周年事業・周年イベントの進め方!会社の周年記念の基本を解説

周年事業・周年イベントの進め方!会社の周年記念の基本を解説

企業の創業・設立から5年、10年ごと訪れる節目は「周年記念」と呼ばれ、企業によっては節目に応じて周年事業・周年イベントが行われます。対象は従業員のみならず、従業員の家族や取引先、消費者、地域・社会といった社内外のステークホルダーまで広がる、絶好のコミュニケーション機会です。

周年記念の効果的な活用は、ブランド強化やエンゲージメント向上を生みだすことができ、それらを原動力としてさらなる企業成長・事業拡大へとつながるきっかけとなります。

このように、周年記念は企業において効果的なコミュニケーション機会である一方、5年や10年あるいはそれ以上の間隔を空けての開催となるため、適切な進め方が分からず、周年が持つポテンシャルを十分に発揮できない会社も少なくありません。

実際ゼロインにも、いざ周年記念の実施が具体的に検討され、事務局やプロジェクトメンバーに任命されたものの、「過去に実施したことはあるが、記録が残っていない」「はじめての開催で、何から手をつければ良いか分からない」といった悩みが非常に多く寄せられます。

そこで、企業の周年事業・周年イベントを多数プロデュースする株式会社ゼロインが、周年事業・周年イベントの基本の考え方や、テーマ・目的の考え方、周年プロジェクトのフェーズ・スケジュールなど、企業の周年記念を成功に導く「周年事業・周年イベントの進め方」を解説します。

※周年企業の企画・設計に役立つ資料&事例集を無料ダウンロード
周年事業・周年イベントを戦略的に活用する!周年記念の企画・設計の考え方&事例集

目次

企業の周年事業・周年イベントとは周年記念の進め方:前提となる基本の考え方「周年事業」の言葉の意味から周年を捉えなおす周年記念は一日で終わらせず、ストーリーでつなぐ周年記念の進め方:周年のテーマ・目的の考え方周年タイミングによる周年テーマの違いとは周年記念の進め方:周年施策・企画を考える周年記念の代表的な施策・企画周年記念の進め方:周年の効果を最大化するどのようにエンゲージメントを高めるかインサイドアウトの考え方周年記念の進め方:フェーズ・スケジュール構想・方針検討フェーズ(周年の約2年前〜)企画設計フェーズ(周年の約1年前〜)実施フェーズ(周年イヤーの1年間)事後フェーズ(周年後)周年記念の進め方:周年を成功に導くポイント周年事業・周年イベントの目的・ゴール整理周年プロジェクトの体制づくり外部委託会社の活用検討と選定周年事業・周年イベントの成功事例プロミス策定とブランドリニューアルで次の100年へ!富士酸素工業の100周年プロジェクト1年をかけて取り組んだTMJ30周年プロジェクト!全従業員が周年に触れる機会づくりブランドリニューアルで新たな未来を目指す!シンクロ・フードの設立20周年記念イベントハイブリッド型周年イベントへの挑戦!70周年事業で感じる仕事の価値と誇りAGC110周年プロジェクトの最後を飾る、家族参加型の周年イベント『Aフェス』20周年式典は、100年続く企業を実現する「はじめの一歩」20周年イベントは、お客様を招待した「感謝の集い」で最上のおもてなし周年事業・周年イベントの事例一覧関連お役立ちセミナー周年記念の進め方でお悩みの場合はゼロインへ

企業の周年事業・周年イベントとは

企業の周年記念は、創業・設立から5年ごと、あるいは10年ごとの、切りの良いタイミングで実施される傾向にあります。ただし、企業によっては創業・設立記念日を毎年祝う場合もありますし、3年や7年といった企業独自の周期で祝う場合もあります。

周年事業・周年イベントは、そうした周年記念に実施される企業の取り組みです。「一定の目的」をもって企画・実施され、その対象や内容は企業によって千差万別ですが、多くの場合、周年を彩る象徴的な施策として周年イベントが実施されます。

周年イベントは、周年式典や周年パーティー、社外向けであれば「感謝の集い」と呼ばれることもあります。

関連ブログ:企業の周年事業・周年イベントとは?成功事例や人気企画を紹介

関連ブログ:お客様向けの周年イベント・周年事業とは?企画や事例を紹介

周年事業・周年イベントの企画・設計ノウハウが詰まった資料を無料で公開中!
経験豊富な周年プランナーへの無料個別相談会も、随時受付中です!

