インナーブランディング支援会社の選び方

  • 更新日: 2026.09.25
  • 公開日: 2026.09.25

インナーブランディング支援会社を選ぶ際は、施策の内容や実績だけでなく、どのような変化を社員・組織に生みたいかを明確にすることが大切です。本記事では、依頼領域別の比較ポイントと、提案・実績・見積もりの確認方法を解説します。社員主体の理念策定や周年事業、社内表彰制度の支援事例も紹介しますので、自社に合うパートナー選びにお役立てください。

目次

インナーブランディング支援会社を選ぶ前に、目的と依頼領域を整理する理念の新設・見直しが必要なのか、既存理念の浸透・実践が課題なのかを整理する支援範囲を「戦略設計・理念策定・浸透施策・制作運営」の4領域で確認する全体支援か部分支援か、社内体制と不足している役割から決める【戦略設計の比較軸】施策ありきではなく、人・組織の「ありたい姿」から設計できるか経営の目指す方向と社員の実態を、双方への調査・対話で捉えられるか期待する社員の行動を具体化し、現状とのギャップから優先課題を絞れるか既存の取り組みも生かしながら、目標・対象者・施策を一つの計画につなげられるか【理念策定の比較軸】言葉の完成度だけでなく、社員が当事者になるプロセスを設計できるか自社の歴史・強み・大切にしてきた価値観を掘り下げられるか経営の想いと社員の声をつなぎ、納得感を持って理念をつくる場を設計できるか理念の意味を、日々の仕事における判断や行動まで具体化できるか【浸透施策の比較軸】一度の発信で終わらせず、社員の体験と日常の実践をつなげられるか社員総会・周年・社内メディアを、共通の目的とストーリーでつなげられるかワークショップや職場での対話、表彰を通じて、理念を仕事に結びつけられるか参加率や満足度だけでなく、理解・共感・実践の状況を確認し、施策を見直せるか【制作・運営の比較軸】戦略の意図を、制作物と現場の運営に落とし込めるか得意な媒体や演出を勧めるだけでなく、目的と企業文化に合う手法を提案できるか制作物・プログラム・事前事後の発信に、一貫したメッセージを反映できるか社内調整・協力会社管理・事務局業務まで、必要な実行支援を担えるか提案・実績・見積もりで確認したい、契約前の比較ポイント実績は企業名や開催規模だけでなく、「課題・担当範囲・確認できた変化」で比較する実際の担当者の経験と体制、顧客側に必要な工数・意思決定を確認する費用は支援範囲・成果物・期間・追加費用の条件をそろえて比較する実施後の効果検証や改善支援が、どこまで契約に含まれるか確認するゼロインの支援事例に見る、目的整理から理念づくり・企画実行までの進め方北辰不動産|社員主体の対話を通じたプロミス・カルチャー策定ジェイエムエス|周年事業の目的整理から、社員参加のプロミス策定・各種制作まで支援ローソン|挑戦を共有する表彰制度の設計から、事務局・イベント運営まで支援G.A.グループ|30周年を機に、歴史の棚卸しと社員参加のパーパス策定を実施大和ライフネクスト|新ビジョンの発表から、日常で触れる施策と表彰へ展開茨城いすゞ自動車|経営方針を現場の仕事に結びつける社員総会メンバーズ|2,300人の対話まで設計したハイブリッド社員総会まとめ|理念を「つくる・伝える」の先まで見据えて、支援会社を選ぶ

インナーブランディング支援会社を選ぶ前に、目的と依頼領域を整理する

支援会社への相談に先立ち、まずは「何を依頼したいか」だけでなく、「なぜ取り組むのか」を整理しましょう。具体的な施策が決まっていなくても、現状の課題と目指したい方向を共有できれば、必要な支援を検討しやすくなります。

理念の新設・見直しが必要なのか、既存理念の浸透・実践が課題なのかを整理する

同じ「理念が浸透していない」という悩みでも、確認したい状況は異なります。

事業の変化によって既存の理念と目指す未来にずれが生じているなら、理念体系の見直しが検討対象になります。一方、理念の方向性に問題はなくても、社員が言葉の背景を知らなかったり、自分の仕事との関係を理解できていなかったりするなら、共有方法や実践を支える仕組みから見直す選択肢があります。

