金融分野を中心とした情報システムの提案・開発・構築・運用などの業務を一括して行う株式会社NTTデータフロンティアは、創立20周年を記念して社員を対象とする周年イベント『創立20周年記念祝賀会』を実施しました。この周年事業では当日以外にも、会社設立からの20年を創り上げてきた社員のみなさんと共に周年を体感できる施策を実現しました。
ゼロインはこの20周年において、周年コンセプト・企画策定コンサルティング、周年ロゴや周年イントラサイトなどの事前施策の企画・制作、周年イベント『周年記念祝賀会』の企画・運営と、約1年にわたるプロジェクトをお手伝いしました。
周年プロジェクトで事務局を務めた経営企画本部 企画担当の江刺隆治さん、柳瀬浩志さん、今仁麻友美さんに、周年プロジェクトへの想いやゼロインのサポートについてお聞きしました。
お客様情報
目的
施策内容
ゼロインのサポート内容
本20周年プロジェクトはコンサルティングフェーズと企画・制作フェーズに分かれています。
コンサルティングフェーズでは、経営層・現場社員へのインタビュー、事務局のみなさんとのディスカッションを3か月かけて行い、周年コンセプトや事前施策を決定しました。
企画・制作フェーズでは、コンセプト・企画にもとづいて各種施策を準備・実行します。周年ロゴや周年イントラサイトで社内を巻き込みながら、10月に開催される周年イベント『創立20周年記念祝賀会』に向けてプロジェクトを進めました。
周年コンセプト策定や施策の企画・立案を目的に、経営層と現場社員の十数名にインタビューを実施しました。一人1時間程度で、20周年で大事にしたいこと、次の10年のありたい姿、会社の魅力、自社が顧客から選ばれる理由、大切にしていきたい価値観など、多角的にインタビューを行い、ディスカッションの土台としました。
社員の巻き込み施策、第一弾として周年ロゴ制作を実施しました。周年ロゴを募集した結果、社内から20件弱のデザイン案が集まり、社内投票で最終デザインを決定しました。応募者の中には、家族と一緒に考えたデザイン案を提出してくださった方もいます。ロゴは周年の各種シーンで活用され、ネックストラップなどにも使用されています。
「社員を知る」が目玉コーナーの20周年特設イントラサイトです。社員は普段、それぞれが担当するお客様先で仕事をしており、誰がどこで働いているのか、お互い見えづらい働き方をしています。
そこで、20周年を迎えるタイミングにどのような仲間が一緒に働いているのか、お互いを知ることを狙いに企画を考案しました。可能な限り全社員に登場してもらえるよう、社内に協力を仰いで担当紹介の記事をアップしてもらいました。社員から写真や動画の投稿ができるページも作成し、社員巻き込み施策の一つとして活用しました。
また、社員の対談を通じて、会社の色や風土、文化の多様さを実感できる企画も公開しています。役職者が持つ会社への想いや思考の背景、若手世代が求める働き方やキャリアの価値観を知ることができる、貴重な機会になりました。
周年イベント『創立20周年記念祝賀会』当日は、オープニング映像に始まり、来賓挨拶、乾杯、OBトークショー、フロンティアクイズ大会、エンディング映像という流れでコンテンツが進行しました。
またノベルティとして、オリジナルプリントのお菓子、ネックストラップ、マイクロファイバークロスが配布され、多くの社員に喜ばれました。
NTTデータフロンティアが誇りとする「品質」「挑戦と開拓」「社会課題の解決」という3つのテーマについて、イメージ映像とアニメーションに落ち着いたナレーションを交えながら3分で伝えます。
人々の日常を支え、安心して利用できるシステムを提供してきたプロフェッショナルとして、お客様と社会への価値提供を続けてきた20年の実績・信頼をあらためて感じると同時に、一人ひとりの笑顔につながっているかけがえのない仕事であることを実感させる映像です。
イベント当日に撮影した映像をつなぎ合わせたキャンディッド映像です。当日プログラムの流れに沿って、参加されたみなさんの笑顔を中心に1本の映像にまとめています。最後は、みなさんが笑顔で手を振る映像を背景に「これからも『仲間と共に』」という未来につながるメッセージで締めました。
ゼロイン:今回の20周年は、どのような背景からゼロインにお問い合わせいただいたのでしょうか。
当社では経営企画本部の企画担当が全社のイベントの事務局を任される立場であり、10周年や15周年も企画担当が担当してきました。「当然、20周年も企画担当がやるもの」と、率先して、1年ほど前から企画立案に携わりました。