参考資料をダウンロードする 周年無料相談会に申し込む

周年記念の進め方:前提となる基本の考え方

「周年事業」の言葉の意味から周年を捉えなおす

周年記念における企業の取り組みは「周年事業」とよく表現されます。なぜ事業と呼ばれるのでしょうか。事業という言葉には、「社会的に意義のある大きな仕事」という意味があります。実際に、周年記念は1年以上前から準備に取り組まれることが多く、事務局にとっては日常業務とは異なるイレギュラーなミッションとして任命される、大きな仕事です。

ここで注目したいのは、事業には「社会的に意義のある仕事」という意味が含まれる点です。では、どのように周年記念に「社会的に意義のある仕事」という視点を盛り込めるのでしょうか。

周年は、企業における歴史の節目となるものです。創業時、創業者は社会にどのような価値を提供しようと考えていたのでしょうか。そうした創業の志やこれまでの会社の歩みは、残念ながら歴史を重ねる中で薄れてしまいがちです。あらめてステークホルダーと共有し、創業の志の実現に向けて社内外を巻き込みながら、協働や応援を増やすことが必要になっているかもしれません。

あるいは、劇的に変化し続ける正解のない不確実な社会の中で、未来に向けてどのような顧客課題ひいては社会課題に向き合い、何を大事にしていくのかを捉えなおすことで、理念やビジョン・ミッションを新たにし、それを周知していくことが求められるかもしれません。

いずれにしても、周年記念を過去や現状、未来に向き合う機会と捉えて施策を企画・実行していくためには、「社外(社会)にどのような価値を提供していきたいか」「どのような社会を実現したいか(ビジョン)」に向き合う必要があります。一社一社が社会をより良くするために取り組む周年事業は、社会的意義のある大きな仕事と明言できるのではないでしょうか。

周年記念は一日で終わらせず、ストーリーでつなぐ

5年、10年に一度しか実施されない周年記念は、社内外から注目されやすく、「周年だから」という枕詞は変革の機会に活用する口実にもなります。事業には、「営利など一定の目的を持って継続的に営む経済活動」という意味もありますが、目的や利益を企業の変革や成長と置いて、周年を積極的に有効活用していくという発想が重要です。

つまり創業記念日一日だけのイベントごとで終わらせるよりも、周年期間を半年や1年と中期的に設定して、この期間にさまざまな施策やコミュニケーション機会を散りばめるやり方です。新しいブランドやメッセージは一度の伝達ではなかなか伝わらず、何度も繰り返し反芻(はんすう)することで理解や共感が深まっていきます。つまり、周年期間を用いてステークホルダーとの接点を継続的に持つことで、その効果を高めることができるのです。

「複数の周年施策をいかに一つのストーリーとしてつないでいくか」「事前準備のプロセスから事後まで経営陣や従業員をいかに巻き込んでいけるか」は、限られた予算とリソースの中で目的を達成するためにも重要な要素です。

こうした周年記念の取り組みは、社外に発信していくことで、PR効果も期待できます。すべてが終わった後にイベントレポートだけを綺麗に公開するのではなく、プロセスも含めて何度も繰り返し発信することで、注目や共感の創出へとつながっていきます。

周年記念の進め方:周年のテーマ・目的の考え方

周年タイミングによる周年テーマの違いとは

周年記念において、周年事業・周年イベントの目的は企業によってさまざま設定され、会社の状況や課題、組織文化やコンディションによって変化するため千差万別です。

傾向としては「ステークホルダーへの感謝と期待感の醸成」「組織への帰属意識の醸成や、従業員の一体感づくり」「企業ブランド(ビジョン・ミッションなど)の策定やその浸透」などが挙げられます。

ただ、業界や企業ごとにライフサイクルは異なるので一概にはいえませんし、10周年と50周年、100周年とでは当然、周年記念の持つ意味合いや目的は違ってきます。

企業のライフサイクルと周年のテーマ 企業のライフサイクルと周年のテーマ

たとえば、創業・黎明期を乗り越えて成長軌道に乗り始めた10周年であれば、困難な時期をともに歩んだ従業員、OB・OG、主要取引先などへの感謝と次の10年への期待感醸成が中心になります。この場合、社内向けの記念式典と、社外の取引先に向けた感謝のパーティーが柱の施策として想定できます。