「理念の言葉を変えること」と「理念を生かすこと」を分けて考えると、依頼すべき内容が明確になります。

初期相談では、「理念をつくり直したい」と結論だけを伝えるのではなく、どのような場面で課題を感じたのか、これまで何に取り組んだのかも共有しましょう。施策の希望だけでなく、その背景まで聞いてくれるかは、支援会社を見極める最初のポイントです。

支援範囲を「戦略設計・理念策定・浸透施策・制作運営」の4領域で確認する

本記事では、インナーブランディングの依頼内容を4つの領域に分けて整理します。

これは会社を4種類に分類するものではありません。一つの会社に複数領域を依頼する場合もあれば、領域ごとに異なるパートナーと進める場合もあります。

比較する際は、「インナーブランディングに対応しています」という説明だけで判断せず、各領域で何を、どこまで担当するのかを確認しましょう。理念策定でも、経営者へのインタビューを中心に言葉を提案する進め方と、社員が参加するワークショップから設計する進め方では、プロジェクトの内容が異なります。

全体支援か部分支援か、社内体制と不足している役割から決める

依頼範囲は広ければ良いわけではなく、社内で担えることとの組み合わせで考える必要があります。

社内で目的や戦略が明確になっている場合は、ワークショップの設計・進行や映像制作など、特定の領域を委託する方法があります。一方、目的整理から複数施策の実行まで必要で、全体を管理する人員も不足している場合は、戦略設計とプロジェクトマネジメントをまとめて相談する方が進めやすいでしょう。

また、全体を委託する場合も、経営としての方針決定や社内への説明まで、外部にすべて任せられるわけではありません。経営層、事務局、現場社員、支援会社がそれぞれ担う役割を整理することが大切です。

「ワンストップ」という言葉だけで比較せず、自社に残る業務と、委託によって補える業務を具体的に確認することをおすすめします。

【戦略設計の比較軸】施策ありきではなく、人・組織の「ありたい姿」から設計できるか

戦略設計を依頼する際は、施策のアイデアだけでなく、現状をどう捉え、どのような順序で課題に取り組むのかを確認しましょう。魅力的な企画であっても、自社の課題や目標との関係が説明できなければ、実施の判断は難しくなります。

経営の目指す方向と社員の実態を、双方への調査・対話で捉えられるか

経営が伝えたいことと、社員が受け取っていることは、必ずしも一致しているとは限りません。

経営が「新しい挑戦を歓迎する」と発信していても、社員は「何を提案すればよいか分からない」「通常業務との優先順位を判断できない」と感じているかもしれません。この場合、発信量を増やす前に、行動を妨げている要因を確かめる必要があります。

支援会社には、経営層へのヒアリングに加え、管理職や社員の声をどう把握するのか、既存のアンケート結果をどう活用するのかを確認しましょう。

ゼロインでは、経営者インタビューや現場への調査を通じて現状を把握し、理念を体現している人・組織の状態を具体化します。調査そのものを目的にするのではなく、得られた情報をコミュニケーションのテーマや施策の優先順位につなげていきます。

※参考:サポート範囲(コミュニケーション戦略設計)

期待する社員の行動を具体化し、現状とのギャップから優先課題を絞れるか

「一体感を高める」「理念を浸透させる」といった目標は、そのままでは実施後の変化を判断しにくいものです。

一体感を目指す場合でも、「他部署の役割を理解している」「困ったときに部署を越えて相談する」「共通の目標に向けて協働する」では、目指す状態が異なります。

支援会社を比較する際は、抽象的な目標を、社員の発言や行動として確認できる状態まで具体化してくれるかを見てみましょう。そのうえで、「現在どこまで実現しているか」「何が不足しているか」「最初に誰へ働きかけるか」を整理できれば、施策の選択にも理由が生まれます。

