2022年4月1日に株式会社イーリバースドットコムは株式会社リバスタに社名変更しました。この社名変更に先立つ2021年11月、従業員を対象にした社内イベント『新社名発表会』を開催し、社名変更の経緯や新社名に込めた想い、そして今後の展望を全社に直接共有する機会を設けました。
ゼロインはこの『新社名発表会』において、コンセプト設計からイベント企画、当日運営まで総合プロデュースし、新社名のもと新たな挑戦へと踏みだす一歩目をお手伝いしました。
リバスタ様は、何を目指して社名変更を行い、どのような意図で『新社名発表会』を実施したのでしょうか。この『新社名発表会』を担当された管理本部 人事総務部マネージャーの五十嵐理誠さんにお聞きしました。
お客様情報
ゼロインのサポート内容
ゼロイン:今回、新社名を従業員のみなさんにお披露目する大切な社内イベントをお手伝いさせていただきました。社名は企業を象徴する非常に重要な要素ですが、どのような経緯で社名変更を実施されたのでしょうか。
株式会社リバスタへの社名変更は2022年4月1日ですが、社名変更の検討自体は2018年頃から構想がありました。2007年の創業以来、産業廃棄物マニフェストの電子化サービス『e-reverse.com(イーリバースドットコム)』を建設業界向けに展開してきました。建設業界トップ100社のうち約90社に導入いただく業界No.1サービスです。
その後、2017年に建設現場施工管理サービス『Buildee(ビルディー)』、2020年に建設現場ICT機器ソリューション『BANKEN』をリリースしました。建設現場の静脈物流から施工管理へ進出し、建設現場のICTプラットフォーマーを目指しています。
創業当時から社名とサービス名を『e-reverse.com』に統一してきたことで、「電子マニフェストサービス」を提供する会社としてのポジションを明快にしてきましたが、新たな領域でのサービス提供を開始した時点で、徐々に現在の社名がその役割を終える時が近づいてきました。
そうした背景から、2021年4月、本格的に社名変更のプロジェクトが始動することになりました。
プロジェクトでは社名だけではなく、CI(コーポレート・アイデンティティ)を構成するミッション、ビジョン、バリュー、コーポレートロゴやタグライン、社名に込めた想いのストーリーまで一気に策定しています。先に新社名を決め、その新社名をCIの根幹として、全体を創りあげていきました。
ゼロイン:新社名とCIのもと、『新社名発表会』の開催が決まりゼロインにお声がけいただいたわけですが、なぜ従業員を集めたイベント形式を選ばれたのでしょうか。
社名を変えた理由、新社名の由来、新社名のもとで何を目指していくかの3つの要素を端的にまとめたコンセプトムービーを制作し、従業員や社外の方々に会社の意図を伝えるツールは準備していました。
しかし、社名変更は単に言葉が変わるだけではなく、新社名や新CIによって、お客様が弊社に持たれているイメージを大きく変えていただく必要があります。この「イメージを変える」ことは、コンセプトムービーやノベルティなどのツール展開だけでは実現できません。
もっとも重要なことは、従業員一人ひとりが日々接するステークホルダーのみなさまへ、“点”ではなく、“面”となって「リバスタとは」を直接伝えていくことです。そのためには、従業員一人ひとりが新社名やCIについて正しく理解する必要がありました。
しかし、新社名やCIの決定が6~9月、ステークホルダーのみなさまへの社名変更のご案内が12~翌年1月というスケジュールでしたので、その間約2か月しかありませんでした。一人ひとりに丁寧に説明する時間は確保できないため、CIの詳細は難しくとも、まずは社名変更の理由、新社名の名称、タグラインを、「これまでにない大きなインパクトのもとで、絶対忘れられないモノとして伝えよう」ということで、社内向けのイベントを企画しました。
イベント案の1つとして、半年ごとに実施している社員総会の1コンテンツとして発表する案もありました。しかし、社員総会の発表内容も重要なものが多く、全体の中でメッセージが薄れては意味がないので、場所も雰囲気も変えて独立したイベントとして実施することにしました。
ゼロイン:従業員のみなさまの意識や行動が変化する“きっかけ”を意図した重要なイベントでしたが、ゼロインにはどのような期待のもとでお声がけいただけたのでしょうか。
イベント実施に際しては、これまでに周年事業や展示会など社内外向けイベントをさまざま実施してきたこともあり、何社かの協力会社さんが浮かびました。その中で、社名変更という会社の大きな転換期における私たちの想いを、正しく、そして強く印象に残るイベントにできるのはゼロインさんだと考えていました。
指名発注はできないので複数社からご提案をいただきましたが、やはりゼロインさんには弊社の意図をすぐに理解いただけ、スピード感をもって対応いただきました。ゼロインさんは、私たちの想いを汲んだコンセプトづくり、コンセプトをイベント全体へと落とし込んだプロセス構築、インパクトを生みだす企画・演出案までお任せでき、特に流れの整理が非常に得意だと感じています。
今回の『新社名発表会』で私がもっとも重視したのは、社名変更のインパクトと新社名に込めた想い、ストーリーを体現した全体の“流れ”ですので、何度もゼロインさんとのミーティングで相談させていただきましたよね。高橋のトップスピーチも、ライブで形に残るものではないからこそ、本当に前日まで何度もブラッシュアップにお付き合いいただき、従業員に伝えることにこだわりました。
社内だけではできないことですので、ゼロインさんに支援いただけたことでイベントとしてしっかりと成立させられ、本当に助かりました。