20周年や30周年になると、事業が成長・多様化し、組織規模も大きくなったことで、コミュニケーションが希薄になっていることが想像できます。そこで、あらためて創業の原点を振り返りつつ、従業員の一体感醸成や周年を活用したコミュニケーション活性化がテーマになったりします。従業員やその家族を招待した大規模なレクリエーションイベントの実施や、従業員を巻き込んで福利厚生やオフィス環境などの社内制度の見直しに取り組む企業もあります。

ほかにも、創業社長から後任へと世代交代が行われるタイミングにもなりがちです。そうしたときには、創業の想いはより色濃くなり、「創業者に感謝を伝える」サプライズ企画が準備されることもあります。

さらに会社が成熟する40周年以上になってくると、これまでの連続的な企業成長からの脱却がコンセプトに置かれることがあります。時代の変化や未来を見据えて、企業の在り方を一から問い直すような、理念やビジョン・ミッションの再構築に着手する企業も増えてきます。そうした場合には、経営層だけではなく、従業員を巻き込んでワークショップを実施することで未来をともに描く、ときには従業員主体でブランドを策定する、といったケースもあります。

50周年や100周年といった大きな節目になると、企業の社会的な影響力も高まっています。そのため、企業ミュージアムやCSR・CSV活動など、社会に向けた発信や働きかけが多くなってきます。

周年記念の進め方:周年施策・企画を考える

周年記念の代表的な施策・企画

周年記念で実施される施策には、イベント・記念式典や感謝のパーティー、周年記念映像やブランド映像、記念品の配布、周年記念サイトの制作、社史、CI(コーポレートアイデンティティ)再構築、レクリエーションの実施、周年キャンペーン(プロモーション)、企業ミュージアムやCSR・CSV活動の開始など、さまざまな形式があります。

関連ブログ:企業の周年記念動画、事例41選!目的や活用方法を解説

周年施策は多岐にわたりますが、何に取り組むかは目的によって変化しますので、周年全体の目的を定める必要があります。

1年や半年といった中期的な周年プロジェクトにならず、記念式典などの施策単体の実施になった場合でも、その目的を設定・明確化することで方向性がぶれにくくなり、プログラムやメッセージを考えやすくなりますし、成果も出やすくなります。

仮に上層部から「これを実施するんだ」と施策軸での指示がおりてきたとしても、その施策を通じて何を実現したいのか、背景にある想いやゴールイメージなどは、積極的に経営陣にヒアリングしてみましょう。

周年事業・周年イベントの施策例(社内・社外向け) 周年事業・周年イベントの施策例(社内・社外向け)

周年事業・周年イベントの企画・設計ノウハウが詰まった資料を無料で公開中!
経験豊富な周年プランナーへの無料個別相談会も、随時受付中です!

参考資料をダウンロードする 周年無料相談会に申し込む

周年記念の進め方:周年の効果を最大化する

どのようにエンゲージメントを高めるか

周年における目的・テーマは、突き詰めていくと「ステークホルダーとのエンゲージメント強化」と表現しても過言ではありません。ここでのエンゲージメントとは、単なる企業へのロイヤルティや帰属意識ではなく、個人と企業の価値観やビジョンがつながり、互いに貢献し合う状態のことです。

特に、従業員エンゲージメントは業績にも連動するといわれています。周年は、「過去」「現在」「未来」を見つめることになるので、一人ひとりがみずからの価値観や目指す方向とあらためて向き合う節目でもあります。会社が「過去」「現在」を振り返り、「未来」を具体的に語ることで、従業員やパートナー、顧客といった多様なステークホルダーとの間に共感の接点が生まれ、エンゲージメントを高められるのです。

最近では、エンゲージメントサーベイを定期的に実施している企業が増えています。周年では、施策ごとの参加者満足度アンケートがよく採用されますが、効果測定の指標として周年施策の前後でエンゲージメントがどのように変化したのかを分析してみるのもおすすめです。