提案を受ける際は、「この企画を実施すると、誰にどのような変化が起きると考えていますか」と質問すると、企画と目的のつながりを確認しやすくなります。

既存の取り組みも生かしながら、目標・対象者・施策を一つの計画につなげられるか

戦略設計は、新しい施策を増やすことだけではありません。既存の社員総会、社内報、研修、面談などを、目的に沿って見直すことも選択肢です。

社員総会では新方針を伝え、職場での対話では自分たちの業務との関係を考え、社内報では実践事例を紹介する。それぞれの役割が明確になれば、個別に実施していた取り組みを、一つの計画として捉え直せます。

ゼロインのコミュニケーション戦略設計では、既存の社内施策を整理し、対象者や目的、情報に触れる機会を踏まえて、施策同士のつながりを設計しています。新規施策の提案だけでなく、社内にある取り組みをどう生かすかも大切にしています。

※参考:サポート範囲(コミュニケーション戦略設計)

【理念策定の比較軸】言葉の完成度だけでなく、社員が当事者になるプロセスを設計できるか

理念策定では、完成した言葉の分かりやすさや表現力に加え、「その言葉がどのように生まれたか」も確認したいポイントです。社員が理念を受け取るだけでなく、自社の未来を考える機会として、策定プロセスを活用できるかを比較しましょう。

自社の歴史・強み・大切にしてきた価値観を掘り下げられるか

理念を見直す際は、新しさだけを追うのではなく、これまで受け継いできたものと、これから変えたいものを整理することが大切です。

「お客様からどのような仕事を評価されてきたのか」「困難な局面で何を優先してきたのか」「社員が誇りに感じる経験は何か」。こうした具体的な出来事から考えると、自社らしさを抽象的な言葉だけで捉えずに済みます。

支援会社には、過去の資料や経営者の考えをどのように読み解くのか、社員や顧客の声をどう扱うのかを確認しましょう。既存の経営理念や行動指針がある場合は、新たな言葉との役割の違いも整理する必要があります。

言葉を増やすこと自体が目的になっていないか、それぞれの言葉を社員がどう使うのかまで説明できるかが、比較のポイントです。

経営の想いと社員の声をつなぎ、納得感を持って理念をつくる場を設計できるか

社員参加型の理念策定を検討する場合は、「ワークショップを開催する」という説明から、もう一歩踏み込んで確認しましょう。

誰が参加するのか、どのようなテーマで対話するのか、参加しない社員の意見はどう集めるのか。そして、議論した内容を誰が整理し、最終的にどのような手順で決めるのか。これらが明確になっていることが重要です。

社員参加は、多数決で理念を決めることでも、経営の判断を社員に委ねることでもありません。経営として大切にする方向性を共有しながら、社員自身の経験や実現したい未来を持ち寄り、言葉の意味を深めていく進め方が考えられます。

ゼロインが重視しているのは、経営からの発信に、社員の対話や参画を組み合わせることです。理念の文案を提示するだけでなく、社員が会社・事業の未来づくりに関わるプロセスを設計します。

※参考:ゼロインの強み

理念の意味を、日々の仕事における判断や行動まで具体化できるか

理念が完成した段階で、「この言葉を自分の仕事でどう実践するのか」を考える準備も進めておきましょう。

「挑戦」を大切にする理念であれば、営業活動、新商品開発、業務改善など、職種ごとに実践の形は異なります。全社員に同じ行動を求めるのではなく、共通の価値観をそれぞれの仕事に結びつけて考えられることが重要です。

支援会社には、理念の背景や解釈をまとめる資料だけでなく、社員同士が話し合う問い、管理職向けの説明資料、実践事例の共有方法まで提案できるかを確認しましょう。

「言葉を納品して終わり」なのか、「その言葉を社内で使い始める準備まで行う」のかを確認することで、策定後に必要となる業務も見通しやすくなります。

【浸透施策の比較軸】一度の発信で終わらせず、社員の体験と日常の実践をつなげられるか

浸透施策を比較する際は、社員に何回伝えるかだけでなく、社員が何に触れ、何を考え、どのように仕事へ生かすのかを確認しましょう。施策の種類や数よりも、実践に至る道筋が重要です。

