企業で企画・実施される社内イベントは、従業員エンゲージメント向上や社内コミュニケーション促進、モチベーションアップなどを実現するうえで効果的な取り組みです。しかし、社内イベントを成功に導くポイントを踏まえながら企画を進めなければ、意図した効果を得ることはできません。
そこで今回は、社内イベントを年間200件以上プロデュースする株式会社ゼロインが、「成功する社内イベント」の目的や効果、企画方法や企画例、実施の成功事例などについて詳しく紹介していきます。
目次
社内イベントの目的・効果とは?理念・ビジョン浸透社内コミュニケーション促進・組織活性化モチベーションアップ従業員エンゲージメントの向上社内イベントの開催形式と特徴オフライン社内イベントオンライン社内イベントハイブリッド社内イベント成功する社内イベントの企画方法とは?目的設定施策・コンセプト策定プログラムと開催日時の決定会場、制作物、手配物の準備社内への広報、巻き込み当日のイベント運営社内イベントの企画例社員総会ワークショップファミリーデーキックオフミーティング懇親会周年イベント社内イベントの成功事例ハイブリッド型周年イベントへの挑戦!70周年事業で感じる仕事の価値と誇り社内イベント『DLN Spirit Day』で、新ビジョンを従業員全員が体感する社内運動会で相互理解を醸成。舞台は渋谷の会議室SAPジャパン50周年記念式典は、緑鮮やかな庭園で交流するファミリーイベント森永乳業グループのオンライン社内表彰イベント『Morinaga Milk Awards』社内イベント成功のポイントとは必ず目的を決める担当者の選出は幅広く、社内を巻き込んでいくイベント後に振り返りを行うゼロインなら社内イベントの企画から実行までサポートまとめ社内イベントの実施目的、狙いたい効果として挙げられる代表例は以下の通りです。
なぜ、こうした効果につながるのか、一つずつ紹介していきます。
社員一人ひとりに対する理念・ビジョンの共有・浸透は、重要かつ難易度の高いテーマです。目の前の仕事が忙しい日常の中で、理念やビジョンに触れる機会は少なく、社員任せにしていても理解が勝手に深まることは基本的にありません。
しかし、理念やビジョンが浸透していなければ、「会社がどこに向かうのか」「どのような価値を生みだしたいのか」「何を大事に仕事をするのか」など、社員にとって「この会社で働く意味」や「未来を実現したい」といった所属意識が薄れる恐れがあります。
そこで、社内イベントなどのハレの場で、トップマネジメントやミドルマネジメントが社員に理念・ビジョンを共有する手法が効果的です。
たとえば社員総会やキックオフミーティングといった社員全員が集まる社内イベントの場が想定できます。ビジョン共有や方針・戦略発表、あるいは表彰なども会社から社員へのメッセージとして活用できます。
あるいは、より小さい規模で、社員が経営者を囲んで対話をする車座や、階層別研修やワークショップでメッセージすることも効果的かもしれません。規模が小さくなることで、参加する社員が意見や疑問などを訴えやすくなり、双方向のコミュニケーションが生まれるので理解が深まります。
社内イベントを通じた共通認識の形成は、連帯感の向上が期待できます。また、社員一人ひとりが同じ目標、共通した価値観で取り組むことで、企業として合理的な意思決定・行動が実現できます。
社内イベントでは、企画や組み合わせ次第で、上司・部下や同僚との非日常なコミュニケーション、普段は関わりの薄い部署を越えた社員とのコミュニケーション促進が可能です。社員が業務を離れたコミュニケーションを取ることで、互いの人となりについて理解が深まり、今後のコミュニケーションがより円滑になります。
社内のコミュニケーションが円滑になれば業務において社員が積極的に発言しやすくなり、チーム内の業務分担や進捗報告などの情報共有が活性化されます。これまでよりも連携体制が強固となれば、トラブルが発生しても信頼関係にもとづく迅速な対処が可能になりますし、新しいコラボレーションによって新サービスやソリューション品質の向上が見込める場合もあります。