関連ブログ:従業員エンゲージメントとは?向上施策や事例を解説

インサイドアウトの考え方

周年に限定した話ではありませんが、近年では従業員に向けたコミュニケーション施策、それによるエンゲージメント強化がより重視されるようになっています。なぜなら、労働力人口減少や人材流動化によって人材採用や優秀な従業員の雇用維持がますます厳しくなる中で、企業ブランドやビジョン・ミッションへの共感を高め、従業員から「働く場」として選ばれ続けることが持続成長の必須条件だからです。

また、SNSの普及によって顕著になりましたが、従業員の発信や行動は企業ブランドに大きな影響を及ぼします。良い発信・行動も、悪い発信・行動も、一瞬で世界中に拡散されて「炎上」する時代です。

コマーシャルや著名デザイナー起用など、対外的なブランディング活動を積極的に行うことで表面的なブランド力を高めたとしても、多くのユーザーや消費者が実際に企業と接点を持つのは従業員やサービス・プロダクトを通じた体験です。ブランドメッセージと実際の体験にギャップがあれば、ブランドイメージを高めるほどにギャップが大きくなり、かえってブランドを毀損することにもなり得ます。

こうした状況を踏まえると、ブランディング活動は社内に向けたブランド浸透の優先順位が高く、理念やビジョン・ミッションに共感した従業員の「ブランド体現行動」を増やすことが必要であるといえます。このブランド体現行動こそが、社外のステークホルダーとの接点を通じて、企業ブランドへの共感や信頼、エンゲージメント向上へとつながっていくのです。

この内側(社内)から外側(社外、取引先やユーザー・消費者など)に広がっていく流れを、インサイド・アウトと呼びます。

周年でも、従業員を対象にしたブランド浸透の施策を重視する企業が増えています。たとえば、従業員向けのワークショップや周年式典などを通じて、創業からの歴史を振り返り、根幹にある大切にしてきた価値観を共有します。そうして、未来に向けて「引き続き大事にしていくこと」あるいは「変えていくこと」を従業員主体で明確にし、自分ごと化を狙った企業がありました。

コミュニケーションやブランディングの効果を最大化するために、「インサイドアウト」の考え方を意識して取り組みを考えてみましょう。

周年事業・周年イベントの企画・設計ノウハウが詰まった資料を無料で公開中!
経験豊富な周年プランナーへの無料個別相談会も、随時受付中です!

参考資料をダウンロードする 周年無料相談会に申し込む

周年記念の進め方:フェーズ・スケジュール

周年記念の取り組みは、企業によって内容も期間も大きく異なるため一概にはいえませんが、次に紹介するフェーズ・スケジュールを進め方の参考としてみてください。

構想・方針検討フェーズ(周年の約2年前〜)

周年事業の方針を定めるフェーズです。経営陣や決裁者から、周年をどのような場や機会にしたいのか、想いや周年後のビジョンをヒアリングし、ヒアリング内容をヒントに周年の目的やターゲット、どのような変化を生み出したいかを整理します。会社によっては、中長期経営計画と絡めて活用することもあります。

また、経営陣や決裁者の意向を前提に、現場従業員の声も積極的にアリングして、現場の課題感や希望・要望を吸い上げて把握しておくことも大事です。現場の状況を理解せず、まったく現場感のない周年テーマに決まってしまうと、ネガティブな影響を生み出す可能性もあるので注意します。

同時に、決裁ボード、事務局、プロジェクトチーム、外部委託会社など、どのような体制・フォーメーションで進めていくことが望ましいのか、プロジェクトの全体像も検討・設計します。

このタイミングで、プロジェクト設計からサポートできる外部委託会社に早めに声をかけて、他社事例やプロジェクトの進め方のパターンを聞いておくと、その後の進行イメージがつきやすくなります。また、実施できる施策の幅も広がります。

外部委託会社への声がけが遅くなるのは、ありがちな失敗例です。外部委託会社に話を聞くのが遅かったために、実施したい施策はさまざま出たものの、時間も予算もないため実現できない、というケースがよくあります。

構想する中で、周年イベントや周年誌、周年映像など、実施したい周年施策が具体的に挙がった場合は、これらの概算費用についても網羅的に確認しておきます。

これらの情報をもとに、周年記念で何を、どこまで実施するのか、決裁者と擦り合わせながら、方向性や進め方、体制の方針、大枠の予算を固めていきます。

企画設計フェーズ(周年の約1年前〜)