社員総会・周年・社内メディアを、共通の目的とストーリーでつなげられるか

同じメッセージを繰り返し掲載することと、理解を深める機会を重ねることは異なります。

新しい理念を発表する場合、事前には策定の背景や社員の声を紹介し、発表当日は経営の想いや言葉に込めた意味を共有する。その後、職場での対話を通じて仕事との接点を考え、実践した社員を社内メディアで紹介する、という展開が考えられます。

このように、各施策で扱う内容と社員に期待する変化を分けることで、単なる情報の繰り返しではない計画をつくれます。

ゼロインでは、社内浸透のゴールや段階を設定し、複数のコミュニケーション施策を年間の計画として設計しています。イベントの当日だけでなく、その前後を含めた働きかけを検討することが特徴です。

ワークショップや職場での対話、表彰を通じて、理念を仕事に結びつけられるか

理念の発表後は、社員が自分の経験や業務に引き寄せて考える機会を検討しましょう。

ワークショップであれば、「理念に共感しましたか」と聞くだけでなく、「すでに理念を体現している仕事は何か」「次にどのような行動を試したいか」を話し合う方法があります。表彰では、結果だけでなく、その仕事で大切にした判断や行動を共有する設計も考えられます。

また、管理職が職場で対話を進められるよう、問いや進行方法を準備することも重要です。実施を依頼するだけでなく、現場で続けられる方法まで検討できるかを確認しましょう。

なお、理念の実践を促す際は、日常のマネジメントとの整合性も欠かせません。挑戦を求めながら、試行する時間が認められない状態であれば、発信内容だけを変えても課題は残ります。コミュニケーションで対応することと、業務運営や制度で見直すことを分けて考える必要があります。

参加率や満足度だけでなく、理解・共感・実践の状況を確認し、施策を見直せるか

施策の実施後は、参加人数や満足度に加え、当初の目的に対応した変化を確認しましょう。

理念浸透が目的であれば、「理念の意味を自分の言葉で説明できるか」「仕事とのつながりを考えられるか」「理念を意識して判断した経験があるか」などが、確認項目の候補になります。アンケートだけでなく、社員へのインタビューや具体的な実践事例も組み合わせて捉えるとよいでしょう。

ただし、エンゲージメントや社員の行動は、インナーブランディング以外の要因にも影響を受けます。数値が変化したからといって、すべてを施策の効果と判断するのではなく、組織や事業の状況も踏まえて解釈することが必要です。

支援会社には、何を測るかだけでなく、結果をどう読み解き、次の施策にどう反映するかまで確認しましょう。

【制作・運営の比較軸】戦略の意図を、制作物と現場の運営に落とし込めるか

制作・運営を依頼する際は、成果物の品質とともに、企画の背景を理解して具体化する力を確認しましょう。戦略設計と実行の間で、目的やメッセージが途切れない体制をつくることが重要です。

得意な媒体や演出を勧めるだけでなく、目的と企業文化に合う手法を提案できるか

映像の表現力やイベントの運営力は、委託先を選ぶうえで大切な判断材料です。ただし、手法をまだ決めていない段階では、「何をつくれるか」に加えて、「なぜその手法が自社に適しているか」を確認しましょう。

社員の認識を確かめたい段階なのか、方向性を広く共有したい段階なのかによって、優先したい取り組みは変わります。提案された手法以外の選択肢や、実施しない方がよいことまで議論できると、判断しやすくなります。

ゼロインは、コミュニケーションの企画設計とプロジェクトマネジメントを軸に、実制作では外部のプロダクションを組み合わせてチームを編成します。特定の制作手法を出発点にするのではなく、組織課題や目的に応じて手法を選び、実行体制をつくることを強みとしています。

制作物・プログラム・事前事後の発信に、一貫したメッセージを反映できるか

複数の施策を実施する場合は、デザインを統一するだけでなく、伝える内容や体験の順序にも一貫性が必要です。

支援会社には、経営メッセージ、映像、イベントプログラム、社内向けの告知などを、どのような考え方でつなぐのかを確認しましょう。ゼロインでは、対象者に何を、どの順番で届けるかを設計し、メッセージの整理から事前・事後施策まで企画に反映しています。

