年目の社員による実行委員会が中心となって活動しました。

ゼロインはこの『CULTURE FESTIVAL 2023』において、全体のコンセプト設計と6か月にわたるプロジェクトサポート、そしてイベント当日の運営サポートでお手伝いしました。本プロジェクトにおけるサポートの特徴は、あくまで実行委員会が主体となって「ときに失敗しながら、気づき、学ぶ」という、プロジェクトを通じた体験づくりの提供にあります。ゼロインは、実行委員会が大きな失敗をしないように、裏方に徹しながらプロジェクトを支えました。

センコーグループ様における新たな取り組みとなった『CULTURE FESTIVAL 2023』とゼロインのサポートについて、文化・スポーツ推進担当の坂田賢二さんにお聞きしました。

お客様情報

社名
センコーグループホールディングス株式会社
業種
物流/商事/ライフサポート/ビジネスサポート
対象
社員、家族
参加人数
現地参加325人/企画参加約2,500人

目的

  • グループビジョンの実現に向けた組織の基盤づくり
  • センコーグループ社員がつながる機会の創出
  • 社員の趣味・特技を通じた、文化を楽しむきっかけの提供
  • 実行委員会の活動による学びや気づきの獲得

ゼロインのサポート内容

  • イベントコンセプト設計
  • プロジェクト管理・進行
  • ロゴ・キービジュアル制作
  • チラシ・パンフレット制作
  • 社内広報サイト制作
  • 各種コンテンツ手配
  • イベント当日運営

『CULTURE FESTIVAL2023』プロジェクト概要

『CULTURE FESTIVAL2023』は、センコーグループが保有する滋賀県の研修・ホテル施設「クレフィール湖東」を会場に、リアルイベント形式で実施された文化祭イベントです。一部コンテンツはオンラインでライブ配信され、会場で参加できない社員の遠隔参加も可能にしました。

当日は多様な文化に触れられる社員参加型のコンテンツがさまざま準備され、社員やその家族、そして実行委員会メンバーを含む計325人が集結しています。現地で参加できない社員も対象にした「大抽選会」には約2,500人がエントリーし、各職場の笑顔写真を募る企画「あなたの職場の様子を教えてください!」には約1,000枚にものぼる笑顔の写真が寄せられました。

『CULTURE FESTIVAL2023』の実現に向けては、入社1年目から6年目までの社員44名を実行委員会としたプロジェクトが立ち上げられました。実行委員会は、コンセプト設計からプログラム企画、イベント広報・準備、そしてイベント本番と、実に約6か月にわたる活動でイベントをつくりあげました。

センコーグループ社内イベント『CultureFestival』のプロジェクトスケジュール『CULTURE FESTIVAL2023』プロジェクトスケジュールの全体像

『CULTURE FESTIVAL2023』の企画・施策(一部紹介)

イベント当日プログラム

当日は10時から16時まで、昼休憩を挟みながらプログラムが進行されました。中心となるのは、センコーグループ各社から募った有志社員による文化の出し物です。社員を通じて新しい文化を知る、一緒に働く仲間の意外な一面を知る、グループ会社のことを知るなど、イベントを通じて多くのきっかけが生まれていました。

センコーグループ社内イベント『CultureFestival』の当日イベントスケジュール『CULTURE FESTIVAL2023』イベント当日のタイムテーブル

社内への広報施策・制作物

『CULTURE FESTIVAL2023』は初めての試みであり、多様なツールを用いて社内への広報活動を行いました。イベントのために制作したポップなロゴがキービジュアルとなり、広報サイトやチラシ、モザイクアート、当日パンフレットなど、すべての広報ツールに転用されました。

『CULTURE FESTIVAL2023』のキービジュアル『CULTURE FESTIVAL2023』のキービジュアル
『CULTURE FESTIVAL2023』で制作された広報施策(サイト・チラシ・モザイクアート)
『CULTURE FESTIVAL2023』で制作された広報施策(パンフレット)

イベント当日の模様

当日は社員によるパフォーマンスにくわえて、全員参加型の抽選会や地酒の飲み比べ、レザークラフトやボードゲームカフェなど、年齢を問わずに楽しめる場となりました。

ライブパフォーマンス(和太鼓)ライブパフォーマンス(和太鼓)
ライブパフォーマンス(鉄道ものまね)ライブパフォーマンス(鉄道ものまね)
ライブパフォーマンス(ギター弾き語り)ライブパフォーマンス(ギター弾き語り)
ライブパフォーマンス(ダンス)ライブパフォーマンス(ダンス)