続いて、方針にもとづいて、どのような施策を実施するのかを具体的に企画・設計するフェーズです。この具体施策の企画・設計は、事務局メンバー主体で行う場合と、社内から広くプロジェクトメンバーを募って行う場合があります。

検討プロセスへの従業員の巻き込みは、会社の理念・ビジョンや未来との接点を持てる、自分ごと化をはかる絶好の機会ですから、後者をおすすめします。最近では、「周年でやりたいこと」を従業員から募集して、起案者を中心に複数のプロジェクトを進める企業もあり、プロセスから最終的なアウトプットまでの一連が周年の目玉企画になっていたりします。

注意したいことは、周年施策を立案し、具体的に企画・検討していく場面においては、当初の目的から離れていきがちなことです。そのような事態を避けるためにも、周年全体のコンセプトを明確化し、議論を始める前にキックオフミーティングの場を通じてプロジェクト内にで共有するようにしましょう。

周年イベントや映像制作など自社リソースだけで対応できない施策は、外部委託会社との連携も必要になります。費用は実施内容や制作内容によって大きく変わってきますので、早い段階から相談し、ときにアドバイスをもらいながら、進めていくことが肝要です。

複数の施策が同時進行で動く場合は、分科会で進め、定期的に全体会で擦り合わせる形式が効率的です。その場合は、事務局が分科会と協議しながら、全体の予算枠の中で優先順位や配分の調整を行います。

実施フェーズ(周年イヤーの1年間)

各施策の企画、制作、実行に順次取り組んでいきます。企業によっては1年以上かけた周年プロジェクトになりますし、1日の周年イベント・周年式典で終わる場合もあるでしょう。

当然、どちらが良い悪いということはありませんが、プロジェクトメンバー以外の従業員をいかに巻き込めるかを意識した活動が欠かせません。さもなければ、「会社が何かやっている」「事務局が何かやっている」と、他人ごとと受け取られかねません。

外注費用をかけなくても、部やグループでワークショップやディスカッションする、社内ポータルやイントラサイトで従業員が登場するカウントダウン告知をする、ベテラン社員や若手社員の座談会をメルマガで配信するなど、社内を盛り上げる企画はさまざまあります。

社内外への事前・事後の広報活動やコミュニケーション施策を通じて、周年を盛り上げ、熱を持続させられるように努めてみましょう。

事後フェーズ(周年後)

無事に周年施策が完了した後は、取り組みの成果やプロセスをできるだけまとめておきましょう。報告書や冊子、映像などを制作して保存しておくことで、5年後や10年後に資産として有効活用できます。また、取り組みを社外に発信することで、PR効果も見込めます。

周年で目的を定めて活動し、生み出した変化のきっかけは、周年後にも持続したいものです。たとえば、周年を機にブランドを刷新・発表したのであれば、周年後はその浸透をテーマにプロジェクトの形を変え、継続的に活動できる施策を検討していくと効果的です。

周年を機に中長期的な方針を発表した場合は、周年以降が本番です。ビジョンや未来を描き、社内外の期待を醸成したのであれば、そうした期待に応えられるように事後施策にも取り組んでいきましょう。

周年事業・周年イベントの企画・設計ノウハウが詰まった資料を無料で公開中!
経験豊富な周年プランナーへの無料個別相談会も、随時受付中です!

参考資料をダウンロードする 周年無料相談会に申し込む

周年記念の進め方:周年を成功に導くポイント

周年事業・周年イベントの目的・ゴール整理

周年事業の成功には、目的やゴールの設定が大きなポイントです。周年は関係者が多いため、フレームで整理・言語化し、共有できるよう文書で明確にします。

周年を変革や成長の機会と置くのであれば、会社が何を目指しているのかを捉えることが重要です。経営陣へのヒアリングや中長期の経営計画などを参照して、どんな状態を目指したいのかを確認・整理します。

次に現状の事業や組織、従業員のコンディションを整理し、中長期ゴールとのギャップから課題や周年で生み出したい変化や状態を設定します。仮説で構いませんので、まずは書き出してみます。

そして、その目指したい状態を実現するために、従業員や顧客にどのようなメッセージを伝えていくのか、周年のテーマを設定します。この際、ターゲットを漠然と従業員とするのではなく、その中でも特にどの層にアプローチしていくかを具体的に設定すると、コミュニケーションテーマや体制を検討しやすくなります。たとえば、入社3年未満の若手社員、20代後半の次世代リーダー、グループを担うミドルマネジャーなどです。