富士酸素工業株式会社様の100周年プロジェクトでは、社員主体のプロミス策定に加え、映像や周年記念特設サイトなどの企画・制作を支援しました。特設サイトでは、完成したプロミスだけでなく、策定プロセスや参加社員の想いも紹介しています。理念をどのようにつくり、どう伝えるかをつないだ事例です。

社内調整・協力会社管理・事務局業務まで、必要な実行支援を担えるか

実行段階を見据えると、企画書に記載された施策以外にも確認すべき仕事があります。関係部署との調整、社員への案内、協力会社との連絡、制作物の確認、予算・スケジュールの管理などです。

比較する際は、「イベント運営を担当する」「制作を進行する」という大きな括りだけでなく、誰が何を担当するのかを具体化しましょう。社員参加型のプロジェクトでは、参加者の募集や日程調整、事前課題の案内といった業務も確認対象になります。

ゼロインでは、お客様の社内体制に応じて役割を設計し、進行管理や発注先との調整、広報・問い合わせ対応などの事務局業務も支援しています。企画を提案するだけでなく、事務局とともに実行を進める体制まで相談できます。

※参考:サポート範囲(プロジェクトマネジメント)

提案・実績・見積もりで確認したい、契約前の比較ポイント

必要な支援領域が見えてきたら、複数社の提案を同じ条件で比較しましょう。ここでは、実際の商談や見積もり確認で押さえておきたいポイントを紹介します。

実績は企業名や開催規模だけでなく、「課題・担当範囲・確認できた変化」で比較する

実績を見る際は、有名企業の名前や参加人数だけでなく、自社の課題に近い取り組みかどうかを確認しましょう。

同じ周年事業でも、感謝の伝達を中心にした企画と、社員主体の理念策定を含む企画では、求められる支援が異なります。また、プロジェクト全体の実績であっても、その会社が担当したのは一部の制作や運営かもしれません。

商談では、「当社に近い課題に対して、どのような提案をしましたか」「御社はどこからどこまで担当しましたか」「実施後に何を確認しましたか」と質問すると、支援内容を具体的に理解できます。

目指したこと、実施したこと、確認できた変化を分けて説明できるかも重要です。顧客の感想と、調査によって確認した結果を区別して捉えましょう。

実際の担当者の経験と体制、顧客側に必要な工数・意思決定を確認する

会社としての実績に加え、実際に担当するメンバーと役割分担も確認しましょう。

理念策定であれば対話の設計・進行を誰が担うのか、複数施策を実行する場合は全体を誰が管理するのか、制作担当者へ背景をどう共有するのかが確認項目になります。

同時に、自社側に必要となる時間や判断も確認します。経営層が参加する打ち合わせ、社員への調査、制作物の確認などを、いつまでに誰が行うのかを整理しておけば、実現可能なスケジュールか判断しやすくなります。

提案内容への理解を深めるには、「なぜこの進め方なのか」「社内調整が難しい場合はどうするか」といった質問も有効です。自社の制約を踏まえて代案を検討できるかを見てみましょう。

費用は支援範囲・成果物・期間・追加費用の条件をそろえて比較する

見積もりは総額だけでなく、含まれる業務と前提条件をそろえて比較しましょう。

理念策定の費用には、調査の対象人数、ワークショップの回数、言語化する範囲、浸透ツールの制作など、確認すべき条件があります。イベントや映像制作を含む場合も、制作本数や修正回数、当日の運営範囲などを確認する必要があります。

費用を抑えたい場合は、単に同じ業務の値下げを求めるのではなく、優先順位を決めて段階的に進める、既存の制作物や社内の運用体制を活用するなど、依頼範囲そのものを相談する方法もあります。

実施後の効果検証や改善支援が、どこまで契約に含まれるか確認する

契約前には、プロジェクトの終了地点も確認しましょう。理念の納品、発表イベントの実施、実施後の調査・振り返りでは、支援が終わるタイミングが異なります。

特に浸透や実践を目指す場合は、実施後の結果を誰が分析し、次の取り組みを誰が決めるのかまで整理しておくことが重要です。

継続支援を依頼する場合は、打ち合わせの頻度や改善提案の範囲を確認します。社内で運用を続ける場合は、進行資料や調査項目、判断の背景を引き継いでもらえるかも確認しましょう。

