自社の“らしさ”を再確認するナレッジ共有イベント「イイシゴト共有会」

“らしさ”を再確認するナレッジ共有イベント『イイシゴト共有会』

株式会社ゼロインは「すべての“働く”を元気にする」を企業理念に掲げ、この理念を体現する仕事や取り組みを社内に共有するナレッジ共有イベント「イイシゴト共有会」を定期的に実施しています。

社内で生まれた“イイシゴト”を部署や年次・役職を越えて共有することで、「ゼロインだからこそ発揮できている顧客への価値提供」や「仲間の顧客への向き合い方、スタンス・熱量」といった“ゼロインらしさ”を感じられる場です。

また、社内のロールモデルとなるシゴトを知ることで、これから働く中で目指したいキャリアや獲得したいスキルのヒントを得られる機会にもなっています。

会社情報

社名
株式会社ゼロイン
業種
サービス業(専門コンサル)
対象
従業員
参加人数
約130名

目的

  • 社内で生まれた“イイシゴト”の、部署や年次・役職を越えた共有
  • 「顧客への価値提供」や「仲間のスタンス・熱量」といった“ゼロインらしさ”の実感
  • ロールモデルを知ることによる、目指したいキャリアや獲得したいスキルのヒント獲得
  • 非日常なコミュニケーション(プレゼンテーション、懇親会)を通じた相互理解の促進

施策内容

  • イイシゴトプレゼンテーション(ハイブリッドイベント)
  • 3~4回のプレゼンブラッシュアップ会議(事前)

イイシゴト共有会概要

ゼロインはバックオフィスをコアドメインに、インナーブランディング事業、総務の組織・業務コンサルティング×アウトソーシング事業、移転・レイアウト変更をサポートするオフィス事業と3事業を展開しています。

ビジネスモデルやサービス提供方法は事業によって異なっており、総務アウトソーシング事業では顧客オフィスに常駐して働く社員が大半を占めます。また、テレワークを導入・推進しているため日常的に顔を合わせる機会の少ない社員もおり、結果として自事業以外の仕事内容や人が見えづらい状態がありました。

一方で、「すべての“働く”を元気にする」という企業理念は広く共感を生んでおり、社員一人ひとりから素晴らしい仕事が日々生まれています。

そこで、そうした素晴らしい仕事の中から「ゼロインだからこそ発揮できている顧客への価値提供」や「仲間の顧客への向き合い方、スタンス・熱量」をより体現したイイシゴトを各事業から選出して社内に共有するのがイイシゴト共有会です。仕事の具体的なイメージを通じて“ゼロインらしさ”を体感できる、会社や仲間に誇りや自信を持てる、自分の仕事やキャリアの参考になることを目指して場を企画しています。

イイシゴトの選出観点は一つではありません。たとえば、「顧客の期待を大きく超えたプロジェクト」「新たな課題解決や価値提案を実現したプロジェクト」「社内外に新たな兆しを生んだプロジェクト」などが選出観点として挙げられます。

大事にしていることは、単なる仕事紹介に終わらせないことです。「どのように、実現を目指す“ありたい姿”を描いたのか」「なぜ、その“ありたい姿”を実現したかったのか」「どのように、本質的な課題を見立てたのか」「何を大事にして、顧客・課題に向き合ったか」「なぜ、そこまでやれたのか」と、スタンスや想いまでひも解き共有することで、根底にある共通の価値観を再確認できる仕立てにしています。

全社員が参加するイベントでも大事にしたいコアターゲット

今回のイイシゴト共有会は、全社員約180名が参加対象です。もちろん、参加する全員に“ゼロインらしさ”を届けたいと考えていますが、その中でもより届けたい層をコアターゲットとして定めています。このコアターゲットを定めなければ、イベント全体のコンセプトやメッセージが曖昧になり、誰にも響かない場になる恐れがあります。

経営方針や組織コンディションを踏まえて定めた今回のコアターゲットは、20代中盤から後半のミドル層でした。ゼロインでは1年目から積極的に仕事を任せていくため、20代中盤から一人前のリーダーとしてプロジェクトを推進していきます。難易度の高い仕事を責任者として進める必要があるため、目の前の仕事に追われて事業や会社を俯瞰して見る機会が少なくなりがちです。また、仕事に慣れてきたことでマンネリ感や停滞感を覚えるタイミングでもあります。

そこでイイシゴト共有会のプレゼンテーションによって、ゼロインが提供する顧客価値の意味や意義をあらためて実感する、事業・サービスの変化や進化に期待する、高いパフォーマンスを発揮する仲間の姿を見て憧れや悔しさを感じることで、新たな原動力を生みだす機会となることを狙いました。

理解と共感を生みだすカギは、事前のプレゼンブラッシュアップ

イベント本番では所属部署・役職、入社年次や年齢が異なる社員が一堂に会します。ゼロインは積極的に中途採用を行っており、今回の参加者の40%は入社2年未満という社歴です。

コアターゲットを設定しているとはいえ、ほかの参加者が理解できない内容になってしまっては全社員を集める意味がありません。そこで、異なる事業・職種のプレゼンテーションを理解し、内容に共通点を見いだし、共感を生みだすために、第三者目線(事務局)でのプレゼンブラッシュアップを実施しました。

プレゼンターと事務局で最大5回のミーティングを行いながら、「第三者目線(聴衆目線)で知りたいこと」「プレゼンターが伝えたいこと」「事務局が伝えてほしいこと」をすり合わせながら、プレゼンテーションのストーリーを設計します。