これらをもとに経営陣や決裁者と擦り合わせ、プロジェクトの要件や範囲を合意形成し、その立ち上げへと進みます。

周年プロジェクトの体制づくり

周年プロジェクトの体制づくりは大別すると、指名・任命による各部門からの招集型と、メンバー公募型があります。どちらが良いかは企業風土にもよりますが、いずれにしても参加者が活動しやすいように、プロジェクトの目的や施策の検討範囲、企画委員か実行委員かなどの募集要項を全社に広報しておきましょう。

このとき、プロジェクトが業務扱いか、また評価対象なのかは気になる点ですので、会議の頻度や想定時間を踏まえて明確にしておきます。いきなり全社広報するのではなく、募集前に各部門のマネジメント層やキーパーソンに声をかけて巻き込んでおくこともポイントです。こうした事前の声がけが、マネジメント層からの参加の後押しにつながります。また、応募状況を見ながら、反応の少ない部署には声がけをして参加を促してもらいます。

最終的には事業や職種、性別、エリア、入社年次などのバランスを見ながらプロジェクトメンバーを決定します。社内ポータルやメールの告知だけで大勢の参加メンバーが集まる企業は、そう多くはありません。やはり地道な声がけが一番で、「直接声をかけられたから参加した」「最初は乗り気ではなかったが、参加して良かった」という声が多いのがおもしろいところです。

体制づくりと併せて、プロジェクトミーティングの実施方法や、誰がどのタイミングでどこまで確認・承認をするのかといった意思決定のルート・ルールを決めておくことも重要です。

施策ごとにサブプロジェクトに分かれて進める場合は、プロジェクト全体で見たときにちぐはぐにならないよう、俯瞰して主導するプロジェクトリーダーを決め、定期的に情報共有をしながら進めていきます。

体制が決まれば、メンバーの顔合わせを兼ねたプロジェクトキックオフを行います。任命にせよ、手挙げにせよ、プロジェクトメンバーの温度感は、その後の社内の巻き込みにも影響します。可能であれば周年オーナーとなる経営トップから、「周年にかける思い」や「プロジェクトチームへの期待」を語ってもらいましょう。

また、早い段階で飲食を交えた懇親会をセットしておくと、その後のコミュニケーションがスムーズになります。プロジェクトメンバーが各組織の従業員とのハブとなり、現場の声を吸い上げ、社内を巻き込んでいけるように、事務局は全力で支援していきましょう。

外部委託会社の活用検討と選定

社内だけで企画・実施できる施策もありますが、イベントなどが一定規模を超える、あるいはコンテンツの専門性や演出性が増すにつれ、外部委託会社の協力が不可欠になります。

イベントや周年誌など、それぞれのコンテンツ制作会社に専門領域だけを切り出してお願いすることもできますし、周年のプランニング会社に制作会社との調整も含めてプロジェクト全体を統括してもらうことも可能です。

どのフェーズから委託するかは、施策範囲や予算、社内体制に左右されます。周年は複数の施策が絡み合いながら同時進行しますし、特にイベントは、非常に多くの外部委託会社やスタッフとの調整が必要になるので、企画設計から実施まで全体プロデュースのできる会社に任せた方が効率的かつ効果的です。

外部委託会社を選定する際には、業務範囲と責任区分、事務局と委託先や関係者間の役割分掌を定め、文書で合意形成します。周年プロジェクトは準備期間が長く、その過程で内容や条件が変わることが多々あります。プロジェクトミーティングの際にも、口頭だけで済まさず、毎回議事録を残しておくことがトラブルを回避することにつながります。

周年事業・周年イベントの企画・設計ノウハウが詰まった資料を無料で公開中!
経験豊富な周年プランナーへの無料個別相談会も、随時受付中です!