また、業務上で接点がなかった社員とのコミュニケーション機会は、社員の潜在能力や可能性を見出すきっかけにもなります。そのため、より最適な人材配置、人員計画が実現可能になるということもメリットです。社内のつながりや相互理解の増加は心理的安全性を高め、生産性や定着率の向上も期待できるでしょう。
社員総会・キックオフにおける懇親会や、ランチ・終業後に定期的に行う交流会、社内部活・サークルや家族を招いたファミリーデーまで、開催規模を問わずにさまざまな施策・企画が実施できます。
社内イベントは、社員のモチベーションアップを狙うこともできます。
たとえば高い業績を称える表彰式や、ビジョン・ミッション体現者を称賛するアワードなど、称賛・栄誉感によってモチベーション向上に直接はたらきかける社内イベントを行う企業も多く見受けられます。
ほかにも、社内イベントのコンテンツに社外の声や反響を取り入れる方法もあります。すべての社員が顧客接点を持つわけではないため、何のため、誰のために仕事をしているのか見失うこともあります。
そこで、顧客からの感謝の声や、サービス・プロダクトを実際に利用しているシーンを社内イベント内で共有することで、「この人たちのためにがんばろう」「より良いサービスをつくろう」と、具体的なイメージを想像させた動機づけが可能になります。
モチベーションが高い企業は社内全体の満足度も相応に高まり、離職率が低下する傾向にあります。
「理念・ビジョン浸透」「社内コミュニケーション促進・組織活性化」「モチベーションアップ」といった要素を複合的に高めていくと、最終的には従業員エンゲージメントの向上を実現できます。
従業員エンゲージメントの高い状態とは、社員一人ひとりが会社のビジョン・ミッションを理解・共感し、その実現に向けて自分の仕事に前向きに取り組みながら、働きがいを感じている状態です。離職率は低く、高い生産性やイノベーション創出が期待できます。
日本の働きがいは世界の中でも最低レベルという調査もあり、この従業員エンゲージメントをいかに高められるかは、大きな経営課題になっています。
どのような社内イベントを行うかは企業によりさまざまですが、開催形式は大きく3種類に分けられます。
各開催形式における特徴やメリット・デメリットを解説します。
オフライン社内イベントは、オフィスのオープンスペースや、ホテルの宴会場や外部会議室・ホールなど、会場に社員を実際に集めてイベントプログラムを実行する形式です。
実際に集まって「参加」することで、会場の雰囲気や映像、音楽による空間演出など、社員の五感を刺激できる非日常で臨場感満点のイベントを実施できます。特に想いや熱量などを伝えたいエモーショナルなイベント、ワークショップや懇親会など参加者同士の交流を促したい場合に、おすすめの実施形式です。
ただし、会場手配や設営・運営など、大掛かりな準備が必要になるデメリットもあります。さらに会場費、人件費、企画費、各種制作費などにコストがかかるため、参加者が多いほど大きな投資になります。また、やむを得ぬ事情により中止になった場合には、キャンセル費用が発生するリスクもあります。
オンライン社内イベントは、パソコンやスマホなどのデバイスからオンラインでイベントに参加する形式です。
会場に足を運ぶ必要がないため、地域・国内外問わずどこでも参加できる点は大きなメリットです。また、参加者が多い場合も人数に合わせた会場手配や設営をする必要がないため、イベント運営費用を抑えることもできます。
一方、ネット環境のトラブルや、視聴デバイスによってはイベントの全体像が見えにくくなるデメリットがあります。また、オフラインよりも臨場感を伝えることが難しいため、イベント運営費用が発生しない代わりに、演出や見せ方に工夫が求められます。ただ配信するだけでは、単調になりすぎて参加者の満足度は大きく低下する傾向にあります。
基本的にオフラインをオンラインに移行する場合には、実施時間やプログラムの根本的な見直しが必要です。
ハイブリッド社内イベントは、一部の参加者がオフラインで集まりながらプログラムを進行し、その模様をオンラインでも配信して参加する形式です。事務局側でオフラインの参加者を指定する場合もあれば、参加者自身がオフラインかオンラインかを選べる場合もあります。
