オンライン社内イベントのメリットと考え方のポイント

テレワークや働き方の多様化に伴い、「社員総会や周年イベントなどの社内イベントをオンラインで実施したい」というご相談が増えています。ゼロインでは、数年前から社員総会や戦略共有会、社内表彰式やナレッジ共有会などの社内イベントにおいて、オンライン社内イベントあるいはオンラインとオフライン(リアル)を掛け合わせたハイブリッド社内イベントを開催してきました。

そこで今回は、オンライン社内イベントを実施するメリットや企画・設計する際の考え方のポイントを、これまでのプロデュース経験をもとにお伝えします。

実際にプロデュースする中で感じたオンライン社内イベントのポイントは、次の3点です。

  1. ホテルや会議室など外部会場費用や旅費交通費が不要(=コスト削減)
  2. オンラインでも工夫次第で伝わるコンテンツづくりが可能
  3. オンラインならではの、効果的な演出・盛りあげ方が存在

オンライン社内イベント検討時の参考になれば幸いです。

社内イベントのオンライン化でコスト削減ができる?

オンライン社内イベントの場合、オフラインの社内イベントで必要だったホテル・会議室などの外部会場費、全国に支店・拠点がある場合の移動にかかる旅費交通費、イベントの演出・装飾などにかかるイベント機材費などが不要になります。外部会場を利用した社内イベントを担当された経験がある方なら、これらの費用がどれほどのコストインパクトがあるか、お分かりになると思います。

ただし、オンライン開催をする場合でも、規模や開催スタイルによっては新たに発生する費用もあります。

まずは撮影・配信に必要な機材や運営スタッフです。オンライン社内イベントの実施方法次第ですが、録画配信でもライブ配信でも、スピーチやプレゼンテーションを撮影するカメラやマイクは当然のこと、照明機材、外部スタジオなど、今まで発生しなかった費用を見込む必要があります。

ライブ配信で中継する場合は、複数台のカメラによる中継映像や複数台のパソコンをスイッチングしながらプレゼン資料を投影するなど、画面や音声の切り替えが複雑になるため、配信機器やオペレーターなどの運営スタッフの委託を検討する必要があります。

ただ、それでも過去のオフライン社内イベントよりは、コストが抑えられるはずです。

オンラインイベントで必要な機材等

もしコストを抑えたいのであれば、豪華な機材やスタジオを利用しない方法もあります。参加感としては、特別感のあるハレの場としての社内イベントというより、オンラインミーティングの延長線上になりますが、ZoomやGoogleMeetといったウェブ会議システムを活用して内製することも一つの手です。

いずれにしても、オフラインのイベントで大きな割合を占めていた会場費用、旅費交通費の削減によって、総予算は大きく抑えることができます。削減した予算をコンテンツの充実や演出にまわすことで、オンラインでの見せ方を工夫するのはいかがでしょうか。

オンラインで、熱量や一体感を醸成する工夫したコンテンツづくり

オンライン社内イベントを検討される方が心配されるのは、これまで一つの会場に集まって参加していた社内イベントと同等の体験をオンラインでも実現可能なのか、という点です。

たとえば、経営メッセージの想いや熱量は伝わるのか、社内表彰式の受賞者は周囲からの称賛や栄誉を感じられるのか、一緒に働く仲間との一体感は生まれるのか、などが挙げられます。こうした臨場感のある雰囲気や空気感から得られる情緒的な感情は、やはりオフラインでのイベントに分がありそうです。

ただ、想定される不安や心配を一つひとつ検討していくと、オンライン社内イベントであっても、演出や見せ方など、イベント企画の工夫次第で対応できることはたくさんあります。ゼロインでは、社内イベントをオンライン化した際のハードルを整理して、お客様のイベントスタイルや企業文化に応じてプロデュースしています。一例として、次のような解決策の提案例があります。

