周年記念・周年イベントの考え方と施策例

周年記念・周年イベントの考え方と施策例の記事画像

企業の創業や設立から数えて節目の年に訪れる周年記念。5年、10年、あるいはその企業独自の計算方法(3周年や7周年も)など、記念とする節目の数字はさまざまありますが、周年記念を迎えた際には、周年イベントや周年式典、周年を冠したキャンペーンを実施して、社内外にアピールする企業が多く見受けられます。

毎年どの程度の企業が周年記念を迎えているのでしょうか。株式会社帝国データバンクでは毎年「全国『周年記念企業』調査」を実施しており、10周年刻みの計算では毎年おおよそ13万~15万社程度の企業が周年を迎えているようです。

この周年記念の節目に周年イベントを実施することは、企業や従業員にとってどのような意味を持つのでしょうか。企業によっては周年イベントの目的を「社内に向けたインナーブランディング」と置き、効果的に活用している例も見られます。その考え方を簡単にご紹介します。

周年記念に周年イベントを実施する意味

周年イベントはステークホルダーに対して、企業からのメッセージを伝達する絶好の機会です。ステークホルダーには株主や顧客はもちろん、従業員や協力会社(パートナー企業)、地域社会が含まれます。

どのような“企業からのメッセージ”を発信するのか?大きく分けて2つのメッセージを考えることができます。創立・設立から現在までを振り返り、「感謝」を伝えることがひとつ。そして現在から未来を伝え、「進化・成長」を誓うことがひとつです。

こうしたメッセージを伝達する機会は、そう多くありません。また、あらたまった場を準備するのも一苦労です。しかし人は「○○記念」といったハレの場は好きなもので、好意的に受け止められる傾向にあります。

つまり周年イベントは、「周年記念だから」を理由にステークホルダーを集めて企業からのメッセージを伝達する、効果的なコミュニケーションツールなのです。

周年イベントの企画は、インナーファーストで考える

周年イベントを実施する際に欠かせないのは従業員です。これは社内向けの周年イベントであっても、社外向けの周年イベントであっても変わりません。

もちろん直接お金をいただくのはクライアントやユーザーといった顧客です。しかしそのお金をいただく元となるサービスを生み出しているのは従業員に他なりません。

松下幸之助が「事業は人なり」と表現した通り、「創立・設立から現在まで」を支えてきたのは従業員であり、「現在から未来」をこれから創っていくのも従業員です。経営者がどれだけ壮大で素晴らしい未来を打ち出したとしても、その内容が従業員に響き、その未来を実現していく気概にならなければ絵に描いた餅となり、顧客との約束も守ることができません。

実際にクライアントやユーザーと相対し、心を動かすのは現場で働いている従業員一人ひとりです。しかし「自社の歴史」や「自分たちの強み」、「実現したい未来」が腑に落ちていて、自分の言葉で顧客に語ることができる従業員はどれだけいるでしょうか。

周年イベントで企業ブランドをつくる。主役は顧客と接する従業員一人ひとり

インナーブランディングとは、経営が決めたものをトップダウンで一方的に発信することではありません。従業員一人ひとりが、自分自身がそのブランドの主体者である認識を持ち、自らの言葉で語り、行動する。そうしたブランドを体現する自発的な行動を生み出すまでを含むのです。

東日本大震災時、東京ディズニーランドでの従業員(キャスト)の対応が称賛されました。スターバックスは「第三の場所」を提供するために、アルバイトスタッフが中心となり高いブランド価値を提供し続けています。これがブランドの体現行動であり、このような行動の積み重ねがブランドを形成していきます。どれほど経営者が対外的に「お客様第一主義」を謳っていたとしても、現場の行動が利己的であればむしろ逆効果でしょう。

幸いなことに周年は5年、10年と定期的に訪れます。「周年がくるから何かする」という発想ではなく、「周年を企業の成長戦略に活用する」という発想の転換をすることが重要です。5年ごとに自社のらしさや強みを再認識し、実現したい未来を共通認識とするきっかけにする。

企業の周年イベントを戦略的なインナーブランディング施策のひとつと考えてみると、また違った活用方法が見えてきませんか。

この記事の著者

中島 浩太

株式会社ゼロイン
2008年、株式会社ゼロインに新卒入社。コミュニケーション事業、管理部門、新卒採用、新規事業を経験し、現在はマーケティングと社内広報を担当。

Download

参考資料ダウンロード

すべての参考資料を見る