オンラインの環境でありながら、オフラインの臨場感を演出できる、まさにオフラインとオンラインのハイブリッド形式です。
ハイブリッド社内イベントが積極的に導入される具体的なシーンには、社員総会・キックオフにおけるスピーカー(経営者や事業責任者)、表彰式における受賞者、社内アワードにおけるプレゼンターなどが挙げられます。外部会場で環境を整えてプレゼンテーションした方が、重要なメッセージや想いが伝わるシチュエーションです。
ハイブリッド社内イベントの参加者がオフラインとオンラインにわかれる場合は、盛りあがり方に差が出るデメリットがあります。また、オフラインの会場手配・設営、オンライン配信の準備・運営が必要なので、オンライン社内イベントよりも手間・コストが発生します。
社内イベントの効果を高めるためには、以下のプロセスを踏まえた企画・準備が重要です。
ここでは、「成功する」社内イベントの企画・実現プロセスを解説します。
社内イベントの最終的なゴールは、あくまで会社に何かしらのポジティブな変化や成長をもたらすための手段です。「理念・ビジョンを浸透させて、社員の意識を統一したい」「素晴らしい仕事を表彰して、社員のモチベーションアップを促したい」「部署を越えた交流を生みだして、顔と名前と仕事を知る」など、実施する施策の目的や実現したい状態目標を明確に定めましょう。
重要なポイントは、目的を具体的に描くことと、対象を広げすぎないことです。実施に際して議論をしていると、「あれも」「これも」とついつい多くの効果を狙いだして、当初実現しようとしていた目的が曖昧になりがちです。
おすすめしているのは、ペルソナを設定してしまうことです。「入社○年目、リーダーとして活躍している若手社員が社内の素晴らしい仕事を知って、自分の成長イメージを具体的に描けるようにする」など、ときには一人の具体的な社員名を出しながら、その人が現在どんな状態で、イベントを通じてどうなってほしいか、そのために何が必要か、を考えていくと、目的がシャープになります。
設定した目的に応じて、イベントの施策やコンセプトを定めます。会社と社員でビジョンやゴールを共有したいのならビジョンミーティングやワークショップ、モチベーションを向上させるなら表彰式やコンテスト、社内コミュニケーションを活発にさせたいならパーティーやスポーツ大会といったエンタメ系など、目的によって適したイベントは異なるからです。
社内イベントは一人で企画・運営することは難しいため、事務局を立ち上げて複数メンバーで意見を出し合いながら進めていくこと必要があります。特に人事や広報など、社内で幅広く交流している人材を集めて横断型で取り組むことで、社内の意見をより多く反映できます。
イベントの方向性が決まった後は、オープニングからエンディングまでの具体的なプログラムと企画を練っていきます。当日の流れをプログラムを作成しながら整理していき、コンテンツごとに5W1Hで要素を固めていくと一貫性のある体験をつくることができます。交流系の社内イベントであれば「いかに楽しく」を突き詰めていく手法でも問題ありませんが、社員の感情や思考に働きかける社内イベントであれば、流れを通じてどのように感情を動かしていくのか、ストーリー設計が重要になります。
イベントの目的設定時に整理したことをさらに分解して、イベント当日のプログラムごとに、参加者がどのような心情で、何を伝えて、どうなってほしいのか、そのために最適な伝達方法や見せ方は何なのか、などを構築していきましょう。
イベントで使用する会場や制作物、手配物の準備をします。自分たちで準備できるもの、外部に発注して準備・手配するものを予算に合わせて検討しましょう。
外部会場を利用する場合、キャパシティ、天井の高さや会場内の雰囲気、会場設備、演出の自由度、ホワイエやクロークの有無、主要駅からのアクセスの良さなど、非常に多くの確認項目があるため、事前の下見は不可欠です。その際、会場の制約条件によっては実施したいと考えていた企画が実現できないかもしれないため、イベント運営会社と一緒に下見に行き、専門的な条件の確認を依頼するようにすると間違いがありません。