経営メッセージ・ビジョン

オンライン化のハードル:熱量が伝わりづらい

解決策:語り方やクリエイティブでカバー。たとえば、アメリカ大統領のスピーチ中継スタイルを参考にする

事業戦略・市場環境

オンライン化のハードル:情報量が増えるとインプットしきれない

解決策:配信なら何度でも繰り返し、視聴が可能。別途、管理職からのフォローをくわえる

ロールモデル称賛、モチベーション喚起

オンライン化のハードル:「自分が称賛されている」という栄誉感を感じにくい

解決策:画面上を装飾する演出ツールの導入や、投稿コメントが画面上に流れるシステムなどを活用

ナレッジ共有

オンライン化のハードル:ナレッジの裏側にある、想いや感情に触れにくい

解決策:当日の発表だけで終わらせずに、別途スピーカーとのオンライン座談会などを設ける。オンラインミーティングやウェビナーが一般的になり、参加しやすさが向上

慰労・懇親

オンライン化のハードル:飲食物によるねぎらいや個別の声がけなど、物理的な慰労ができない

解決策:自宅への飲食宅配サービスで、同じものを食べる一体感を醸成。懇親企画ではアバター活用で参加感が出る仮想空間ツールの活用も一案

一体感・帰属意識

オンライン化のハードル:物理的な距離を感じてしまう

解決策:オフィスに集まれない以上、オンライン上の概念としての会社に帰属意識を持たせていく必要がある

コンテンツや演出を充実させるには、事前の企画やつくり込み、編集が必要になるものもあるため、外部の専門家への相談もおすすめです。

オンライン社内イベントならではの演出で、エンタメ性を向上

これまで集まって開催していた社内イベントをオンラインで検討する場合、「オフラインの代替手段としてのオンライン開催」ではなく、一歩踏み込んで“オンラインならでは”をゼロベースで考える発想力は重要です。つまり、オフラインで実施していたプログラムと同じものをオンライン配信に置き換えるのではなく、オンラインだからこそできる社内イベントに挑戦してみる考え方です。

オンライン社内イベントは、「オリジナルのテレビ番組」「社内版YouTube」とも言い換えられるかもしれません。そう考えると、やりたい企画や見せ方が、いろいろと浮かんでワクワクしませんか。

たとえば、テレビ番組のような再現VTRつきのプレゼンテーションや、表彰式における受賞者のドキュメンタリー映像、各拠点をつなぎながら生中継方式で社員感想をインタビューするなど、エンターテイメント性や視聴者の参加ポイントを入れることで、視聴者の興味や前のめり具合はぐっと上がります。

また、オンラインの特性に、気軽にコメントできる利点があります。通常のイベントではステージ上に声をかけることはできませんが、チャットやコメントツールを活用することで、発表内容に対してリアルタイムで反応を集められるので、双方向のコミュニケーションが可能になります。

ゼロインで実施しているナレッジ共有イベント『イイシゴト共有会』では、チャット上にお祝いコメントや質問が多数寄せられます。それらを見ながら司会やプレゼンターがコメントすることで、内容に関する理解や共感が深まり、一体感が生まれます。

オンライン社内イベントの事例

森永乳業グループのオンライン社内表彰イベント『Morinaga Milk Awards』

ハイブリッド型周年イベントへの挑戦!70周年事業で感じる仕事の価値と誇り

オンライン社内イベントは社内スタジオから配信。ザイマックスの『からくさTV』

“らしさ”を再確認するオンライン社内ベント『いい仕事共有会』

株式会社ゼロインでは、各部門の戦略推進における象徴的なプロジェクトを表出する『いい仕事共有会』をオンライン上で年2回開催しています。オンラインならではの工夫を盛り込み、配信型のイベントでも自分たちに共通するコアバリューを再確認する機会として活用しています。

オンライン社内イベントは、スタンダードになるか

今後の社内イベントは、場所や時間の制約を受けにくいオンライン活用・併用がスタンダードになることは間違いありません。もちろん、オフラインで実際に一堂に集うことでしか体感できない良さもあるので、目的やコンテンツに応じて、最適な方法を選ぶことになると思います。

ゼロインでも、お客様の働き方やコミュニケーションスタイルなども鑑みながら、まさにさまざまなやり方、工夫を試しているところです。この機会に新しいことにどんどんチャレンジし、オンライン社内イベントを盛り上げていきたいと思います。

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