『CULTURE FESTIVAL2023』プロジェクトインタビュー

ゼロイン:『CULTURE FESTIVAL2023』は、センコーグループ様において新たな取り組みとなりました。本施策は、坂田さんが所属する文化・スポーツ推進担当が旗振り役となって実施されましたが、どのような経緯から企画が立ち上がったのでしょうか。

センコーグループは170社を超えるグループ会社で構成されています。積極的なM&A戦略によって短期間で拡大しており、それぞれのグループ会社がそれぞれのカルチャーを持って事業を展開しています。

多様であることは良いことなのですが、これまではグループ会社同士の横のつながりをつくる機会は少なく、グループビジョンとして掲げている「未来潮流を創るグループ」を実現できる組織コンディションとは言えないのが実情でした。

そこで文化・スポーツ推進担当が目指したのが、グループビジョン「未来潮流を創るグループ」の実現に向けた基盤づくりです。既存の枠組みにとらわれない未来潮流を創るのは社員一人ひとりですので、そうしたパフォーマンスを生みだせるような「心身ともに健康で活力に満ちた社員」を増やすことをミッションに置き、さまざまな取り組みを行っています。今回の『CULTURE FESTIVAL2023』は、この取り組みのうちの一つです。

文化・スポーツ推進担当の坂田賢二さん文化・スポーツ推進担当の坂田賢二さん

ゼロイン:社員の「心身ともに健康で活力に満ちた状態」を目指すときに、さまざまな手法が検討できると思います。センコーグループ様では、どのような方針を定められたのでしょうか。

私たちは「文化」と「スポーツ」という二つの軸を定め、文化やスポーツを心から楽しむ社員を増やすことで、組織コンディションの良い状態をつくる方針を掲げました。そして、センコーグループが策定した5か年の中期経営計画に合わせて「文化・スポーツ推進プラン」を策定しています。

この「文化・スポーツ推進プラン」の中では、「文化・スポーツの力で笑顔あふれる未来を創る」という基本理念と4つの目標を定めており、この目標を達成することで、社員が文化・スポーツを楽しむ環境づくりが実現できると考えています。

文化やスポーツには人を笑顔にする力があると確信していますが、急激に大きな変化を生みだせるものではありません。文化やスポーツに触れ続けることでその力を感じられるようになると思うので、まずは社員が触れるきっかけを提供することが必要です。

そこで5年をかけて、あの手この手を使いながら、きっかけを提供していきたいと考えています。

ゼロイン:そうした「社員が文化に触れるきっかけ」の一つが、『CULTURE FESTIVAL2023』ですね。実現に向けて、さまざまなパートナー候補があったと思いますが、どのような理由からゼロインを選んでいただけましたか。

もっとも大きなポイントは、ゼロインさんの提案範囲がイベント当日限りのサポートにとどまらず、半年間のプロジェクトサポートを通じた「社員の経験をプロデュースする」ことに主眼が置かれていたことです。

イベントを生業とする会社さんからの提案は、イベント当日の具体的な企画案やビジュアルイメージがあり、素晴らしいイベントになることを予感させるワクワクするものでした。

一方でゼロインさんは、イベント当日の提案も素晴らしかったのですが、コンセプト設計から実行委員会による企画・準備、事前の広報・盛りあげと、一連のプロジェクトサポートまで提案に盛りこまれており、ほかの会社さんにはない内容でした。

また、社員のどのような「経験」を生みだすかの観点でも、「想定した通りにいかない。そうした失敗も含めて経験」という提案がユニークでした。

センコーグループのカルチャーに目を向けてみると、社内には失敗が許されにくい側面がありました。それは、もともと運送・物流事業が源流で、「A地点からB地点まで、決められた時間に壊すことなく運ぶ」という確実性を求められてきたからだと思います。

そうしたときに「失敗ができることも、社員のみなさんには大事な経験です」とゼロインさんから提案を受けて、非常に刺さりました。現場では失敗が許されない場面も変わらず存在していますが、会社が失敗しても良い場を提供して社員の経験にするという発想は社内にはなく、役員含めて迷うことなくゼロインさんに依頼をしようという判断になりました。

プロジェクトの体制と役割

ゼロイン:プロジェクトの関わり方でも、実行委員会に参加されている社員のみなさんが主体となってつくりあげることが大事で、ゼロインはサポートに徹することを基本思想としていました。プロジェクトの立ち上げから当日まで、半年間をかけてサポートさせていただきましたが、実際に取り組んでみていかがでしたか。