イベント会場を把握しないまま申し込みをしてしまうと、会場に不備が見つかった場合の対処が難しくなります。また、大人数を収容できる会場には限りがあるため、早めの候補だし、申し込みが必要です。人気の会場であれば、半年~1年前から申し込みが入っていることも珍しくありません。
社内への広報は、複数回に分けて行うことで社内全体に浸透させながら、当日に向けた盛りあがりを醸成していきましょう。単純に同じ内容を送信するのではなく、開催日に近づくにつれ少しずつイベントの内容を明かしていく、経営や事務局のインタビューを掲載するなどの工夫をすると、社員の注目度や参加意欲が高まります。
懇親会やファミリーデー、運動会など交流系の社内イベントであれば、現場からプロジェクトメンバーを募ってしまうのも効果的です。意外と募集をしてみると「やりたい」と手を挙げてくれる社員がおり、そうしたメンバーを巻き込んでおくと、みずから周囲の社員に声をかけて巻き込みの輪を大きくしてくれます。あまり事務局だけで担当しようと思わずに、社内に協力を仰いで一緒に盛りあげていきましょう。
当日は運営担当者を統括、受付、誘導、進行などに分担し、運営を進めていきます。どの役割にしても、参加者からの質問に迅速に対応できるよう、事前にイベントマニュアルを作成して、当日の動きや会場詳細、トラブル発生時の対応フローなどを整理・把握しておくことが大切です。
なお、進行担当はスムーズなプログラム進行や会場の演出など、イベントの盛りあがりに影響する重要な役割です。責任重大かつスキルも求められるため、イベントの規模や内容によっては当日の運営を外部委託するようにしましょう。
事務局の主担当者はなるべく役割を持たずに、イベント運営会社とのコミュニケーションや意思決定に注力できるように、余裕を持った体制を構築しましょう。
社内イベントはどのような施策があるのでしょうか。社内イベントにおける代表的な施策例を6つ紹介します。
社員総会は、企業理念・ビジョンや戦略共有に用いられる社内イベントです。経営層が一方的にスピーチするだけではなく、社員によるプレゼンテーションや社内表彰、映像などさまざまな企画・演出でメッセージすることで、社員の感情を動かしながら共感を生みだすことができます。社員が会社の方向性を正しく理解して、かつ共感していれば、自分の仕事に対する意義や、この会社への所属理由に自信を持てるので、エンゲージメントの高い状態を期待できます。
ワークショップは、さまざまなテーマについて社員同士が対話しながら理解を深めていく体験型の企画です。社員一人ひとりが自分で考えて、周囲と意見を共有していくため、コミュニケーションの活性化にも適しています。特定のテーマに沿って取り組む「グループワーク」や、創造性・感性を高める芸術系ワークショップなど、社内イベントとして行われるワークショップは多種多様です。
グループワークは、コミュニケーション活性化以外にもロジカルシンキングの強化に期待ができるため、研修に取り入れる企業も増えています。課題の作り方が幅広いため、イベントの趣旨に応じて柔軟な企画が可能です。
芸術系ワークショップに関しては、社員によって作品の仕上がりに個性が出ます。このプロセスや成果物の共有時に自然とコミュニケーションが生まれますので、普段は積極的に会話をしない社員でも「何を話したらいいのか」となりづらく、打ち解けやすいことが魅力です。
ファミリーデーは、社員のパートナー、こども、親御さんなどを、オフィスや外部会場に招待して交流する社内イベントです。経営から家族に向けて感謝の感謝を伝えたり、企業理解や仕事内容を知ったり、社員の家族同士で交流を深めることもできます。社員同士が「互いに大切な家族がいる」ことを実感し、互いを尊重し合う気持ちを再認識することで協調性や働きやすさの強化につながります。
ファミリーデーでは、オリジナル社員証・名刺の配布や、業務体験や会社クイズなど、仕事の理解を深める企画が多く取り入れられます。