参考資料をダウンロードする 周年無料相談会に申し込む

周年事業・周年イベントの成功事例

プロミス策定とブランドリニューアルで次の100年へ!富士酸素工業の100周年プロジェクト

  • 社名…富士酸素工業株式会社
  • 業種…産業ガス・エネルギー供給業
  • 対象…ステークホルダー(従業員、取引先、消費者、地域社会)
  • 参加人数…従業員約80人(実施時)

静岡県東部エリアを中心に、法人・個人向けのガス事業を展開している富士酸素工業株式会社様は、創業100周年を迎えました。富士酸素工業様はこの100周年を迎えるにあたり、5年以上前から周年プロジェクトを立ち上げ、「次の100年」への一歩を踏みだす準備を進めてきました。

そして、プロミス(経営理念)を従業員主体で策定するプロミス策定プロジェクトや、CI(会社ロゴ)・ユニフォームのリニューアル、従業員や取引先・消費者を対象にしたイベントなど、さまざまな周年記念施策を1年以上かけて順次、展開しています。

1年をかけて取り組んだTMJ30周年プロジェクト!全従業員が周年に触れる機会づくり

  • 社名…株式会社TMJ
  • 業種…BPO総合サービス
  • 対象…従業員
  • 参加人数…約15,000人

BPOに関するアウトソーシングサービスやコンサルティングサービスを幅広く手がける株式会社TMJ(以下、TMJ)は、2022年4月1日に30周年記念を迎えました。

TMJでは、これまでの周年記念をマネジャー以上の正社員を集めた式典形式で実施していました。しかし、30周年の企画に際しては、コロナ禍収束の見通しが立たない中で集合型イベントを計画することは難しい状況にありました。また、「多くの従業員を参加させたい」という思いはありながらも、24時間365日稼働するコールセンター事業の特性上、従業員が一堂に会することは難しく、どうすれば従業員に自社の周年を感じてもらえるのか、参加感の醸成にお悩みでした。

そこで今回の30周年では、すべての従業員が周年記念に参加できる機会を設けるために、オンラインとオフラインを掛け合わせた複数の施策を約1年かけて実施する、30周年プロジェクトに取り組みました。

ブランドリニューアルで新たな未来を目指す!シンクロ・フードの設立20周年記念イベント

  • 社名…株式会社シンクロ・フード
  • 業種…情報・通信業
  • 対象…従業員
  • 参加人数…約130人

株式会社シンクロ・フード様は設立20周年を迎え、節目となる20周年を全従業員でお祝いし、新たな旅立ちの日とするため、『設立20周年記念イベント』を実施しました。

シンクロ・フード様は設立20周年を迎えた節目のタイミングに、コーポレートブランドとサービスブランドをリニューアルしており、このイベントでは20周年を祝うだけではなく、社内へのブランド共有や、「提供価値」や「目指したい未来」を語るワークショップを行っています。

ハイブリッド型周年イベントへの挑戦!70周年事業で感じる仕事の価値と誇り

  • 社名…東京菅公学生服株式会社
  • 業種…制服・スポーツ用品等の企画・製造・販売
  • 対象…従業員
  • 参加人数…105人

70周年を迎えた東京菅公学生服株式会社様は、当初、集合型の周年イベントを予定していましたが、感染症の流行拡大によりイベントを延期しました。そして、あらためて周年事業の目的と施策の見直しを行い、「自分たちの仕事の価値や誇りを社員に感じてもらうこと」を周年の重要テーマに設定しました。

そして、周年期間を通じて、社員を巻き込んだ周年ロゴ制作、ユーザーを巻き込んだコンテスト、社員向けのオンライン周年イベント、社内コミュニケーションツールの活用などを行うことで、中長期視点でのブランド再構築を実現し、これまでにない新しい一歩を踏み出す機会となりました。

AGC110周年プロジェクトの最後を飾る、家族参加型の周年イベント『Aフェス』

  • 社名…AGC株式会社
  • 業種…製造業(ガラス・土石製品)
  • 対象…社員・家族
  • 参加人数…約2,000人

創立110周年を迎えたAGC株式会社様は、旧社名の旭硝子株式会社から社名変更を控えていたこともあり、大きな転機となる周年記念でした。そこで、全社を巻き込んだ110周年プロジェクトを立ち上げ、社内外に向けてさまざまな施策を展開しました。

1年をかけた周年プロジェクトのグランドフィナーレを飾ったのが、全社員とその家族が参加対象のイベント『Aフェス』です。イベントに先駆けた事前の施策には約4,000人もの社員が携わり、『Aフェス』当日は大人からこどもまで約2,000人がさいたまスーパーアリーナに駆け付けました。同社110年の長い歴史の中でも、最大級の社内イベントです。