今回は「全体構成ミーティング」と「磨きこみミーティング」の2ステップでブラッシュアップを行いました。

全体構成ミーティング

「全体構成ミーティング」では、プレゼンターとプレゼン企画(構成、要点の整理)に関するミーティングを行います。まず事務局からプレゼンターに、イイシゴトの取り組みについて1時間かけてじっくりとヒアリングを行い、プレゼンのストーリーラインを作成しました。

「どのような点が“イイシゴト”だったのか」「何か成功のKSF(重要成功要因)だったのか」「なぜそれを実現できたのか」「聞いた社員に何を感じてほしいのか」「何を真似できるのか」などを丁寧に抽出して骨子を作成し、骨子に沿って具体的なエピソードをさらに深掘りしながら、メッセージに肉付けを行っていきます。

磨きこみミーティング

そうして「磨きこみミーティング」に入り、プレゼン内容をすり合わせるミーティングを繰り返します。

ラフで作成したスライドとスクリプトを用いて、ミーティング冒頭で実際に通しでプレゼンテーションを行ってもらいます。その内容について、以前決定したストーリーラインが破綻していないか、伝えたいメッセージは伝わるのか、プレゼンテーションの中身に過不足はないか、実際に聞いてみてどうか、といった観点で事務局からフィードバックを行い、プレゼンターと対話しながら中身をブラッシュアップしていきます。

プレゼンの内容を、部署を問わず全社員に分かりやすく伝えるため、構成、表現、用語も細かく改善しています。部署によって専門用語や独自用語があるので、そうした無意識のアタリマエを見逃さないようにすることも、事務局の大事な役割です。

そうしてブラッシュアップを重ねながらプレゼンテーションを磨きこみ、予定された時間通りにプレゼンテーションが終わるように、話し方や間の置き方などプレゼンテーションの仕方まで伴走します。とはいえ、最後は本人が自分の言葉で話すことが重要で、感情のこもったプレゼンテーションによる会場の巻き込みがイベントの満足度を高めます。プレゼンターの想いを大事にしながら、最終の完成形を一緒につくる共創作業です。

事前広報で社内の期待感を高める

イイシゴト共有会の本番に向けて、参加意欲の向上を狙った既存メディア・ツールを活用した事前広報活動も行いました。

毎週のトップメッセージ動画「ZEROIN HOT LINE」での告知

毎週金曜日、全社員向けに社長の大條からトップメッセージ動画を配信しています。この動画を活用してイイシゴト共有会の告知を行いました。

テキストだけでは伝わりづらいことも多いので、事務局がイイシゴト共有会の目的や概要を映像にまとめています。イベントイメージが湧くように、事前に準備したスライドを投影しながら、トークする仕立てです。

プレゼンター紹介も動画内で行っており、事前に写真を集めてキービジュアルを作成しています。プロフェッショナルさを感じられるイメージで、どのようなプレゼンテーションが行われるのか、期待を高めます。

eラーニングを活用したアーカイブ配信

初めてイベントに参加する社員が、他事業への理解や当日の雰囲気を理解した上で当日を迎えられるよう、過去に実施したイイシゴト共有会のおすすめアーカイブ映像の共有も行いました。

イイシゴト共有会イベント当日の様子

イベント当日は、オフラインとオンラインを掛け合わせたハイブリッドイベント形式で実施しました。基本的には「会場に集まってプレゼンターの熱量を感じてほしい」という呼びかけをしているものの、諸事情により現地に来られない方でも参加できるように準備をしています。

本番では、

  • 事業間連携により顧客の潜在的な課題を掘り起こして価値提供したシゴト
  • 顧客の中でも曖昧だったコンセプトを、具体と抽象を行き来することで固めたシゴト
  • 顧客総務の立ち上げに際して組織文化の変革までアプローチしたシゴト
  • 社内データ活用の先にある新たな顧客価値を創造するシゴト

の4つが共有されました。

プレゼンターの登壇時には手製の応援ウチワを持って声をかける事業もあり、プレゼン前の和やかな雰囲気と、プレゼン時の本気の雰囲気が入り混じるイベントとなりました。

イベント終了後のアンケートには、コアターゲットとして定めたミドル層を中心に、「気づかされた」「勉強になった」といった学びに関する感想や「自分も○○のようになりたい」「今度から○○しようと思った」という自身の行動に関する意思表示、「可能性を感じた」「今後が楽しみになった」というサービス・事業の未来に対する期待の声が寄せられました。

また、今回のイベントをきっかけに「合同勉強会を実施したい」「等級ごとのワークショップを実施してはどうか」「少人数の交流イベントに参加したい」といったアイデアも集まっており、人と人が集まることの魅力を再認識する機会にもなりました。

社内コミュニケーションが、何か一つの施策で劇的に変化することはありません。今回のイベントでコアターゲットでなかった層の社員を対象にした企画や、より細かいセグメントで集まる機会を多面的に設けながら、さらなる“ゼロインらしさ”の体現、企業理念の実現に向けて、今後も取り組んでいきます。

この記事の著者

中島 浩太

株式会社ゼロイン
2008年、株式会社ゼロインに新卒入社。インナーブランディング・社内コミュニケーション施策をプロデュースするコミュニケーションデザイン事業、ゼロインの管理部門、新卒採用担当、新規事業を経て、現在はコーポレートブランディング室において広報(社内広報・社外広報/PR)とマーケティングを担当。
インターナルブランディングの魅力的な取り組みを紹介するウェブメディアCAPPYの編集長として、さまざまな企業における企業文化づくりや組織活性化の取り組みを取材。

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