キックオフミーティングは、年度初めやプロジェクト立ち上げなど、区切りの時期に開催するイベントです。会社によっては、社員総会をキックオフミーティングと称して実施している場合もあります。スローガンや目標の共有による意識統一、組織内メンバーの関係構築に適しています。
キックオフミーティングの取り組みは企業によってさまざまですが、期初の全社会議や親睦会、社員旅行などを絡めた実施もあります。真面目なプログラムだけではなく、近年では謎解きゲームや参加型クイズなど、カジュアルな雰囲気でチームの結束を重視した企画が行われることもあります。どのような企画を練るかは、社内全体の雰囲気や社員からの要望も含めつつ、運営担当者間で検討していきましょう。
懇親会は社内コミュニケーション活性化や関係強化を前提として、楽しい時間を共有する社内イベントです。交流だけでなく、日頃の業務を通して見えた課題や有益な情報を交換する場にもなります。懇親会では飲食を提供し、社員同士で交流できるゲームが企画される場合が多いです。
会社の社内コミュニケーション状況に応じて、日頃の組織・チームでの交流を優先する、普段は交流のないタテ・ヨコ・ナナメを横断したコミュニケーションを促す、グループを定めずに自由に交流してもらうなど、参加のさせ方にはいくつかのパターンがあります。
周年イベントとは、企業の周年を記念して行う社内イベントです。5年や10年ごとの実施が一般的ですが、毎年実施する会社もあれば、不定期に25周年や40周年で実施する企業もあります。
大きなテーマは過去と未来です。会社設立から現在まで企業が歩んできた道のりや乗り越えてきた壁を振り返り、その中で成し遂げた業績を振り返ることで自社に対する理解を深めます。そして、実現したい未来を共有して「このメンバーでがんばっていこう」と、未来に向けた期待でイベントを終わらせます。
周年記念は特別な機会であり、日頃社内イベントを多く実施しない企業でも社員を巻き込みやすい施策です。そのため企業理念の策定・見直しや、未来志向のビジョンワークショップ、社員参加型の周年ロゴ制作やお客様感謝の会など、多様なプログラムに取り組むことができます。特別感を演出しながら、自社に対する社員の理解や帰属意識を向上させる機会として活用してみましょう。
ここではゼロインがプロデュースした社内イベントの成功事例を紹介します。
東京菅公学生服株式会社様は、設立70周年の記念としてハイブリッド型の周年プロジェクトを開催しました。社員を巻き込んだ周年ロゴ制作やユーザーコンテスト、社員向けオンラインイベントなどを通じて、「自分たちの仕事の価値や誇りを感じてもらうこと」を目的としています。
コンテストは、ユーザーである生徒や保護者などから学生服にまつわるエピソードを集めて紹介するものです。「制服をきっかけに新たな一歩を踏み出した」などのエピソードを通し、自分たちの仕事の価値・やりがいを実感でき、社員たちが「自分たちの仕事は何につながっているのか?」を再認識するきっかけとなりました。
イベントは3つの会場に社員が集合すると同時に、別会場からリアルタイムに配信を行うハイブリッド型です。同社と取引の長い中学校の吹奏楽部が登場するオープニング映像で会場を盛り上げた後、会長をはじめとする経営層による歴史の振り返りや社員への感謝を伝えるトーク番組などを展開しました。
また、周年プロジェクトに関する告知を社内SNS上で実施することで社内SNSの定着を進めたことで、コミュニケーションの活性化にもつなげています。
大和ライフネクスト株式会社様は、新たなビジョン・行動指針である「DLN SPIRIT」の策定に伴い、従業員にお披露目する社内イベント『DLN Spirit Day』でを実施しました。「DLN SPIRIT」を発表するプレゼンやトークセッションタイムを設けた第一部、そして立食パーティーの場を設けた第二部という構成です。約2,000名の社員を集め、都内のホテルにてオフライン形式で行われました。