外部支援がある期間だけでなく、終了後に自社で何を続けられる状態にするのかを、あらかじめ話し合うことをおすすめします。

ゼロインの支援事例に見る、目的整理から理念づくり・企画実行までの進め方

ここからは、支援会社を比較する際の参考となるゼロインの事例を紹介します。完成した施策だけでなく、顧客の課題とゼロインが担当した役割に注目してご覧ください。

北辰不動産|社員主体の対話を通じたプロミス・カルチャー策定

北辰不動産株式会社様は、創立60周年を機に、プロミスとカルチャーを社員主体で策定しました。プロミス策定には若手・中堅社員が中心となって参加し、カルチャー策定では全社員がワークショップに参加しています。

ゼロインは、約半年にわたってプロジェクトやワークショップの設計、対話の進行、言語化、既存理念との体系整理を支援しました。お客様へのインタビューでは、策定した言葉が日常の会話で使われるようになったことも紹介されています。

この事例で比較の参考となるのは、理念文の提案だけでなく、社員が自社の未来を考え、言葉を決める過程まで支援している点です。社員参加型の理念づくりを検討する際に、参加者の設定や対話の進め方を確認できる事例です。

ジェイエムエス|周年事業の目的整理から、社員参加のプロミス策定・各種制作まで支援

株式会社ジェイエムエス様は、2025年の創立25周年に際し、職種や拠点などの垣根を越えた一体感を目指してプロジェクトに取り組みました。

具体的な進め方を模索する段階で3社を比較され、ゼロインは、背景を理解した提案や、言葉になっていない想いを引き出す対話が評価されました。その後、目的や課題を整理するワークショップから、社員主体のプロミス策定、周年ロゴ、記念サイト、記念品まで支援しています。

この事例は、施策が決まっていない段階での支援会社選びの参考になります。提示された要件への対応力だけでなく、課題や目指す状態を一緒に明確にする力も、パートナーを選ぶ理由になっています。

ローソン|挑戦を共有する表彰制度の設計から、事務局・イベント運営まで支援

株式会社ローソン様の『自律型挑戦大賞』では、現場で生まれた仕事やナレッジを共有し、社員の自発的な挑戦を促す仕組みづくりを支援しました。

ゼロインは、制度のコンセプトや応募の仕組み、3か年の展開計画から、事務局、発表の支援、制作・イベント運営まで担当しました。公開事例では、開催を重ねる中で、個人の応募からチーム、さらに部門を横断した取り組みへと応募内容が変化したことが紹介されています。

表彰式の当日だけでなく、どのような行動を称賛し、社内に広げるかという制度設計まで含めた事例です。理念や方針に沿った行動を共有する仕組みを検討する際に、設計と運営のつなぎ方を参考にできます。

G.A.グループ|30周年を機に、歴史の棚卸しと社員参加のパーパス策定を実施

G.A.グループ株式会社様は、創業30周年を機に、自社の価値や強み、これから目指す姿を言語化するプロジェクトに取り組みました。背景には、事業の社会的意義や社員の魅力を社内外へ十分に伝え切れていないという課題がありました。

ゼロインは、歴史の棚卸しとパーパス策定のワークショップ設計・進行、プロジェクトの進行管理を支援しました。若手を中心とする選抜メンバー20名が、合宿を含む全8回の対面ワークショップで議論を重ねています。公開事例では、参加メンバーが朝礼で進捗を共有し、社内の会話でも「パーパス」という言葉が使われ始めたことが紹介されています。

理念の文案だけでなく、社員が会社の歴史や未来を考える機会をどう設計するかが比較のポイントになる事例です。策定プロセスへの参加が、社員の発信や次世代リーダーの経験につながった点も参考になります。

大和ライフネクスト|新ビジョンの発表から、日常で触れる施策と表彰へ展開

大和ライフネクスト株式会社様は、新ビジョンと行動指針『DLN SPIRIT』を策定し、約2,000名の社員が参加するお披露目イベント『DLN Spirit Day』を開催しました。経営層による説明に加え、策定に携わった社員が言葉に込めた想いや具体的な行動を自分たちの言葉で伝え、参加者からの投票やコメントも取り入れています。