いざプロジェクトが動きだしてみると、社内ではついつい「イベントを楽しいものにしよう。絶対に失敗できない」という発想になりがちでした。そうするとゼロインさんが「少しくらい失敗しても良いじゃないですか」と視点を戻してくれるので、あらためて可能性を広げながら自由な発想で進めることができました

印象に残っているゼロインさんからの言葉が、「多少の失敗はするかもしれません。でも、取り返しのつかない大きな失敗は起きないようにゼロインがついています」という言葉です。これを力強く言い切っていただけたので、安心して実行委員会に任せることができたと思います。

また、私自身もこのプロジェクトを通じて成長させてもらいました。実行委員会として参加していた若い社員から受けた刺激もありますし、ゼロインさんとの定例会で常に頭を揺さぶられていた影響もあります。定例会でゼロインさんから「坂田さん、それで良いんですか?」と問いかけられるたびに、考えさせられ、気づかされていました。

実行委員会の活動の様子実行委員会の活動の様子

ゼロイン:ゼロインのプロジェクトサポートは6か月におよびましたが、印象的だったことはありますか。

ゼロインさんは本当に「No」と言わないですよね。私たちは実現可否を考えずにいろいろなアイデアを相談していましたが、「断られた」という印象はなく、実現が難しい場合は必ず代案を提案いただいていました。

これはゼロインさんのカルチャーから来ているのだろうと感じていました。実現が難しい相談内容でも、まずは私たちの意図を汲みとろうとしてくれ、抽象度を上げて目的に立ち返ったうえで「その目的であれば、このやり方はどうですか?」と提案してくれます。常に目的軸で会話ができていました。

何でも「対応しよう」「実現しよう」と向き合ってくれるので、どのようなことが起きても最後は何とかしてくれるだろうという絶大な信頼を持っています。

文化・スポーツ推進担当の坂田賢二さん

ゼロイン:『CULTURE FESTIVAL2023』を終えられて、社内からはどのような反響が届きましたか。

まずは「良かった」という声が多く寄せられました。また、細かい改善アドバイスも同時に集まりました。いずれの声も、社内で注目されている関心の高さからだと受け止めています。「続けていこう」という次回開催を前提にした声が多く、新しいチャレンジを受け止めてくれるセンコーグループの土壌を感じることもできました。

実行委員会のメンバーにもアンケートを取りましたが、「普段の仕事にはない経験ができた」「自分の新たな強みや課題に気づくことができた」といった声が寄せられています。ゼロインさんにパートナーとして入っていただいたことで、狙いの一つでもあった「経験の機会づくり」が機能しました。

ほかにも「来年は実行委員会に入りたい」とみずから声をあげてくれた社員もいて、こうした行動が起きたことを非常に嬉しく思っています。

イベントをやり遂げた実行委員会のみなさんイベントをやり遂げた実行委員会のみなさん

ゼロイン:最後に、文化・スポーツ推進担当が目指す、今後の取り組みについて教えてください。

今回のプロジェクトでは、「FIRE UP」をキャッチフレーズに活動していました。私も新しい文化に触れ、プロジェクトを通じて多くの気づきを得て「FIRE UP」された一人ですし、センコーグループ内でもさまざまなところに火種が生まれた手ごたえを感じています。

今はまだ小さな火種かもしれません。しかし、文化・スポーツ推進担当が松明になり、火を絶やさないように取り組むことで、グループ内の「つながり」や「心身ともに健康で活力に満ちた社員」を増やしていける確信があります。

ゼロインさんはパートナー企業ではありますが、志をともにする同じ部署の一員だと思っています。今後も遠慮なく言い合いながら、目的に向けて伴走してもらえることを期待しています。

クレフィール湖東に集結した参加者のみなさんクレフィール湖東に集結した参加者のみなさん

この記事の著者

中島 浩太

株式会社ゼロイン
2008年、株式会社ゼロインに新卒入社。インナーブランディング・社内コミュニケーション施策をプロデュースするコミュニケーションデザイン事業、ゼロインの管理部門、新卒採用担当、新規事業を経て、現在はコーポレートブランディング室において広報(社内広報・社外広報/PR)とマーケティングを担当。
インターナルブランディングの魅力的な取り組みを紹介するウェブメディアCAPPYの編集長として、さまざまな企業における企業文化づくりや組織活性化の取り組みを取材。

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