第一部のオープニングでは会場が暗転し、参加者全員に配布されたリストバンドが7色に光り会場を盛りあげます。プレゼンテーションは新ビジョン策定の背景、プロセス、想いをあらためて伝えると同時に、映像も織り交ぜたスーパープレゼン形式で、従来の社長スピーチに対するイメージを一新させる発表となりました。その後のトークセッションタイムでは「DLN SPIRIT」に込めた想いを語り、リアルタイムで投票やコメントをシェアできるシステムを活用することで、参加者を巻き込む工夫も施しています。
第二部の立食パーティーでは、新入社員の紹介や参加型のクイズ大会で楽しい時間を共有しつつ、経営陣と社員が「DLN SPIRIT」に対する率直な意見を交わし合いました。
「社員みんなでありたい姿を描きたい」というコンセプトで行われた本イベントは、「DLN SPIRIT」の理解を深めると同時に、自分たちのありたい姿を考えるきっかけとなりました。
毎年、設立記念のタイミングで社員向け運動会を開催している事例です。今回は初の試みとして、社員の家族も招待するファミリーデー形式にすることで、社員間だけでなく、社員と家族の相互理解の醸成も狙いました。
運動会ではこどもを抱えた上司や先輩の姿、大抽選会でテーマパークチケットが当選して親子で喜ぶ姿など、社員だけの運動会では見られない光景が広がりました。家族がいるからこその心温まる空間は、同じ会社で働く仲間であるという一体感を醸成し、価値ある時間を共有する場となりました。
ドイツに本社を置きグローバルに展開するソフトウェア企業のSAP SE様は、2022年にグローバル本社が創業50周年を迎え、日本法人のSAPジャパン株式会社様(以下、SAPジャパン)も設立30周年を迎えました。この記念すべき周年の年に、SAPジャパン様は東京と大阪の二か所で50周年記念式典を実施しています。
東京会場では、明治記念館の緑鮮やかな庭園と宴会場を貸し切り、屋内と屋外を掛け合わせて活用するイベントプランになりました。当日は従業員の家族や友人も招待したことで、久しぶりに会った仲間やその家族が旧交を温め、こどもたちは会場で遊び回る、SAPに関わる多様な人々が交流を楽しむ会となりました。
当日は歓談がメインのカジュアルパーティー形式で仕立てられ、これまでの歴史を感じられる映像や、過去のエピソードを知る社歴の長い社員によるトークセッションが披露されました。新入社員を大量採用した時期のことや研修施設を訪れたときのこと、営業での失敗エピソードなど、今となっては笑ってしまう心温まるエピソードが語られました。
SAPジャパン様は、これまでも社内で実施するコミュニケーションイベントに家族を招待しており、アットホームな職場文化が培われています。
森永乳業株式会社様は、社内表彰イベント『Morinaga Milk Awards』の表彰式と、『夢共創フォーラム』を開催しました。
森永乳業グループは「社員一人ひとりがみずから考え行動する自律型組織」を目指して組織づくりに取り組んでいます。この自律型組織づくりの一環として、理念・行動指針の理解を深める『夢共創フォーラム』をCSR推進部が、社内表彰制度『Morinaga Milk Awards』を人財部とCSR推進部の共催で、それぞれ集合型イベントとして企画・実施してきました。
ただ、感染症の流行によって社員が集まるイベントの実施は難しい環境になり、初めてオンライン社内イベントの形式で実施することになりました。
森永乳業グループのオンライン社内表彰イベント『Morinaga Milk Awards』|ゼロイン
森永乳業株式会社が初めて実施したオンライン社内表彰イベント『Morinaga Milk Awards』の表彰式と『夢共創フォーラム』の事例です。オンラインでの実施となり、社員の参加感をどのように高められるのか、企画や演出面など中身のアイデアにこだわって社内イベントをプロデュースしました。
初のオンライン社内イベント!森永乳業グループの社内表彰制度『Morinaga Milk Awards』|ゼロイン
森永乳業株式会社は、2017年に創業100周年を迎え、森永乳業グループのコーポレートスローガン・経営理念を新たに策定しました。この新しいコーポレートスローガンと経営理念の体現に向け、森永乳業グループは「社員一人ひとりがみずから考え行動する自律型組織」を目指して組織づくりに取り組んでいます。