20周年式典は、100年続く企業を実現する「はじめの一歩」

  • 社名…株式会社ゼロイン
  • 業種…専門コンサルティング
  • 対象…社員
  • 参加人数…約100人

設立20周年を迎えた株式会社ゼロインは、社員を対象にした周年式典を開催しました。20年の歴史を振り返ると同時に、経営・管理職が半年以上をかけて策定した新しい企業理念・ビジョンが発表されました。この20周年の節目に偶然居合わせた仲間と志を一つにすることで、未来に向けて歩きはじめるきっかけとなる周年式典でした。

参加者アンケートは5段階評価で平均4.5点を超え、非常に高い満足度を獲得しました。フリーコメントには、理念への共感への言葉や、これから自分がどう行動するか、あるいは「30周年式典を盛大に開催したい」といった未来視点の声が多く寄せられ、ビジョンの実現に向けて新しい一歩を踏み出す象徴的な一日となりました。

20周年イベントは、お客様を招待した「感謝の集い」で最上のおもてなし

  • 社名…A社
  • 業種…不動産業
  • 対象…社員、社員の家族、取引先
  • 参加人数…約620人

A社様は設立20周年を記念し、周年イベント「感謝の集い」を開催しました。取引先様、社員とその家族、総勢600名をホテルに招待し、20年をともに歩んだ「感謝」を伝える場となりました。

この周年イベントでは、「感謝」と「おもてなし」に徹底的にこだわっています。そこには、「これからもこの会社をともに築いていくファンとなっていただきたい」という強い決意があり、「社員と家族が幸せになる会社」「社員、家族、お客様、関係者様が全員ファンになる会社」というA社様の目指す将来像が根幹となっています。

周年事業・周年イベントの事例一覧

ここで紹介した以外にも、企業の周年事業・周年イベントの事例を掲載しています。

周年事業・周年イベントの事例一覧はこちら

関連お役立ちセミナー

ゼロインが企業の周年記念をプロデュースで蓄積したノウハウをセミナー映像にしました。

オンデマンド配信で、好きな時間に視聴可能です。自社の周年事業・周年イベントを検討されている経営者・周年責任者の方を対象に動画でお届けします。セミナー詳細ページのフォームからお申し込みいただいた方に、視聴URLとパスワードをお送りします。

周年記念の進め方でお悩みの場合はゼロインへ

ゼロインは、インナーブランディングや社内イベントのプロジェクトを年間200件以上プロデュースする、社内コミュニケーションの戦略的パートナーです。豊富な実績・経験をもとに、多様なステークホルダーが対象の周年事業・周年イベントを、プロジェクトの全体設計から予算計画、各施策の企画・実行までワンストップでサポートしています。

ゼロインには3つの得意領域があり、「コミュニケーション戦略設計」「イベント・メディア企画制作」「プロジェクトマネジメント」のサポート範囲で、お客様の周年記念の目的達成に伴走しています。

持続的に成長する企業づくり、組織づくりには、社内コミュニケーションの戦略的な設計と実行が不可欠です。理念・方針への共感や社内外との多様なつながりは社員のエンゲージメントを高め、社員の理念・ブランドを体現する行動は社会との接点を持つことでブランド力を高めます。企業の周年記念は、そうした戦略的なコミュニケーション活用に絶好の機会ですので、ぜひ効果的な活用を検討しましょう。ゼロインがご提案いたします。

周年事業・周年イベントの企画・設計ノウハウが詰まった資料を無料で公開中!
経験豊富な周年プランナーへの無料個別相談会も、随時受付中です!

参考資料をダウンロードする 周年無料相談会に申し込む

この記事の著者

三宅 柚理香

株式会社ゼロイン シニアコンサルタント
1997年からリクルートグループにおいて人材領域を中心に採用広報の企画・制作に携わる。2010年、株式会社ゼロインに入社。インターナルコミュニケーションのコンサルティング、コーポレートブランドの策定・浸透サポートなど多数プロジェクトに従事。現在はシニアコンサルタント 兼 コミュニケーションデザイン総研責任者。

周年事業・周年イベントのおすすめ事例

周年事業・周年イベントのおすすめブログ

Download

参考資料ダウンロード

すべての参考資料を見る