発表後には、策定の背景を振り返る『SPIRIT BOOK』の配布、自分の仕事と結びつけて考えるグループワークショップ、体現した行動を称賛するアワードへと展開しました。公開事例によると、アワードには初回で400件を超える応募がありました。

ビジョンを発表する当日の体験と、その後に社員が意味を確かめ、行動を共有する機会をつなげた事例です。支援会社を比較する際は、発表後の施策や運用を含め、どこまで伴走するかを確認する参考になります。

茨城いすゞ自動車|経営方針を現場の仕事に結びつける社員総会

茨城いすゞ自動車株式会社様は、設立75周年と新しい中期経営計画の発表に合わせ、経営方針の理解・浸透を目的とする社員総会を開催しました。ゼロインは企画、プロジェクト進行、映像や資料の制作、会場調整、当日の運営・統括を支援しています。

会では、部門トップがビジョン・戦略を自部門の仕事に引き寄せて語り、お客様の声を映像で紹介しました。また、同社が大切にするValue「7つのこだわり」について、社員が日々どう実践しているかを映像で伝えています。経営からの発信に、部門や顧客、現場社員の視点を重ねた構成です。

抽象的な方針を、部門ごとの役割や日常の行動としてどう具体化するかが分かる事例です。映像やトークセッションの表現だけでなく、社員が自分の仕事との接点を考えられる企画になっているかを比較できます。

メンバーズ|2,300人の対話まで設計したハイブリッド社員総会

株式会社メンバーズ様は、約2,300人が参加するグループ社員総会『Social Value Meeting』を、オンラインとオフラインを組み合わせて開催しました。ミッション・ビジョンを日常業務に結びつけるため、社員による取り組みの発表と、全員が参加するワークショップを実施しています。

ゼロインは、社員プレゼンテーションの支援やワークショップの企画・設計に加え、会場・配信環境の手配、制作物、当日の進行・統括まで担当しました。ワークショップでは仕事のやりがいや実現したい未来を話し合い、チームごとに仕事を通じて発揮したい社会的価値を『Social Value宣言』としてまとめています。

大人数のイベントでも、情報の伝達だけで終わらず、参加者同士の対話と仕事への接続を設計できるかを考える参考になります。企画内容と、参加者を支える配信・運営体制の両方を比較したい事例です。

まとめ|理念を「つくる・伝える」の先まで見据えて、支援会社を選ぶ

インナーブランディング支援会社を選ぶ際は、自社に必要な依頼領域を整理したうえで、社員・組織に起こしたい変化から提案を比較することが重要です。

理念の表現力や制作・運営の品質に加え、経営と現場をどう理解するか、社員がどのように参加するか、施策同士をどうつなぐか、実行と改善を誰が担うかまで確認しましょう。対応範囲の広さだけでは見えない、支援の考え方や進め方の違いが分かります。

ゼロインは、理念の策定から社内への展開・浸透、実践を促す施策まで支援しています。完成した言葉や制作物を届けるだけでなく、社員が自社の未来づくりに関わるプロセスと、取り組みを実行する体制をともにつくっていきます。

「理念を策定したいが、どのように社員を巻き込めばよいか分からない」「社員総会や周年事業を、その後の組織づくりにつなげたい」といった段階でも、目的や課題の整理からご相談いただけます。インナーブランディング支援サービスをご覧のうえ、ご相談・お問い合わせください。

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この記事の著者

中島 浩太

株式会社ゼロイン
2008年、株式会社ゼロインに新卒入社。インナーブランディング・エンゲージメント向上施策をプロデュースするコミュニケーションデザイン事業、新卒採用、新規事業を経て、現在はコーポレートブランディング室の責任者として全社のブランディングを推進。
インターナルブランディングの魅力的な取り組みを紹介するウェブメディアCAPPYの編集長として、上場企業からスタートアップ企業まで、幅広い企業の文化づくりや組織活性化の取り組みを取材。

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