社内イベントを成功させるには、次のポイントを押さえることが大切です。
先述の通り、社内イベントの目的は開催ではなく、その先にある会社・事業の成長や組織課題の改善です。組織の壁を越えたコミュニケーションの活性化、社員への企業理念・ビジョン浸透、目指したい行動の表出・共有、エンゲージメントの向上など、人と組織に関する課題に対して目的を果たす手段が社内イベントです。
常に「なぜこの社内イベントを実施するのか」「何を実現したいのか」と目的に立ち返りながらイベントを企画・開催することで、社員にとって気づきや変化のきっかけになる場づくりを実現していきましょう。
社内イベントの企画や運営を担うメンバーは、人事・広報・総務など、多くの部署や社員と関わりのある社員から選出することをおすすめします。バックオフィスの部署は、人や組織に関連するミッションをそれぞれ抱えており、それらのミッションを統合して目的を整理すると、より意味のある社内イベントが実現できます。
なお、事務局ですべてを完結させてしまうと一方的なコミュニケーションになり、参加社員が一歩引いてしまう恐れがあります。事務局だけで完結させるのではなく、現場社員や若手社員を積極的に巻き込んで、「参加者」ではなく「主体者」になるようにしていきましょう。
社内イベント開催後は振り返りを行い、イベント中に得た気づきや改善点などを記録しておくことで、次回以降に活用できる情報としてまとめましょう。その際は事務局だけで振り返りを行うのではなく、参加者向けのアンケート実施もおすすめです。
ただ、アンケートだけでは本音が出にくいこともあるので、直接声がけをしてフィードバックを集めるようにすると、より具体的な反響を把握できます。今後のイベントをより価値あるものにするための、積極的に収集していきましょう。
企業にとって最適な社内イベントの企画は異なります。安心・安全に問題なくイベント運営を完遂させることは大前提ですが、社内のコミュニケーション状況や組織コンディションを鑑みながら、企業理念やビジョンの実現に近づくための、戦略的な社内コミュニケーションストーリーにもとづいた全体設計が重要です。そうした設計のうえで、目的から実施施策、企画が決まっていきます。
ゼロインは、コーポレートブランディングや社内イベントのプロデュースの豊富な実績と経験を活かし、社内イベントのコンセプト策定、企画、制作物プロデュース、当日運営までワンストップでサポートが可能です。これまでに培われたノウハウにもとづいてストーリー設計や実施方法(オンライン・オフライン・ハイブリッド)を検討し、最適な社内イベントの実施プランを提案しています。
要件が定まっていない状態でも、現状整理・目的整理からお手伝いしていますので、まずはお気軽にご相談ください。
社内イベントは、社員同士のコミュニケーション活性化やモチベーションアップ、理念・ビジョンの浸透など、組織づくりに大きな効果をもたらします。しかし、目的が曖昧なまま企画をスタートすると運営の軸が定まらず、社員にとって価値あるイベントに仕立てることができません。
まずは現状の組織コンディションを整理して、社内イベントを開催する目的を明確に定めたうえで、コンセプトやプログラムの決定、運営準備を進めていきましょう。日常業務が多忙でイベントの企画や運営がままならないとお悩みの方は、専門的な知識とノウハウを持つ制作会社への委託もおすすめです。他社事例なども参考にしながら、より良い社内イベントへと進化できるはずです。
この記事の著者
中島 浩太
株式会社ゼロイン
2008年、株式会社ゼロインに新卒入社。インナーブランディング・社内コミュニケーション施策をプロデュースするコミュニケーションデザイン事業、ゼロインの管理部門、新卒採用担当、新規事業を経て、現在はコーポレートブランディング室において広報(社内広報・社外広報/PR)とマーケティングを担当。
インターナルブランディングの魅力的な取り組みを紹介するウェブメディアCAPPYの編集長として、さまざまな企業における企業文化づくりや組織活性化の取り組みを取材。