10周年のイベントでは、各現場プロジェクトから実行委員メンバーを募り、社員だけで企画から実行までを一貫して実施しましたが、それから10年の月日が経ち、会社規模は2倍近くに膨らみ、現場社員も格段に忙しくなりました。以前のように社内からメンバーを募るわけにもいかず、今回はプロフェッショナルな方々を交え、さまざまな角度から周年イベントを盛り上げたいという観点から周年イベント企画の実績が豊富そうな会社を探して問い合わせをしました。
ゼロイン:みなさまは、過去の周年イベントも担当されてきたのでしょうか。
事務局メンバーは全員、周年プロジェクトに関わるのは初めてでした。というのも、当社は全員がSE採用で、最初は現場に配属されます。スタッフ業務は、現場で経験を積んだ後、異動で3年から5年のスパンで交代するローテーション人事を取り入れています。
企画担当の業務範囲は広く、取締役会の運営や事業計画、労務管理など、事業運営に必要な業務を担当しています。年に2回行うキックオフミーティングも担当していますが、オンライン配信を外注する程度で、イベントに関する知見はほとんどない状態からのスタートでした。
ゼロイン:過去の周年では社内で企画・実行を完結されており、今回の20周年で初めてプロに外注しようと決められたわけですが、どのような観点で委託先の企業を探されたのでしょうか。
プロのイベント会社さんに委託することを決めた後、何社かに話をお聞きしました。各社さんと何度か打ち合わせを行ったのですが、検討を重ねる中で「ゼロインさんにお願いしたいね」という意見が事務局内で一致したので、ゼロインさんへの委託を決めました。理由の一つに、ゼロインさんの文化があります。
実は委託の背景には、20周年という節目の中で「新しい風を社内に取り入れたい」という想いもありました。当社は金融システム開発会社という位置づけから、実績や古き良き伝統を大切にする考え方を大切にしてきました。一方で、時代はデジタル金融が隆盛となり、弊社としても新たな価値観や考え方に適応するというチャレンジも推進しています。
ゼロインさんは当社とはまったく異なる文化をお持ちで、新しい風を取り入れたいという意向にマッチしていました。
ゼロイン:お問い合わせの時点で、「周年イベントについて3か月程度のコンサルティングをしてほしい」というご要望がありました。どのような期待からのご要望だったのでしょうか。
コンセプトや企画を社内だけで考えてしまうと、今までの焼き直しになってしまう恐れがあります。せっかくの機会ですので、まったく新しいアイデアや、外部から当社を見たときの“フロンティアらしさ”を描いてもらった企画に取り組みたいと考えていました。
そもそもの「どんなことをやりたいか」ですら社内では漠然としていたので、いきなり企画を考えるのではなく、コンサルティングを通じてコミュニケーションを重ねる中でゼロインさんに引き出してほしいと思っていました。
ゼロイン:コンサルティングフェーズの中で、記憶に残っている取り組みはありますか。
ゼロインさんから「見立てるシート」をご紹介いただいて、フレームをもとに事務局メンバーで頭の中の考えをあらためて書き出して整理する経験は非常に良かったです。
会社がどのような状態にあって、周年の機会に社員にどのようなことを感じてもらいたくて、会社をどのようにしていきたいか。ゼロインさんにも参加いただき、ディスカッションしながら大きな模造紙を使ってまとめていきましたよね。
もともと当社は社内イベントが多く開催され、社員もイベントを楽しみにする文化がありました。しかし、コロナ禍によって社内イベントは開催できなくなり、テレワークも浸透した結果、組織の団結力が失われかけているのではないか、という危惧がありました。
そこで、周年の機会にもう一度社員が一堂に会することで、「やっぱり私たちはフロンティアの一員だよね」「フロンティアって良い会社だよね」と感じてもらい、次の10年、20年に向けて歩んでいく気運を高められたら、という目的に落とし込むことができました。
ゼロイン:この目的整理に際して、どのような観点で社内や組織を見られていたのでしょうか。
この10年を振り返ってみると、社員の数は大きく増え、仕事の領域も幅広くなりました。働き方は、自社内での仕事よりも、お客様先に出向いての仕事が大半です。
お客様先の環境で仕事をしていると、自社の情報にアクセスする機会は減り、いつの間にか会社との距離が空いてしまいがちです。周年をきっかけとして、自社のあり方や未来をみんなで考える時間を持ち、つながり合うことは非常に良い機会だと思います。