ゼロイン:参加されるみなさんの気持ちがどうなってほしいか、どうすれば「うわぁ」というワクワクの感情が生まれるのか、この感情は会場に入場してすぐの方がいいのか、途中の方がいいのか、コンセプトや企画ミーティングでたくさん議論しましたよね。五十嵐さんが「こういうストーリーにしたい」という構想をお持ちでしたので、細かく詰めながらお話ができました。
新社名は、なるべく早い段階で発表し、イベントの中で反芻していくことで従業員の理解を深める機会を増やしたいと考えていました。ただ、社名変更は従業員の会社・事業に対する貢献があってたどり着いた1つの大きな成果ですので、単純に発表するのではなく、みんなでゴールにたどり着く、全員が一斉にビンゴする演出で社名を伝えました。
新社名を発表したところでコンセプトムービーを投影して、社名変更の理由や新社名の由来、これから何を目指していくのかを、映像を通して端的に伝えました。その内容を踏まえて代表の高橋から、新ミッション・タグライン“「つくる」の現場から、世界を変える”*の主に前半部分を、新社名にかける想いや建設業界での今後の事業展開を通じて、従業員に熱量をもって、生の声で語りかけました。
最後に、新ミッション・タグラインの後半部分にあたる「世界を変える」挑戦をしてきた著名人に登壇いただき、これまでのチャレンジとその成果、そしてリスクを恐れずに挑戦をしていくことの価値をスピーチいただきました。
*「つくる」の現場から、世界を変える
リバスタは新しいミッション・タグラインとして、“「つくる」の現場から、世界を変える。”を掲げました。「つくるの現場」は建設現場の古い慣習ややり方を私たちの力で変えていきたいという想いを、「世界を変える」は数百万の方々が携わる建設現場の改革を通じて、いつか、一般社会をより良い方へ変えていきたい、という挑戦を指します。
ゼロイン:無事に『新社名発表会』を終えて、あらためて今回のイベントは従業員のみなさまにとって、どのような機会になったと思いますか。
今回、ひさしぶりに会場を借りて、リアルイベント形式で実施できましたが、2つの効果が生まれました。
1つは、会社が大きな方針を示す場ですので、やはり生の言葉で説明しながら、顔を見ながら“想いを届ける”ことです。オンラインも便利ですが、感情に訴えるには限界があります。なぜここまでやるのか、どのような想いでやっているのか、一堂に会することで熱量を感じてもらえたと思います。
もう1つは、人と人のつながりや一体感の醸成です。2年以上、コロナ禍によって懇親会系のイベントが実施できていませんでした。以前は組織開発の取り組みが多い会社でしたが、コロナ禍で多くの施策ができなくなりました。また、コロナ禍でも従業員数が増え続けていて、入社3年以内の方が半数近くいる状況です。在宅が増えるほど入社者のオンボーディングも厳しくなると思いますし、変化が激しい状況でコミュニケーションに苦労した時期もありました。
新しい方向性の実現に向けては、CIに対する誇りやエンゲージメントが必要です。今回の場によって、「リバスタってこういう会社なんだ」と企業文化や風土を再認識でき、ともに新しい目標を追い求める原動力となれば嬉しく思います。
ゼロイン:みなさんが楽しそうに過ごされていたのが印象的でしたが、どのような反響がありましたか。
「新社名に込めた意味が正しく理解できた」「新社名発表も良かったが、会食の場を設けてもらえたことがとても良かった」「対外的な社名発表はいつするのか。これからどう動いてくのか」など、感じてほしかった前向きな意見や、社名変更に伴う具体的な動き方の質問など、多くの声をもらうことができました。
懇親会の席割で、同一部門でテーブルを固めたことも功を奏したと思います。今後の手続きやお客様へのお伝えの仕方など事務的な会話や、自部門への影響、自身が感じたことの共有など、新しい一歩目をリラックスしながらコミュニケーションできていました。
「来年4月からはリバスタ」と、新社名発表イベントがスイッチとなり意識を切り替えられたと思います。
ゼロイン:お披露目から実際に社名が変わり、五十嵐さんがお話されていた「面で伝える」フェーズにいよいよ入っていると思います。今後どのように取り組まれていくのでしょうか。
社名変更は、従業員にとっては大きな変化ですが、お客様を含めたステークホルダーにとっては必ずしも重要なことではありません。お取引しているお客様や同じ業界の企業の方に、リバスタとなった背景や会社の目指す未来を日常の中で、正しくお伝えできるようにしていきたいです。そのためには、ミッション、ビジョン、バリューなどのさらなる浸透が必要だと思います。新入社員には学ぶ機会を準備できましたが、既存社員にはまだ不足しているので、これから取り組んでいきます。
また、言葉で伝えることも重要ですが、行動、つまり事業活動で伝えられることも多いと思います。
建設業界は、人手不足の解消や生産性の向上が大きな課題ですが、これらの課題は私たちのサービスで解決できます。私たちが着実に成長して必要な時に、必要なサービスを多くのお客様に届けることで、建設業界で働く方やその周囲の方々の生活をより良いものとし、「世界を変える」ミッションを体現して示していきたいですね。
この記事の著者
中島 浩太
株式会社ゼロイン
2008年、株式会社ゼロインに新卒入社。インナーブランディング・社内コミュニケーション施策をプロデュースするコミュニケーションデザイン事業、ゼロインの管理部門、新卒採用担当、新規事業を経て、現在はコーポレートブランディング室において広報(社内広報・社外広報/PR)とマーケティングを担当。
インターナルブランディングの魅力的な取り組みを紹介するウェブメディアCAPPYの編集長として、さまざまな企業における企業文化づくりや組織活性化の取り組みを取材。