また、「参加した社員に何を感じてほしいか」という観点では、「誇り」というキーワードもあります。社員は前だけを見て仕事に向き合ってきたので、この機会に社外から見た当社の強みや魅力を言語化して伝えることで、「フロンティアで働くことへの誇り」をあらためて感じてほしいと考えました。
私たちの業界はできて当たり前で、基本的に褒められません。そこで、「あなたの仕事は、当たり前のことだけど、すごいことだ」というメッセージを伝えることで、気持ちの根っこに誇りを持てたら良いですよね。
ゼロイン:そうした周年コンセプトの策定から施策の企画、準備と約10か月の期間を経て、周年イベントの本番を迎えました。実際に当日を迎えていかがでしたか。
イベントは、設立期から働いている世代はもとより、入社したばかりの若い世代まで、フロンティアという会社への想いが異なる社員が混在する中で、「みんなに楽しんでもらえる場にしたい」という気持ちで準備してきました。当日は多様な世代が一つになれるイベントになったと思うので、とても良い場でした。
特に映像が印象的でした。映像を制作するという考えが当社内には無かったので、当然費用はかかりましたが、非常に満足いく仕上がりになりました。映像はイベント当日だけでなく記録としても残せるので、未来の社員が「こういう会社だったのか」と振り返ることができるものになったと思います。
イベント内でも、たくさんの喜ばしい言葉をいただきましたし、参加されている社員のみなさんの笑顔からも、楽しんでいただいていることを実感できました。
何より良かったのは、イベント後に本社で二次会を開催したのですが、そこに想像以上の人が集まってくれて、「やっぱり会社のこういうイベントって良いよね」「これからも続けてほしい」という声の中で締められたことです。
20周年を迎えるタイミングで企画担当としてイベント企画に携われたこと、社員のみなさんの笑顔を共有できたことは、事務局としても「誇り」となりました。
ゼロイン:今回の周年プロジェクトを通じて、ゼロインにはどのような印象を持っていただけましたか。
ゼロインさんには、当社の周年を一緒につくっていく“仲間”として関わっていただけました。人あたりが非常に良くて、相談ベースでいろいろと聞いていただきましたよね。
イベント当日の運営には何も言うことがなく、安心してお任せできました。特にイベント進行のディレクターの方が印象的で、当日のリハーサル段階で修正点が発生した際にも、的確なご提案をいただけました。
プロジェクトの振り返り資料を残していただけたことも助かりました。こうした資料をつくるのは大変なのですが、プロジェクトの全体像や取り組み施策、制作物、フィードバックやアンケートまでまとめていただいて、事務局の負担が大きく軽減されました。
ゼロイン:最後に、組織づくりや社内コミュニケーションについて今後の展望を教えてください。
当社は10年、15年、20年と歴史を重ねながら成長曲線を描いてきました。その過程には、さまざまな仕事や想いが詰まっているので、そうした伝統を忘れることなく、一方では新しいことに挑戦していく姿勢が重要です。世の中も変化しているので、良いところを残しながら、時代に合わせてやり方や形を変えていかなければなりません。
そのためには、一人ひとりが会社の向かう方向を理解し、どうすれば社員が幸せになるのかを考えながら取り組むことが必要です。世代による考え方は異なり、価値観も多様化していますが、違うからといって拒絶するのではなく交わるところを探すことが重要ですよね。
全社イベントは、日々の業務を離れたところで、今一度、社員としての想いと繋がりを再確認できる大事な時間だと、今回の周年を通じてあらためて実感しました。こうした機会は今後も大切にしていきたいので、社内からいろいろな想いを引き出し、新しいことや未来に向けた一投を投げ込んでいきながら、より効果的な機会を生み出せればと思っています。
この記事の著者
中島 浩太
株式会社ゼロイン
2008年、株式会社ゼロインに新卒入社。インナーブランディング・社内コミュニケーション施策をプロデュースするコミュニケーションデザイン事業、ゼロインの管理部門、新卒採用担当、新規事業を経て、現在はコーポレートブランディング室において広報(社内広報・社外広報/PR)とマーケティングを担当。
インターナルブランディングの魅力的な取り組みを紹介するウェブメディアCAPPYの編集長として、さまざまな企業における企業文化づくりや組織活性化の取り組みを取材。